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リアルタイムモーションキャプチャー:戦隊モノまでメタバース?!(2023.7のALIS記事から転載)


VTuberは総合芸術

先月、東京ビッグサイトの『JAPAN IT WEEK 2023』にて、リアルタイムモーションキャプチャー(後述)という技術を使ったVtuberライブを初めて見ました。
アイペアーズさんという会社のブースで、私がそこに足をとめたきっかけは、私が好きな『ドンブラサーズ』という日曜朝の子供向け特撮(後述)の殺陣(たて)のポスターが、制作実績のPRとして貼ってあったことでした。

本当に素晴らしい総合芸術だと思いました。
ステージの裏のスペースを見て、スタッフの方に対し『中の人』と言った自分をひどく恥じました。

私が変に言語化しないほうが良いと思うので、ライブ自体の感想はそれだけにとどめたいと思います。

私が観たものではありませんが、アイペアーズさんのYouTubeからお借りしたライブ動画です。

人間の仕事はなくならないし、なくしたくない

ひとつ自分の中で確信し、勝手に納得して勇気をもらってきたことは、人間の仕事がITによってなくなるのではなく、広がると思わないと絶対につまらないということです。

昨年度、テレ朝ヒーロータイム(日曜朝、仮面ライダーやプリキュアがやっている時間帯です)の『暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ』という特撮にハマっていました。

偶然テレビで観てしまい、「今時は戦隊ものまでメタバースなのか」と面白がって観ていたところ、お話も俳優さんたちも非常に良く、最終回で泣くほどいつの間にか引き込まれていました。

『ドンブラザーズ』とリアルタイムモーションキャプチャー

桃太郎をモチーフとした『ドンブラザーズ』では、『キジブラザー(ピンク)』『イヌブラザー(黒)』のアバターチェンジ(変身)後の姿が、アバターの戦士として表現されています。

このピンクと黒のアバター戦士が、生身の人間の姿をしている他の3人の戦士と同じ画面上で、戦っています。

その殺陣(たて)のシーンで使われているのが、リアルタイムモーションキャプチャー(※)という技術です。

※リアルタイムモーションキャプチャー
アクション俳優が全身にセンサーをつけて殺陣を行い、そのセンサーとCG(アバター)をその場でひもづけて、CGのキャラクターを今ここにいる人間かのように動かすこと。

小学校の頃の、芸術鑑賞会の意味を今さら感じた

この『ドンブラザーズ』のモーションキャプチャーを担当した、アイペアーズという会社さんのVtuberライブを今回観たのですが、好きな番組というきっかけでもなければ、多分今後もVtubeは観なかったのではないかと思いました。

それは、あまりに簡単に作れるものしか見たことがなく、私が知っているものがその分野の全てだと、無意識のうちに思い込んでいたからだと思います。

作品や仕事、ツール、技術にはすべて、目的と方向性があるので、必要十分なツールを使うことや、リソースの範囲で間に合うものを作ることを否定的に思っているという話ではありません。

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大人の私ですら、技術は道具であることを忘れ、ちまたにあふれるアバターを使った動画を「小手先のもの」ととらえて興味を持ちませんでした。

なので例えば、とくに子どもを、技術によって自動化・省力化された結果にしか触れられない世界におくことは、すごく恐ろしいことだと今回感じました。

コロナにより、児童放課後デイや介護施設のレクリエーションがカラオケなんかに置き換わることの本当の意味を分かっていないと、あるプロのピアニストの方が言っていたことが、重なりました。

誰でもある程度のことができるツールが出てきたからこそ、子供が本当のクリエイティブに触れる機会をなくさないことや、大人も従来のプロフェッショナルの仕事をもう一度知ることが不可欠だと思いました。

芸術に触れて一般向けツールの凄さを知れた

一般の人にも使えるツールを、より自由に使うために、その分野に全振りしている方々の仕事も含め、広く様々なものを見るよう心がけたいとあらためて思いました。

一般向けツールの凄さと目的がより深く分かり、アイデアもたくさん湧くはずです。

実際、リアルタイムモーションキャプチャーとVtubeが私の中でまったく結びついていなかった時と比較して、この動画の見え方とVtube関連ツールに対するイメージの両方が、大きく変わりました。

上記動画で、リアルタイムモーションキャプチャーを使った殺陣(たて)が観れます。
非常に面白い動画なので、よければ観てみてください。

推しを貼っておきます。

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