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魔女と魔法のお話〜ベルテーンのメイワイン〜

-ベルテーンですね。今日は。

はい。これはスウェーデンのワルプルギスの夜の動画なんですが。

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こうやってみんなが松明を持って、山へ登っていっていくんです。

-夜だ。

ワルプルギスの夜は山に登ってこうやって火を焚べに行くんです。
この時期、北欧はまだちょっと寒いんですよ。
ダウンとか着てる人もいたりしますね。
火は太陽の象徴です。
この季節から、暖期が始まると言われているんですね。
太陽の力がより強くなっていくというイメージ。
動物や植物はこの時期に生命が宿り、エネルギーが高まると言われています。
人間も春から夏にかけて生命エネルギーが高まっていくんです。
ワルプルギスの夜ではこれから育っていくあらゆる生命の誕生や、太陽の力の強まりへ感謝を捧げます。

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-魔女以外にも色々な人が参加するんですね?

はい。これは普通に一般の人たちのお祭りです。盆踊りとかと同じように普通の人たちが集まっていますね。
現代魔女は、北欧で信仰されていた古代宗教をリバイバルしてる人たちが大半なので、こういったお祭りは、元々土着にあったものなんです。ハロウィンとかクリスマスもキリスト教が始まる前からあったお祭りなので。キリスト教が作ったわけではない。

-アニミズムというか、民間宗教みたいな。

そうそう、そこからスタートして。
私達は別に、神主だから、巫女だからということ関係なくお正月に神社に行きますよね。

-確かに。日本人みんな神社に行きますよね。熱心な信仰がなくても。

魔女が行っているのは、土着の、昔からある信仰です。節分に豆まいたりとかなんとなく習慣でやってるものってあるじゃないですか。そういう季節の祭りと同じなんです。

-ウィッカーマンの世界!

魔女ってすごい説明難しいんですけど、たいてい組織に属していて、女神崇拝をしてたりする人が多いんです。
私の場合は、ちょっと特殊で、シャーマン寄りというか、ただ、自然を崇拝しています。女神や神々を崇拝する祈りではなく、自然の精霊たちと繋がり、宇宙や惑星や生き物たちや自然への祈りを捧げています。

-はい。

だから私の祈りには「何かの神様」を信仰しなきゃいけないっていうことはありません。
例えばスパイスやハーブの中にある薬効をさらに引き出す、それを魔法と呼んでいるんですね。素材のポテンシャルを最大限に引き出すんです。「魔女の愛されスパイス」の冊子をよく読んでいただけるとわかるとは思いますが……。

こういうのが原始的な宗教の始まりなんだと思います。太陽とか月とかの規則性を見て、「この時期だと植物が育ちやすい」「魚が取れやすい」とか自然を読み解くわけじゃないですか。その延長線上です。

-他の魔女とは違う! と。

なんというか、差別化したいわけではなくて、私のアイデンティティがとっても複雑なんですね。そもそもおじいちゃんが魔術師で、おばあちゃんは祈祷者で。そして私は日本に生まれている。そもそも私の中で色々な信仰がミックスしてるんですよね。
おばあちゃんはキリスト教、ローマカトリックも大事にしていたんですよ。キリスト教と土着の祈祷を組み合わせたアイデンティティを持つ人だったんですね。
おじいちゃんはスペインの魔術と、フィリピンの魔術をミックスさせて、独自の魔術を作っていたようなんですね。色々とミックスしてたんです。

注射器とか家に残っていたので、治療術もやっていたみたいです。フィリピンには心臓を手で掴む、とか麻酔をかけないとかっていう、民間療法みたいなものがあるんですね。

-うわ、すごい。

話を戻すと、私自身がミックスということなんです。混血でもありますし、文化的にもいろんなものが混ざり合ってできている。日本に生まれたことで神道や仏教的なことも関わっていたりますし。それに対して私自身には違和感がないんですよね。全て大元はつながっていると感じていてるので。私自身は、ただただ自然崇拝とかアニミズムを語っているだけなんですよ。むしろ分断される方が気持ちが悪いというか、違和感があります。私からスペインの血だけを抜くことができないように、混ざり合った状態での調和がすでに出来上がっているんですね。

自然と繋がって、尊んで、祈って。人と自然に優しく生きようとしている人。それが私にとっての魔女ですね。

-魔女の定義。

神様って何だ、精霊って何だって思ったときに、単純に自然のエネルギーのことだと思っています。太陽や月や惑星、空気や木々、水とか火とか、それぞれにエネルギーを感じるんです。エネルギーがこの命や世界を作っているってことですね。エレメントや土地だったりに漂ってるエネルギーを感じている。

自然現象から言葉や神話や暦が生まれたりしている。全ての営みの根元は自然から生まれているんだと思いますよ。数字や物理学のルールも含めて。自然現象を観測している点では同じなのかと。

-自然現象を遡るわけですね。

昔の人は、魚を干して腐らないようにしたりとか、ハーブを防腐剤にしたとか。シナモン、クローヴをミイラに詰めたりとかね。薬のない時代から、自然の力を利用して工夫をして生きてきました。

-今回のベルテーン(ワルプルギスの夜)はお祭りなんですよね?そこで出てくる魔女の食べ物とかってあるんですか?

はい。メイワインがあります。メイワインは、蜂蜜とレモン、グリーンカルダモン、食用のお花を使ったレシピですね。

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旬なのでレモンは必須です。
魔女のお祭りは必ず季節の物を取り入れますので。
生命や性的エネルギーが一番高まる時期でもありますから、蜂蜜やカルダモンなどの性エネルギーを高めるものと、ベルテーンの時期に取れる花々(食用)もぜひワインに添えて欲しいです。

-花と蜜。春らしいですね。

この時期は「恋愛」「結婚」「出産」というのが強いテーマになるんですよ。魔女のサバトでも、恋愛や婚姻の儀式を行うのに一番いい時期なので、『魔女の愛されスパイス』は試して欲しいですし、この時期に作るのはオススメです!

実際、私はベルテーンの時期に魔女式の婚姻の儀式を3回行いましたし、その中で私の作ったスパイスワインを必ず飲んでもらっています。今でもみなさん仲良し夫婦なので、婚姻の魔術が効いているのかな、と。

結婚といえば、ハネムーンって蜂蜜からきているんですよ。

-確かに。HONEY MOONですもんね。

蜂蜜は滋養強壮に強く、子宝に恵まれるとされているので。1ヶ月、蜂蜜を摂取し続けて、家から出ないで子作りに励む。それが蜂蜜の月、ハニームーンなんです。笑

-本当は逆なんだ!

部屋から出ずに子作りに励むんですね。
今だと、旅行先で子作りに励む感じだと思いますので、本質は同じだと思いますが。

-すごいなセックスしまくる30日か。

はい。ムーンは月なので、1ヶ月を表しますね。

-というわけで、

○レシピ

・赤ワイン 1杯分
・グリーンカルダモン 3g
・レモン スライスして1枚
・蜂蜜  適量
・『魔女の愛されスパイス』で作ったシロップをティースプーン3杯分

○飲み方の注意

できれば火や樹木を感じる空間で、これから太陽の力が強くなり、命が芽吹いていくことに感謝をしながら、自らもどんどんエネルギーに満ちていくことをしっかりと想像してください。

自然が近くにない方は、緑色の蝋燭を灯し、観葉植物などを眺めながらでもOK。

1人で飲む人は、南側を背にして東を向いて飲み干すのがオススメ。
『魔女の愛されスパイス』に書かれている愛の祈りを込めながら飲みましょう。

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