スルスル深まる!筋膜システム式開脚
Eikoさんの「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」に始まり、数年前から開脚ブームが始まりました。
私も動画を観たり、色々な講座に参加したりして勉強しました。
私が確認した中でも普通のストレッチだよなあと思うものから、カラダの使い方で深めていくものなど色々なメソッドがありました。
その中で私が興味を持ったのはカラダの使い方で深めていくメソッドです。
ストレッチしないという触れ込みで、そんなことができるのか?と最初懐疑的でしたが、あるところまでは確かに普通にやるよりも楽にできて驚いたものです。
そこから自分自身でもカラダの使い方を研究している中で、自分が専門としていた筋膜の働き、すなわち筋膜システムを利用すると開脚が面白いように深まることに気が付きました。
そうして、作ったのが「筋膜システム式開脚」です。
決まった型というものは設定せずに、カラダの使い方をポイントにしいているので、いろいろな開脚メソッドにも組み込める内容になっています。
筋膜システム式開脚の基本フロー
筋膜システム式開脚の基本フローは以下の通りです。
①感覚する
②全身の張力を均等にする
③開脚前屈して制限に当たったら、張力を整える
④張力が整ったら前屈を深める
⑤③、④を何回か繰り返す
⑥制限に当たったら、動きやすい方向に動く
⑦前屈を深める
⑧⑥⑦を何回か繰り返す
⑨③〜⑧を繰り返す
理論はわからなくても、このやり方を行うだけでもある程度までスルスル開脚が深まると思います。
筋膜システム式開脚は開脚が深まるのは当然ですが、軸も整います。
では、筋膜システム式開脚はどういうなのでしょうか。
この後説明していきます。
筋膜システムとはどういうものか
筋膜システムの前に、「筋膜」について説明していきます。
筋膜とは、筋肉、骨、内臓、神経、血管、脳などの体中の器官や組織を包んでいる膜組織であり、器官や組織からなる構造物を互いに隔て、互いに引っ張り合っています。
さらに、器官や組織の間にもクッションのように線維状の筋膜が存在しています。
シート状だったりシュワシュワな線維状だったり形状は様々ですが、体中に存在しています。
筋膜以外の組織を取り除いても人体の形を保つと言われており、第二の骨格と呼ばれています。
ミカンの皮、線維を思い浮かべていただくとイメージしやすいかもしれません。
互いに引っ張り合っている構造を張力構造と呼び、建築用語でテンセグリティとも呼ばれます。ロープで引っ張って立っているテントのようなイメージです。
このような筋膜の働きを、ここでは「筋膜システム」と呼んでいます。
筋膜システムは
①保護、弾⼒
・・・組織を保護し、弾力を与える
②支持、張⼒、伝達
・・・組織を支持し、張力構造によって保ち、力を伝達する
③区切り、滑⾛
・・・組織を区切り、滑走する環境を作る
④感覚
・・・感覚受容器が存在する
と区分けできます。
筋膜システム式開脚で使うのはこの中で
・張力
・滑走
・感覚
の3つです。
それぞれ説明していきます。
張力を整えれば関節の可動域がアップする
まずは張力から。
張力とは引っ張り合う力。
骨格はテントのように筋膜の張力バランスによって形を保っています。
このような張力構造をテンセグリティ構造と言います。
テンセグリティ構造は
・連続的張⼒のバランスによって統合性が維持される構造モデル
・緊張を分散させる
構造物であり、この構造の特徴として、
・形が変わっても、構造は変わらない
・1か所制限を加えると、途端に重たくなる
ことが挙げられます。
これを関節運動に置き換えると、
・張⼒バランスが取れているときは関節運動がスムーズに⾏える
・張⼒バランスが崩れると関節は動かなくなる
と言えます。
つまり、全⾝の張⼒バランスを合わせれば最⼤限に関節運動ができるということです。
言い換えるとカラダのつながりがある状態です。
ストレッチ感を感じる状態は張力バランスが崩れているので、それ以上深めることはできません。ストレッチ感を感じたら(できれば感じる前に)他の部分に力を入れて張力バランスを保つと良いでしょう。
張力バランスを整える方法は
(1)表と裏のバランスを取る
例えばハムストリングスに緊張を感じたら(張力が高い状態)、大腿に力を入れてバランスを取れば良いわけです。
(2)張⼒の⾼い箇所と任意の1点の張⼒を合わせる
張⼒の⾼い箇所(ストレッチや緊張)と任意の箇所の張⼒バランスを取る。
(3)張⼒の⾼い箇所の緊張を流す
張⼒の⾼い箇所(ストレッチや緊張)の緊張を流していく。
(4)全⾝の張⼒バランスを合わせる
水の中にいるようなイメージで最初から全⾝の張⼒バランスを整えておく。
などが挙げられます。
感覚することが最小の張力バランスの整え方
筋膜の中には皮膚感覚(触覚、圧覚、温覚、冷覚、痛覚)、固有感覚(位置感覚、運動感覚、痛覚)などの感覚受容器が存在します。
感覚することで神経伝達が起こり、筋肉にスイッチが入ってインナーマッスルが活性化します。この感覚した状態が、骨格を保つうえで最小の張力と言えます。
開脚する前に、最初に感覚にスイッチを入れておくことが重要です。
例えば、足裏を感じるだけでも体は安定しますし、頭頂、指先と感覚する箇所を増やせばそれだけ安定度は増していきます。
拙著、「ヨガで知っておきたい感覚5つの秘訣」に感覚することの効果、方法について詳しく書いています。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07N894C8N
筋膜をリリースする~滑走させる
緊張を起こさないように張力を整えることは、カラダの使い方です。
では、物理的に硬い場合や制限がある(癒着している)場合はどうすれば良いでしょう。
筋膜システム式開脚では、物理的に硬い、制限がある場合の対応方法として筋膜リリースを使います。
通常の筋膜リリースは手やボールなどの道具で筋膜を捉えてリリースしますが、開脚で制限があるたびに開脚をやめて制限のある場所をリリースしていては、あまり効率が良いとは言えません。
そこで、開脚をしながら筋膜リリースできる方法を考えました。
どうするかと言うと、普通なら制限を感じてもそのまま頑張ってストレッチし続けると思いますが、制限まで到達したら動きやすい方向に動くだけです。
こうすると、負担なく滑走できて、筋膜の癒着がリリースされます。
床に張り付いたごみを取るときにある方向から取れなければ別の方向から行くとするっと取れることがありますよね。あれと一緒です。
ポイントは負担のないほうに負担のないほうに、スルスル深めていくことです。
一度に大きく動こうとせずに、ちょっとずつ滑走していきましょう。
※一度に大きく動こうとするとストレッチ感が出てきます。
動きやすい方向と言っても戻ってしまっては意味がなくて、その制限を捉えた状態で動ける方向に動いていきます。
私はこの方法を思いついてから、制限ありがとう、と思うようになりました。
今までの説明でも参考にしていただけることがあったと思いますが、さらに詳しく学びたいと思われた方は、以下の有料動画も是非ご覧ください。
ポイントも詳しく紹介しています。
あとは、おまけとして筋筋膜のつながりとして有名なアナトミートレインの応用方法を説明した動画もご覧いただけます。
・筋膜システム式開脚の説明(9:04)
・感覚について(10:47)
・張力について(1:09:10)
・滑走について(16:30)
・筋膜システム式開脚基本フローの解説(13:23)
・アナトミートレインの応用方法(1:32:40)
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