ある研究関連の講義(3年編)その6
今回の講義は、半導体の研究ならびに外研先で行われている研究の紹介であった。ここでは、トランジスタの高周波デバイスの研究としてHEMTの改良を行なっている。この際に、材料の変更、伝達方法の変更、物性の予測という三つの視点から研究を行なっている。
まず、ガリウムヒ素など一般的にⅢ―Ⅴ族化合物は、移動度が大きく、直接遷移する物質である。これらをInAs、InGaAsなど、歪系である「材料」に変え、移動度の上昇の可能性を検討することが第一の目的である。
材料の面をクリアしたと仮定しても、トランジスタは、情報を電気信号として取り出すという方法を用いるため、電気を用いて情報を伝達しようとすると、光を用いて伝達を行なった時に比べ、伝達する速度が遅くなり、多くの情報を速く運ぶことができない。従って、光を制御し、光のまま情報を伝達する方法を研究する必要がある。そのため、マイクロ波・ミリ波トランジスタの光制御に関する研究、とりわけ、光の信号の増幅や検知する方法の模索が第二の目的である。
トランジスタを開発したとしても物性の予測ができなければ、新たなるステップに行くことができない。そのため、トランジスタの物性の予測を行なうこと不可欠である。具体的には、ある状態を仮定し、その微分方程式を立て、その解を出すという作業を行なっている。
講義に関しての感想は以下のとおりである。まず、講義のスピードが速いという印象を持った。また、キーワードをうまく用いれば、相手を理解させやすくなり、本当に聴衆が思っているかは別として「分からないことを有難く思わせること」なく伝達できるのではないかと思う。例えば、この場合、「材料の変更、伝達方法の変更、物性の予測」がキーワードにふさわしいと思われる。
また、”強調”したいところやスライドに載せたとしても“一見して認識できない”もの(例えば、”数式”や”図”)を事前配布すれば、伝達しやすくなるのではないかと推定される。
次に、研究に関しての感想は以下のとおりである。まず、最も、興味が沸いたのは、量子状態の解析である。どのように式が表されたのか、どのように式を導出するのか、そこが気になった。また、その際に、代数的に解く場合、どのような数学的手法を用いているのか、また、代入法を用いて、コンピューターを用いて、数値解析的に解く場合、”あの”マセマティカをどうやって使いこなしているのか、そこに興味を持った。
また、仮に配属されたとして、実際に研究をするとしたら、トランジスタに用いる物質をあれこれ変更し、より良いものにする方法を模索するということを最もやりたいと思う。なぜならば、様々な材料を片っ端から物性を測定し傾向を観察するという精力的なことが面白そうだと考えているためである。
何か機会があるのであれば、この研究室の研究やその他諸々に関して、現在在籍している中で古くからいるM2の院生を中心に”ゆっくり”と話を聞けるチャンスがあればいいなと思う。
ということを書いた。
ちなみに・・・トランジスターがどうたら書いてあるけど、この時、どういうものか?など実際、使ったことがほとんどなかったので・・・。
まあ、実際に、アマチュア無線をかじったりしているうちに、なんとなく、分かってきたという感じ。後、工業の教科書を読んだりしているうちにね。
https://www.jikkyo.co.jp/special_textbook/other.html#othersSec01
そういう意味では、まったく、分かっていなかったのだけど、いまさら、いろいろと分かったりした。
でも、この時は、まったくその点に気がつかなかった。
そう考えると、まあ、学部の時は結構甘くなるんだなと・・・。
最近は思ってしまうね。
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