今回は、準結晶の話とそのほかの研究に関する講義であった。

まず、準結晶とは、5回対称軸を持ち、原子間距離が黄金比である物質である。この準結晶が発見されたため、結晶の定義が「原子が規則的に並んだ物質」から「離散的な回折パターンを有する固体」に変化した。

準結晶の原子の並びは、単位胞がないため、構造の特定ができなかったが、ペンローズ・タイピングという図形の敷き詰め方により、解明された。

準結晶は、周期性がないため、電気抵抗は半導体に近いといわれている。また、ヤング率は弾性体に近いといわれている。

材料の視点から準結晶の一つであるAl65Cu20Fe15は、クラーク数が大きく、低コスト、低密度、高硬度、摩擦係数、高撥水性という性質を持つ。現在、準結晶の性質を最大限生かせる方法を模索することが考えられている。

この研究室で行なわれている研究は、準結晶と脱レアアースナノコンポジットと金属ガラスである。

脱ナノコンポジットとは、永久磁石を用いて、少ない電力でモータを動かすというものである。例えば、永久磁石型MRIに、この方法を使えるのではないかと考えられている。  

金属ガラスは、単なるガラスと違い、構造が等方性である。そのため、異方性である結晶質をもつガラスでは、加工限界が来てしまうものも、金属ガラスであれば、等方的であるため、加工することができる。これは、微少モータに利用されている。

今回の講義を聴いて、思ったのは、準結晶は奥深いということである。準結晶の研究には、この講義を聞くまで、基礎研究のみで、応用に関するビジョンがまだ立っていないのではないかと推定していた。

3か月前、準結晶の研究に関しては、ちょっと院対策に関して知人のところに情報収集に行った際に、知人の知り合いの研究員から話には聞いていて、将来的には実用的かつ非常に有用な研究であるということを聞いていたが、既に明確なビジョンがあるということに関して目から鱗が落ちるような気分だった。

また、材料としての利用価値があるということが分かり、少し興味を持った。また、永久磁石に関する研究も興味を持った。

また、その永久磁石は実用的にどのくらい持つのか、磁力を発生させるのには、どれくらい電圧を印加する必要があり、それは、省エネルギーを達成するのに見合うだけのものなのかそこに興味を持った。  

いずれにせよ、何かの折に個人的に研究の話や研究室の表裏の話など”隅々”まで聞きに行きたいと思った。

というような話を書いた。

それにしても、本当にMRIを永久磁石でできるんなら・・・これは、進歩的な研究だと思ってる。

だって・・・今のところ、MRIは超電導磁石を使うし、そのために、液体ヘリウムが使われている。ただ、ヘリウムが入手できなくなれば、液体ヘリウムも作りようがないのでまずい。

実際、こういう状況だし・・・。

そう考えると、有事の際に影響が少なくなるように、いろいろな材料が必要な気がするのだが・・・。

そういう意味では、ここの研究室は検討に値するのかもしれない。

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