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私がコーヒーを飲むようになった理由

子供の頃や若い頃に好きだった人(著名人・創作物の中のキャラクター・身近な人なんでも)から受けた影響がその後の人生にまるっと乗っかってくるというのは誰にでもある事かと思います。
それは言葉だったり行動だったりちょっとした仕草だったりあるいは嗜好だったり。

私はコーヒーが好きで日常的にかなり飲むのですが、なぜそうなったかというと。

いまでこそNetflixなどのストリーミング配信が主流だけど、私が中学生の頃はまだWOWOWが上陸したばかりだったかそんなぐらいの頃で、WOWOWは意識高い上流階級の家ぐらいしか利用していなかった。
当時”アメリカで人気沸騰!WOWOWでついに日本上陸!!”的な謳い文句のドラマ「ツイン・ピークス」があって、最初の頃こそWOWOWだけの独占放送だったけれど、少し経ったらレンタルビデオ(ビデオだぜ)屋にビデオが並び、毎週土曜日の深夜に民放で吹替版が放送される事になった。
この民放でやっていた吹替版の方を当時JCだった私は相当夢中になって見ていた。
ビデオにも録っていたのだけど、リアルタイムでCMカットしながらの録画だった(←ロストテクノロジー)。
吹替版のキャストもその演技も超神憑っていて、これが面白さに拍車をかけていた。
(随分後になって字幕版を見たらクソつまんかった)

そのツイン・ピークスの主人公のクーパー捜査官がコーヒーとチェリーパイに目がないお人で、隙あらばコーヒーを飲みチェリーパイを喰らい都度長ったらしい感想ポエムとうんちくを垂れていた。
クーパー捜査官はコーヒーをブラックで飲んでいたのだけど、美味しいブラックコーヒーがどれほど素晴らしいものか劇中と繰り返し語る。
重度の厨二病だったJCの私は当然洗脳される。
やたらコーヒーを飲むようになる。
チェリーパイは日本では馴染みがないからそこらのスーパーでは絶対手に入らなかったのと、私がさくらんぼを嫌いだったのでチェリーパイは除外した。

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うちの親は粉を溶かすインスタントコーヒーは泥水だと嫌い、ハンドドリップやサイフォンで割と手間をかけてコーヒーを淹れていたので、家には常に美味しめのコーヒーや器具が揃っていた。
それどころか自分でハンドドリップを面倒くさがった親は小学生の私にそれをやらせていたので、ガキの割にはなかなかのコーヒーを淹れていたんじゃないかと思う。

日本のツイン・ピークス人気もいよいよMAXに達した頃、コラボプロモーションが展開され、ツイン・ピークスの設定とキャストを使ってジョージアの缶コーヒーのCMを出していた。
(コラボではないけれどSUBARUのインプレッサのCMでもクーパー捜査官のカイル・マクラクランを起用していた)
JCの私は割と無理をしながら見かける度にジョージアの缶コーヒーを買って飲んだ。
コカ・コーラの自販機にはそのCMのステッカーがババーンと貼られ、友人が見かける度に剥がして同じものを何枚もくれたりした。

前置きがクソ長くなったけれど

①ツイン・ピークスのおかげで
②ブラックコーヒーがガバガバ飲めるようになった
③缶コーヒーを買う時は迷わずジョージアを選ぶ

今思い返すと日本人は最初ツイン・ピークスを「連続殺人事件を解明するサスペンスもの」として受け入れたのだけど、途中から「スピリチュアルとオカルトのガチバトル展開」になった事についていけなくなり(そもそもこっちが本質だったけど)、かなりの数の人が脱落したと思う。
私はもう夢中になり、派生の「ローラの日記」や「クーパーは語る」も当時に読んだし、サントラは擦り切れるほど聴いたし、「ローラ・パーマ最後の7日間」もちゃんと観た。

本国で打ち切りになりラストもあんな感じになってしまい、それはそれとして受け入れていたけれど、まさか2017年に完全続編で復活するとは夢にも思わなかったよね。
いやー長生きするものだなあーとか、ババアになってもまだまだ楽しいことたくさんあるなー!とか思った。

そして今日もコーヒーが美味いぜ。

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