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北方領土と北朝鮮拉致問題

北朝鮮は岸田首相に会ってやってもよいみたいな物言いをしていたが、接触を拒否するという表現に変わった。

①北方領土問題と北朝鮮拉致問題の相違点

プーチン大統領は日ソ共同宣言で歯舞、色丹の引き渡しが文書化されていることについて「それだと引き渡さないわけにはいかないな。」と呟いた、と伝えられている。

だが、その後、ロシア憲法が改正されて領土割譲が禁止となった。

 

北方領土については、はじめから返還する意思がなかったという解釈も有力だが、少なくとも、言葉の上では、安倍政権までは北方領土問題の存在を認めていた。

金正日時代に拉致被害者が数名、帰国できたわけだが、それが可能となったのは、日本側が一時帰国ということにしておいたからである。北朝鮮は、被害者が、そのまま日本から戻ってこないとは思っていなかった。

岸田首相は拉致被害者を奪還すれば、支持率の上昇が期待できると考えて、北朝鮮と接触を試みている。しかし、北朝鮮は、拉致被害者を返還するとは言わないばかりか、拉致問題を認めてすらいない。


②北方領土問題と北朝鮮拉致問題の共通点


いずれも日本から援助を引き出すために利用された。だが、解決には到らなかった。


北方領土は、もう返ってこないだろう。北方領土を失なって、来年で、80年も経過してしまうことになるわけで、日本はかつてのように経済力があるわけでもないし、ロシアが国家として崩壊でもしない限り、もう無理だと見たほうがよい。

一方、拉致被害者の家族は、親の世代は亡くなってしまった人が多く、このままでは親の世代にとっては時間切れとなる。北朝鮮は経済援助程度では、被害者を返したりしそうにはない。横田めぐみさんの子供を、横田さん夫妻とモンゴルで面会させたことはあったが、うまくいっても、この位が限度で帰国は無理だろう。日本が北朝鮮を国家として承認すれば別かもしれないが、承認は日韓基本条約との整合性の問題もあり、容易ではない。

岸田首相は元外相で外交が得意という自負があるようだ。しかし、北朝鮮に足元を見透かされていることは日本国民にも解ってしまっており、この内閣は期待されていない。

お読みいただき、ありがとうございました。



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