美術展へ行ってみた #3|「没後50年 福田平八郎」(大阪中之島美術館/大阪)
モネ展で連日大盛況の大阪中之島美術館。
そんな同館で3月9日より開幕した「没後50年 福田平八郎」展へ、モネ展に押し寄せる人波をかき分けて行ってきました。
実は今年に入るまで福田平八郎さんのことを存じ上げていなかったのですが、2月にモネ展へ足を運んだ際にラックに立てかけられていた本展のリーフレットを偶然目にして心惹かれ、「これは行こう!」となりました。
没50年ということで、昨日(3月22日)が命日だったんですね。
▮開催概要
▮展示構成
第1章:手探りの時代
画家を志した初期の頃の作品が並びます。
とにかく絵が上手!!(その道のプロを捕まえて言うことではない)
徹底した写実性を追求した福田平八郎さんですが、その確固たる意志がひしひしと感じられるような作品の数々に感服でした。
第2章:写実の探求
あまりの写実性の高さに口を半開きにさせながら、あっという間に第2章へと突入。
やはり、この章においても、圧倒的な写実性を見せつけられることに。
第3章:鮮やかな転換
第4章:新たな造形表現への挑戦
“見たまま”を忠実に描くような写実的なものに代わり、より造形的・装飾的な作品が多く登場してきます。
徹底的な写実性を極めることで辿り着いた造形性、装飾性。
初期の頃はリアリティ感満載だった生き物たちも、どこかキャラクター感のある愛くるしい姿に大変身!思わず笑いが込み上げてくるほどでした。
絵を描くこと以外に釣りへの関心も高かったとのことで、鯉や鮎、水面といった水辺にまつわる作品も多く見られました。
ここで登場するのが、福田平八郎さんの代表作とも言える《漣(さざなみ)》。
おしゃれな手ぬぐいのデザインにありそう!というのが、私の率直な第一印象でした。
実物を目にするまで気が付かなかったのですが、金箔の上にプラチナ箔を重ねたものの上から描かれているそうです。
抽象的なモチーフのようにも思えますが、よくよく見ると、写実性を重んじるという福田平八郎さんのアイデンティティが感じられるような、そんな作品でした。
第5章:自由で豊かな美の世界へ
前もって本展のリーフレットで観て気になっていた《うす氷》。
撮影可能作品とのことで、今回撮らせていただきました。和三盆ともち米でつくられた富山県名産の薄い干菓子のことを指すそうで、実物の「うす氷」がミュージアムショップで販売されていたので、好奇心に後押しされて買ってみました。(まだ食べていません)
▮まとめ
一つ一つの作品を観る際に、その作品がどこに所蔵されているかにも注目しているのですが、多くの場合「〇〇美術館所蔵」と記されているなか、福田平八郎さんの作品の場合は、「国(皇居)」や「〇〇寺・〇〇神宮」といったあまり見慣れない所蔵先が記されているのも印象的でした。
中には、重要文化財に指定されている(!)なんて代物も。おそるべし、平八郎!
普段好んで観ている西洋絵画や現代アートとはまた違った魅力があり、最後まで新鮮な気持ちで楽しく鑑賞することができました。
モネもいいけど、平八郎もね。(わかる人にはわかる、某テレビCMのキャッチコピーを拝借)
\ご覧いただき、ありがとうございました!/
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