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旅先の道の駅でステキなロゴに出会うと嬉しい件。

いや、もう、タイトルの通りです。
「あ、コレ、自分には創れないぞ」というものに出会うと、とくにものすごく嬉しいのですよね。

ロゴを創るだけなら仕事場で試行錯誤すればいいんですが、道の駅となるとそんな軽いお話では済まない場合があるんです。

言っちゃ悪いけどガッカリロゴに出会う確率は高い。

その理由はすごく明解。

予算の原資が税金だから

「安価であればあるほどいい」というのが、公共事業について住民が持つ感情だから、費用がかけられないというのは普通に理解されることですよね。

建物みたいにロゴもうまく発注できればいいけれど、なかなかいい感じにならないケースってのは多いんじゃないかなと思うわけです。

設計・施工を受注した企業がどこかのデザイナーと繋がっていれば、おっ! いいね! みたいな展開はあるんですけれども。

誰に出したらいいんだ?

っていう話になって、
コネをめっちゃ手繰って、
なんとか見つけて発注したらえらいことになった、
とかもあるはずなんですよ。
主に価格面で。

デザイナーやってると

えっ? ロゴデザインって、こんなにかかるの?

みたいなリアクション、多いんですよね。
普通に値引きとかも言われたりします。

それが一般的なリアクションであろうことに一定の理解を示すデザイナーな自分としては、値付けに悩みつつも確保すべき額を提示するんです。

労力と知見に費やすものは、目に見えないけれど大きいので、それが高いと思われても退けないと言いましょうか。

折り合わなければ、受けるわけにはいかないというシンプルなお話ですので、深刻に捉えてはいません。

だって、受けてたら生活できないもん。
受けたくても無理だから、受けられる人がやるべきよね、という明解なお話に帰結するんですね。

デザインというお仕事は、昔よりも世にマッチしなくなってきてると思います。

さて。

価格が見合わない、というハードルから発生するのが、公募です。

自治体や地方公共施設のロゴが市民からの公募になったりすることも、まあ、わからんではないなと思っています。

そういえば先日、旅先で立ち寄った施設で、自治体が主催する「自治体00周年記念ロゴ投票」みたいなポスターを見かけたんですよ。

公募で集まった案が並んでいて、応募方法が書かれたポスターでした。

どの案に決まってもアプリケーション展開は大変だろうと思いながら眺めてました。

「ほとんどの案がロゴでもマークでもなく絵になってる」というのが、大変だろうなと思った最大の理由だったのですけれども。

このロゴというか、シンボルマークというか、絵を制作物に必ず入れなくちゃいけないとすると、かなりストレスを感じる人が出るだろうなあ……表に出てこない人たちの中で…。

みたいなコトに思いを馳せたひとときがありました。

そんな旅を重ねるなかで「きなんせ岩美」さんのマークを見ると、

いいなあ、
ホッとするなあ、

などと感じたので書いてみた次第です。

NIKON D5300 + Ai-S Nikkor 24mm F2

割り切った色の整理。
伝統的なシルエットに地域の要素がしっかり入ってる。
単色での使用もちゃんと考えられていて、エプロンやTシャツへの展開もバッチリ。

安心感がめちゃくちゃあります。
実に珍しい。
そして、地域に合ってて、ステキ。

こんなふうに書くと、他の田舎のデザインをバカにしているのか、みたいなリアクションもあろうかと思います。

そうではなくて、ロゴは最低でも10年持たせなければいけないからキッチリ作りたいけれど、それを許さないさまざまな壁があるから、難しいものは難しい。

作る側も生活があるが、手は抜きたくない。

合わない予算。

どうやって折り合いつけるのか。

というところで、条件を丁寧に詰めていくことで、地元に最適な解が見つかるんじゃないだろうか、と思っているのです。

予算度外視で誰かが犠牲になるような、昭和な仕事のやり方ではなくて。

納得して動かす。

そのための調整力が地方にはめちゃくちゃ必要よね、というお話でした。

これに近いお話が大阪市でも発生したことがあるんですよ。
都会なのに人をただ同然で使う、みたいな件が。
それを表層だけ触って騒いだ人たちがいたりして、一部ネットでは炎上チックな感じになってたのです。

プロボノを参考にしたデザイン系求人のお話だったんですけれども。

その話は、また別の機会に書くかもです。

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