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人の死を笑うな

また人身事故だ
最近多いなぁ

今日も今日とて
日常を構成する1ページとして
さも当たり前のように
人が電車に飛び込む

たくさんの借金を抱えていたのかもしれない
かなり重症の鬱病だったのかもしれない
魂を引き裂かれるような悲しい出来事があったのかもしれない

それでも
人が電車に飛び込むという行為は
あってはならない行為だと思う

人身事故という言葉は
本来聞き慣れてはいけなかったはずの言葉だと思う

人が死ぬ
それまで存在していた個体が
死を境に無に還る

まさにdelete

自殺
それは
言葉という
究極のコミュニケーションツールを
得てしまったという事実の副産物

言葉さえ持たなければ
自ら命を絶つなどという選択肢すら
思いつきやしなかっただろう

車掌はどのように感じるのだろうか

散り散りになった人間の塊が
少なくとも
それまで人間として
一個体として存在していた塊が

ただの肉塊として
真っ赤な血飛沫と共に
目の前に飛んできたその時

聞いたところによると
どうやら慣れてしまうものらしい

あぁまた人が飛び込んだ、と
諦めにも近い感情なのかもしれない

ただ
人によっては
やはり刺激が強すぎて
辞める人もいるとのことだった
話を聞いて
どこか安心してしまった自分がいた

あぁ、
自殺は”異常事態”であると
日常を構成する1ピースなんかではなく
この社会への”警鐘”であると

認識してくれる人が
真剣に受け止めてくれる人が
一定数でもいてくれることへの
安堵の感情だったしれない

人が1人
死んだというのに
自ら命を絶ったというのに

どこか好奇の表情で
嬉々としてその事実を得意げに話すのは
何かが違うと思う

年末だからねぇ、と
世間話の一つとして話題にするのは
絶対的に何か間違っていると思う

ましてや
人の死を迷惑がることなど
あってはならないはずだ

自殺に慣れすぎている
この社会こそが ”異常” なのだ

せめて
天国では
幸せに暮らせますように。
もしあるのならば。

#エッセイ #コラム #日常 #日記 #ライフスタイル #死

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