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30|いつかクロアチアに行きたい

大好きな本がある。

倉橋燿子さんの『青い天使』。

小学校に入る時、高校生になる友だちのお姉ちゃんから「ぜひ読んで」と譲り受けた大きなダンボール。そこには青い鳥文庫の倉橋燿子さんのシリーズが箱いっぱいに詰まっていた。

『いちご』『青い天使』『ペガサスの翼』『カミングホーム』『ホーリースクール』『ラッキーチャーム』『月が眠る家』。

当時出ていたシリーズは制覇されていた。今では廃盤になって手に入らないもの、読みたくてもないものもあるので、宝物だ。そこまで集めてた友だちのお姉ちゃんがすごいのだが。

その前までも本は大好きだったが、小学校に入ったばかりの私には、文庫本サイズの字の小ささ、厚みのある本を読むのは初めてだった。(児童文庫なので今思うとそれでも字は大きいけど…。)

あの箱を開けた時のワクワクは今も忘れない。

そして初めて『ホーリースクール』を読んだ時の、心躍る瞬間も、絶対忘れない。

革命だった。

こんなにも面白い世界がこの手の中に広がっているのか、と衝撃を受けた。

夢中で読み漁った。こんなに本が溢れてるんだもの。読まない理由がない。


実は、初めて手に取った『ホーリースクール』シリーズは、前出の『青い天使』シリーズと繋がっている部分がある。あとがきでそれを知った私は、急いで『青い天使』全九巻を読み始めた。

そしてそれは、今もこれからも私の人生に残る大切な物語になる。

今思うと、小学一年生の私には、まだ理解できないこともあったと思う。でも、心に響いた。主人公チナちゃんの弱さと強さが好きだった。
(ちなみに私は海くんが大好きだった。笑)

もう話の展開を覚えるほど読んでいるのに、毎年何度も何度も読み返した。九巻あるけど、多分10回以上は読んでるんじゃないかなぁ。今までこんなに読み返した本はない。



さあ、やっと本題。

#一度は行きたいあの場所

私は、クロアチアに行きたい。
クロアチアのプリトヴイッツェ湖群国立公園に行きたい。

死ぬまでに一度でいい。一度でいいから、あの場所を訪れたい。チナと剛くんが永遠を誓ったあの場所を。ビリッチが育ち、返ったあの場所を。

聞きなれない言葉だと思うが、どうか検索して見てみてほしい。「プリトヴイッツェ湖」。16の湖が段々に滝によって繋がれている姿は、一度見たら忘れないと思う。



改めて、『青い天使』は私を作ってくれたものだと胸を張って言える本である。
今やいろんな本を読むようになった私だけど、正直ここまで名前を覚えてる本なんて滅多にない。
皆さんは、はっきりと登場人物の名前や場所やストーリーを思い出せるような本はあるだろうか。もしあるなら、それはあなたにとって本当に大切な本なのだろう。ぜひ教えて欲しい。

死ぬまでに一度はクロアチアに行きたい。
行くまでは死ねない。

最後に、この本で私が一番大好きな言葉を。
ビリッチのお母さんが読んでいた詩の一節である。


『愛されるより、愛すことを、求めますように』

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