見出し画像

朝の顔。

朝いちばんに飲むコーヒーは、何かが違う気がする。

朝、いつもより少し早起きをして。

いつもと少し違う、駅の朝の顔を見て。

ちょっと気になる、あるいはちょっとお気に入りのカフェの扉を開ける。

モーニングのセットを注文。

注文には、なるべく頭を使わないのが好ましい。

座りやすい席を探して、
注文したものが届くまでのあいだ
今日のはじめの一口は、
ほろ苦く、どっしりとしている。

今日という日が、どんな日になるのか。

朝のコーヒーは教えてくれる気がする。

そういえば、コーヒー占いってあったな・・・

ふと周りを見渡す。

打合せをしている外国人、

なにやら難しげな顔でノートに書き込みをしているサラリーマン。

スーツをぴしっと着ているのに、長髪で髭まで伸ばした男性。
何の仕事をしている人なんだろう。

いろんなタイプの人が、場を共有していて面白い。

同じ場所にいるけれど、みんな、それぞれの世界にいる。

その世界を、ちょっと一緒に見させてもらう。

といっても、わたしが見られるのはあくまでも、
その人にあらわれる「朝の顔」

朝の顔には、なんとなく、その人の本音が出ると思う。

あまりじろじろ見るのは失礼だから、
ぼんやりと、視線を定めずにみんなの朝の顔を愉しむ。

ふいに視線を落とした先には、腕時計。

おっと、いけない。
朝の時間はあっという間だ。

そそくさと片付けをしていると、
視界の端に入った長髪髭の男性が、にやっと笑った。

朝の顔ってほんとうにおもしろい。

それぞれの場所に、
行ってらっしゃい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?