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オタクの分類


➀オタクの分野

都内の書店で、同じコーナーに旅行、カメラ、クルマ、軍事の雑誌が置いてあるのを見たことがある。書店員さんは、これらがいずれもオタク分野であるのを理解していたのだろう。 


野村総研作成


英語では、ナードとギークの区別があるが、日本語では、いずれもオタクという呼称が使われている。ナードは学生の場合、文化系のサークル・クラブ活動所属であり、ギークは理科系である。
 

②オタクの定義

野村総研作成

 上図(野村総研の調査)を参照すると、オタクがアニメやマンガの愛好者の意味に限定されていたのは、1980年代のことでしかない。
 この図からは、現在では、マニアやコレクターも、オタクの範疇に含まれるようになったことが解る。
 もっとも、オタクという用語を濫用する傾向も一部にはあり、これには賛成しない。以前、TVで考古学者を考古学オタクと呼んでいたが、これだと研究者は皆、オタクになってしまう。研究者には、対象に傾倒するという点で、オタクと共通する面があるとしても、研究者をオタクと呼ぶのは適切ではない。ただ専門の研究者ではないが、マニアの場合はオタクと呼んでもいいかもしれない。
    美容オタクという用語もあり、化粧品業界の人間でもないのに、さまざまな化粧品などを取り揃え、さらに美容面で人より抜きん出た努力をしたり、知識を披露したりしている人が、自ら美容オタクと称する場合が見受けられるが、これはマニアを自嘲気味にオタクと言っているわけである。
 また、自分では実践しないで鑑賞するだけのケースをオタクという場合もある。
 サッカーや野球の試合をするのではなく、観戦するのが大好きな人達をサッカーや野球のオタクと呼ぶケースが、それに近い。

③オタクの欲求

野村総研作成

画像の文字が読みにくいので一部、書いておく。

共感欲求 よさを他人にも理解してほしい
     趣味の仲間を増やしたい

帰属欲求 気のあった仲間がわかってくれればよい

創作欲求 オリジナル作品の創作
     自己解釈に基づく改造行為

自律欲求 自分の考えに基づいて判断したい
     自分なりの評価の基準や解釈を持つ

顕示欲求 意見を広めたい
     ネットの開示・書き込み

収集欲求 グッズや商品を多く揃えて優越感
     何でも揃えないと気がすまない

 これらの欲求を合わせ持つ人がオタクの範疇に入るということができる。


この記事は以前書いた2つの文章をひとつに短縮して編集し直したものであるが、Twitter上では、しばしばオタクを狭く定義して議論されているので、振り返ってみたくなり再び掲載した。

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