経済を回すということ

僕は社会に出たら自ずと社会に仕組み(経済)が理解できるようになるものだと思っていたし,なぜか自分は,全ての社会人は社会のことを理解していると思っていたこと,そしてそんなことはないことに最近気付いた.考えてみればサラリーマンをしていて月額固定で(賞与や昇格などはあれど)報酬が支払われる平社員などは正直社会の仕組みを理解せずとも労働力を提供することで社会人として生きていける.

もちろん,そういう生き方が悪いというわけでもない.理解せずとも生きていくことはできる.社会の仕組みを知ってる人が偉い偉くないなどないのだ.僕が社会経済の仕組みを理解したいのは僕の勝手だ.煩わしいことを考えずに,ひたすら自分の情熱を捧げて新しい発見をすることで結果的には大きな社会貢献になる人だっているし,いるべきだと思う.単純に分業するというだけで,どの職業が良い悪いの区別がないのと同じように,社会への仕組みを知らないことそれ自体を他人が責める権利はないのだと思う.

ただし,例外はある.それは社会の仕組みを知らずして経済活動を行う他人を批判してしまうことだ.それは,その人に危害を加えるだけでなく,批判してしまった人を含む社会全体への悪影響となってしまうのだから.例えば「何かとお金をとるなんて金の亡者だ」みたいな批判と,忖度により形成される「お金儲けへの批判的空気感」は世の中の経済発展を止めてしまう危険性があると思う.

お金儲けは悪行か?

お金儲けをする人に対して悪くいう悪しき文化というのは強く根付いている気がする.僕らはきっとそんな呪いにかけられて生きているんじゃないかと思う.少なくとも僕は自分の作ったものにお金をとっていいのかと考えてしまうことがある.それが今までにない商品やサービスだったらなおさらだ.そもそも相場というものがないのだから,それでいくらお金を取ってもいいのかわからずに躊躇してしまう.

アートとは何かがようやく腑に落ちた話で書いた通り,価値に見合った適正価格なんてものは存在しない.生産者と消費者の間でやり取りされる金銭の量がお互い見合った時に取引されるだけだ.だから,自分の活動によって生み出された作品やサービスの対価としてお金を請求することは悪いことじゃないし,ましてや批判されるべきことではないと思う.

もちろん,人を騙して多くのお金をとるような詐欺行為は犯罪だし,看過されて良いものではない.単なる伝達ミスでもサービスをしてからお金を請求するのは詐欺行為になってしまう危険性はある.そうしたトラブルを避けるために,サービスや作品を渡す前に必ず価格の提示をしておくことは必要だとは思う.

単なる趣味でお金をとってもいいのか?

「趣味なんだから無料でやってよ」という考え方は,サラリーマン的思想が間違った形で用いて世の中を見ているよう状態に思う.サラリーマンにとってオフィスなど決められた場所で決められた業務をしているときが仕事であり,報酬が発生する行為で,それ以外はプライベートであり報酬が発生しないと考える二元論的な考え方だ.世の中のサラリーマンがそういう発想になっているとは思わないが,少なくともそういう傾向にはあるんじゃないかなと感じている.

趣味でお金を儲けるということは,その趣味を持続可能な状態にするということだ.特にその趣味が単なる自己満足なのではなく,他人に披露したり,他人を喜ばせることまで含めて好きならばお金をとった方がいい.お金を取るということは,その趣味を持続可能にするということで,持続可能にするということは,その趣味の疲労によって,笑顔に出来る人達をより多くすることが出来る素敵な行為だと思う.そうして得たお金であなたも多様なサービスや商品を買うことで,その人たちの活動も持続可能なものとなり,そこで得た経験や情動はさらにあなたの価値を高めてくれるだろう.

しかも,あなたが想像もしないところであなたの活動には常に価値が眠っている.あなたが無価値と思っているあなたの一部は他人にとってかけがえのない価値になる.だから,まずは自分の活動をはなから無価値と値踏みしないで,とりあえず披露してみる.とりあえず値をつけてみるところから始めるべきだと思う.

例えば,僕は歌が好きで上手くなりたかったが,なかなかプロ歌手のようには歌えなかった.そうした時に役立ったのは,アマチュアの人の歌う動画だった.彼らはプロ級とは言えずとも,自分の次の課題点をはっきりさせてくれる点においてはプロの歌手の歌声よりも価値があった.歌が下手だけれど上手くなりたい人に向けて,自分がボイトレを受けてだんだん歌が上手くなっていく様子を録ったりしたら,それはとても付加価値になりうる.

多様な軸から価値を測る

歌の上手さという一軸だけで価値を測れば,自分の歌声には価値がないように思えてしまうだろう.しかし,実際はもっと多様な軸があることに気づくべきだ.そもそも歌がうまいこと自体が一軸ではない.かっこいい,可愛い,柔らか,力強い,不思議ごえなど色んな魅力がある.

どんな軸で突き抜ける価値が自分に眠っているのか,自分でもなかなか気づけない時がある.それはいつまでも考えていてもわからない.わからないのならば実験してみることが手っ取り早い.とにかく自分の一部を商品化して市場に出してしまうことだ.そこで顧客が着くのなら,その顧客からどんな価値を感じているのか直接聞き出してしまえばいいのだから.

最後に

今回のnoteは,自分には必ず何か価値があるということ,そして,それでお金をとっても悪いことではない,むしろ経済を回す社会貢献になっていることを書いてみました.

これを書いた理由としては,誰よりも僕自身が,自分で自分の活動に値段をつけてお金を稼ぐことが,何か後ろめたいことに感じてしまっていて,なかなか足を踏み出せないでいるからです.そんな自戒を込めて今回はこのnoteを書いてみました.

せっかく,そんなnoteを書いたので,初めて有料設定にしてみようと思います..ただ,お金を払っても追加の文章は何もありません.カンパを募るような形です.そうしたことから,少しずつ踏み出していこうと思ったのでした.

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