アートとは何かがようやく腑に落ちた話

最近巷でアートについて学ぶことが重要だと叫ばれていますね.僕自身もなぜアートが重要なのか?そもそもアートとは何なのか?をずっと考え続けていました.ようやくその意味を理解した気がするので書いてみたいなと思います.

アート作品って超高額なもの?

アート作品って呼ばれて最初に思い浮かべるものは絵画などが多いと思います.僕もそうでした.ゴッホとか北斎とか.そして,それらはとても高い値段で売り買いされているイメージ強いですよね.

それらはなぜああまでも高額で買われるのか?歴史的な重要作品だから?しかし,そうだとしたら現代に生きるアーティストの作品が多額に取引される理由がわからない.バンクシーとか.

この答えはすごく単純でした.単にお金を払っても欲しい人がいるからです.需要と供給のバランスでしかありません.特にアナログな絵画はオリジナル1つしかこの世に存在しないので,所有者が作品を売ろうとしたときに,買取りたいと思った人が何人もいる場合は最も高い買取り額を提示した人に渡したいと思うのは自然なこと.そうやって金額が決まるのです.

これに気が付いたときには僕の中で常識が常識ではなくなりました.僕が今までに抱いていた常識観からは「作品そのものにその金額に見合うだけの価値がない」ように見えるのです.一種の詐欺にさえ捉えることが可能だなと思ったのです.でも実際は逆なんです.

実際はこの世に売られているものにその物の価値に見合った値段なんてものは存在しないのです.売りたい人と買いたい人それぞれの提示金額で,互いが納得さえすればいいわけです.しかし,思えば炭酸飲料をコンビニで買うのとスーパーで買うのでは値段が2倍も違います.こんなにも日常なのになぜ盲信的に価値に見合った値段を受け入れてたか不思議でした.

ただし,世の中に似た商品があれば他社より高額な値段を提示すれば競り負けてしまい結局損してしまいます.なので価格競争を経て各社の利益が得られて,そこそこの購入者が存在する価格帯に落ち着きます.それを指して「その物に見合った値段」と言っているのであれば存在しています.それに毎回販売するたびに価格交渉するのは大変ですから,あらかじめ提示金額を決めてしまうことが多いのです.

アートとは何か?

結論から言ってしまえば僕はアートは価値観を提案するものだと考えています.どんな生き方が良い生き方であるか,何が美しく,何が醜いと思うのかということを提案することだと思っています.

あるとき,アートとは何か理解したくて調べていたところ「人の生き様そのものが既にアートだ」という言葉に出会いました.このとき,ハッとしました.僕が今日一日を生きて何に興味を持って,何をして今日一日を終えるのかは既にアートなんだと.つまりアートは人間主体だということです.思えば僕は街中ですれ違った人が今日一日をどう生きているのかに想いをはせることがあります.自分よりも優秀で立派な人間が日々何を食べて,何を胸に抱いて生きているのかに興味があります.この感情こそがアートの本質だと思いました.

アートは人間主体,つまり人の心に寄り添うことがアートだということです.僕は今までエンジニアとして技術を学んで生きてきましたが,同時に心理学や脳科学などに強い興味がありました.今でも心理学の本は購入して読んでいるほどです.これに気づいたときアートとは正反対だと思っていた自分が実はアート向きな人間なんじゃないかとふと思った瞬間でした.

なぜ現代においてアートが重要視されているのか

個人的な見解としてはもう人々が単に生命を維持するという意味で生きていくことが目的ではなくなったからではないかと思っています.経済は劇的に発展し,生きていくコストは随分と低くなりました.物質的に豊かな時代になり,今後もより豊かになっていくことでしょう.それでもなお現代の人々は生きづらさを感じ続けています.

これからの時代は単に生きるのではなく,いかに豊かに生きるかが目的となっていくのです.ゆとり世代の人々をたまにさとり世代と呼称しますが,彼らは欲がないことが“悟って”いるように見えるからでしょう.経済的に豊かでも心豊かに生きることは実はとても難しいということに気づいてしまったのが現代です.

そうした現代において,重要なのはビジョンを掲げることです.より多くの人が心豊かに生きるために良い価値観はなんなのかを示してあげることです.それを担っているのがアートなのだと思います.人々が何に情熱を注ぎ,どんな想いに耽ることが幸せなのか.その幸せの選択肢を多く提示してあげることがこの先重要になっていくと思います.

さらに重要なのはそのビジョンに向かって新しいモノを生み出していくことです.ビジョンを語るだけでは共感を呼びませんし,夢物語で終わってしまいます.しかし一人でひたすら物を作っていても出来ることはたかがしれています.ビジョンを描くと同時に実装していくことがこれから問われていくのではないでしょうか.これはつまりテクノロジーとアートの両方に精通していることが重要だということです.

終わりに

自分は何をしたいのか,将来どんな人間になりたいか,どんな世界を実現したいのか.そんなことを中学・高校・大学と常に考えながら生きていました.自分は何者で自分を突き動かす強い信念はなんなのか知りたかったのです.好きだと思うことはなんでも飛びつきましたし,それがかえって他人から何がしたいのかわからず,「君は何になりたいの」と指摘されたこともありました.一貫性のない人間に見えたのでしょう.

漠然と気づいていた気持ちがありました.しかし,大人になればなるほど,僕はそれを口に出すことは憚られました.自分で言っても思うほどにそれは絵空事に見えたからです.

しかし,こうやってアートとは何かについて考え理解することで,僕の絵空事は,存外絵空事でもないのではないかなと思ってきました.なので僕もまだ抽象度の高いですが,僕が描くビジョンをここで提示して占めたいと思います.

僕が想い描くビジョン,それは「好奇心と可能性に満ちた魔法世界を実現すること」です.そんな世界を目指すために僕は魔法使いになりたい.そして世界中の人々が魔法を行使できる世界を実現したい.きっとそんな世界なら人々は希望に満ちた顔をしているのではないかなと思うからです.みんながそれぞれの幸せを掴んでいける世界を創造する一人になれたらなと思っています.

技術力は日に日に発展して,今まで出来なかったことが出来るようになっていきます.より複雑化して全ての技術を理解している人は少ないですが,それでも技術を行使することが出来ます.そうした世界で人々が思い描いた物を創造していける未来はきっと明るいと思います.「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない.」そんな世界を目指したいです.

僕のビジョンに共感してくれる人へ
ともに魔法使いを目指そう,世界に魔法をかけよう!

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