明日をつくるたくさんの小さな変化
私は、熟成という言葉が好きだ。寝かせることで生まれるものは少なくない。
しばらくnoteから離れていたら、いつの間にか、書きたいことがニョキニョキと心の中にいっぱい生えてきていた。これもまた、熟成の効果だといえる。
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ここ最近、毎日が目まぐるしい。もうずっと目まぐるしいから、目まぐるしいのが常態化しつつある。たぶん私には、ものすごい動的な時期とものすごい静的な時期があって、そのバランスはあまり上手じゃない。みんなそんなものなのかな?とにかく極端な性格だと自分で思う。
静的な時の私は、冬眠中の熊のように家に引きこもってじっとしている。引きこもっているのは、家ではなく自分の内面世界かもしれない。現実はゆるやかで、何かが起きても自分の心の機微を丁寧にたどって、自分の軸に立ち戻る作業をひたすら繰り返す時期。心と向き合うのに飽きたら、漫画を読んだりライトなことしかしない。こういう時の私は、本を読むだけの集中力さえなくなっている。
ここ1、2年は、全体を通して動的な波が来ている。日々は高波の連続だ。毎日自分に立ち現れている現実に、少し呑まれ気味。そうすると、今度は自分の内面に戻る集中力を失いがちになる。仕事をはじめ、外界の世界で起きたことに思考と感情が持っていかれて、自分の軸を見失う。自分が本当はどんなことを望んでいるのか、私はどうありたいのか、だんだん霞んで、雑音にかき消されて、自分の心の声が聞こえなくなる。
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でも、動的な自分も結構好き。現実に振り回されて、よろこんだり、悲しんだり、怒ったり、泣いたり。そういうのってストレスだけど、この世界の一員として生きてる感じがする。と、書いてはじめて自分がそう思っていたことに気がついた。動的な時の私は、自分の持てるエネルギーを高速循環している時で、めちゃくちゃエネルギッシュで、ものすごく活動的で、目の前のことにすごく集中している。そういうのって、ちょっといいでしょ。
そうして毎日の時間を刻んでいると、小さな変化が少しずつ自分に起きていたりする。それは最初、変化と気がつかないほど小さな予兆ではじまる。ふとまとまった時間が経った時に、過去のある時点と比較してはじめて、いつの間にか大きな変化が自分に起きていることに気がつく。いいことも、悪いことも。
この1年で変化したこと。結婚と引越しを除いても、いっぱいある。
例えば、海外よりも怖いと思っていた心の外国・大阪で、居心地のいい生活圏が拡大しつつあるのはその1つだ。職場の居心地のよさはもちろんのこと、職場からいけるランチ場所を開拓しているうちに、今や2つのお店で常連となっている。その2つのお店は偶然にも向かい合っていて、週5回のランチのうち4回はそのお店のどちらかに生息している。顔はもちろん、名前まで覚えられてしまった。
最近特に通い詰めているWARARAというカフェでは、カフェで発行されている紙新聞に私出題のクイズ(!)を依頼してもらえる仲にまで昇格した。東京でも横浜でも、行きつけのカフェで匿名の客しか演じたことのなかった自分が、新天地で思いがけず輪が広がっているのは、なんとありがたく、幸せなことか。単身赴任中の夫からは、「愛ちゃん、ひとりで世界つくって楽しんでるじゃん」と言われてしまった。ふふふ、そうなのよ。
こんなこともまた、私にとってはある種の革命的な変化である。
それから、この前の日曜日にiPad Proを買った。勤務先の学校が再び一部をオンライン授業にするということで、その勢いに乗じた決断だった。高かった分、お値段分使いこなしてやろうとメラメラ燃え、一生懸命iPad Proでできることを勉強し、頭の体操をあれこれしている。結果、今週は一時的に仕事の作業効率は落ちているものの、仕事の段取りにイノベーションが起きつつある。
iPad Proは、日中は仕事で使い倒しているけれど、帰宅後は遊び道具になっている。もともとお絵描きが好きな私は、無心にお絵描きして昼間のストレスを浄化するようになった。これまで、帰宅後はPC上からオンライン購入した漫画を読み漁って心をリセットしていたのが、iPadでお絵かきという新しくかつお財布的にヘルシーな方法に移行したのである。
数日前、いつものように私のサラメシにWARARAに向かったら、次のクイズ出題を催促された。いつもは本を片手に食後のコーヒー(ほんとうに美味しい!)を楽しんでいるのだけど、この時は買ったばかりのiPadで遊んでいた。それで、ちょっと考えて、手持ちの写真の上に落書きする形で新しいクイズをとりあえずで作ってみた。食後15分。我ながらなかなかの出来のものができた。
iPadはまた、夫との時間の過ごし方にも変化をもたらした。これまでに私が撮った写真の中から1つ選んで、その上に二人で絵を描き合って合作を作るという遊びが夫との間で流行するようになった。今日から。なかなか楽しい。夫も楽しそうに描いている。二人とも絵を描くのが好きなのも良かった。今日のトップ写真は2人のコラボ作品である。背景写真は京都で撮った、雪どけの朝のコケ。
これは夫画伯の手による作品。なかなか良き。
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今私に起きている、たくさんの小さな変化はどこに向かっていくのかな。
つまるところ、私は毎日、けっこう楽しい。
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