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躁状態で聴くと危険⁈な曲3選

こんにちは。双極性感情障害当事者の曖昧と模糊です。
今回は、双極性障害の躁状態の際に聴くと悪影響があるかもしれない曲を三つご紹介いたします。
あくまでも私個人の見解であり、これらの曲を否定するものではありません。3曲とも大好きな曲です。
ただ、躁状態の時というのは、気持ちが大きくなっていたり、周りの意見が正しければ正しいほど受け入れがたかったりするものです。そんな時に聴くと、ますます自分の考えに固執してしまったり、偏った考え方になったりしてしまう可能性があるのではないか、という観点で三つ選曲しました。


「レット・イット・ゴー~ありのままで~」松たか子

この曲は、2014年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』にて、とあるキャラクターが劇中で歌う曲です。日本でもかなり大きなブームになりましたよね。

注目したい歌詞はこちらです。

ありのままの 姿見せるのよ
ありのままの 自分になるの
何も怖くない 風よ吹け
少しも寒くないわ

悩んでたことが うそみたいね
だってもう自由よ なんでもできる
どこまでやれるか
自分を試したいの
そうよ変わるのよ 私

Uta-Net

私が躁状態の時は、根拠のない自信が湧き上がってきて、何でもできるような気分になっていました。仕事を辞めても平気だと思っていたし、「これからは好きなことで生きていくんだ!!」という気持ちになって、アイディアが次から次へとあふれてきていました。

そんな時に、「ありのまま」、「自由」、「なんでもできる」といった歌詞を聴いてしまうと、ますますその状態が刺激されて加速していく可能性があるのではないでしょうか。

さらに、「そうよ変わるのよ 私」も、私にとっては危険でしたね・・・。
うつ状態の時は「できない、できない」と思ってばかりで、自己肯定感もかなり落ち込んでいたのに、躁に入ったらどんどん「できる、できる」に変わり、自分でも性格が変わったのだと思い込むくらいには変化がありました。
一緒に暮らして私の様子を間近に見ていた両親も、さすがに辟易していたと思います。

ちなみに、私は躁状態で入院している際、個室でこの歌を歌うことがしばらく続いていました。歌わずにはいられないくらい、ずっと気持ちが高ぶっていたのです。今、思い出すと、とても恥ずかしいですし、今の精神状態ではとてもできることではありません・・・。やっぱり躁状態は怖いです。



「WANNABE -Japanese ver.-」ITZY

ITZYイッチは、2019年に韓国からデビューした、5人組グローバルガールズグループです。
この曲は、初めは韓国語でリリースされていたのですが、2021年に日本語バージョンが公開されました。

注目したい歌詞はこちらです。

小言 Stop it 放っておいて
私の事 私で決めてくの
I do what I wanna
平凡で何が悪い?
私の人生 私のものなんだから

I'm so bad bad いっそ 自己中ね
いいコのふりして 傷つくよりはマシよ
I'm just on my way 干渉 No No way
言っちゃうかもね 大きなお世話って
誰が何と言おうとも 私らしくいたいの
I wanna be me, me, me
誰かになる必要ないよ ありのままでいいの
I wanna be me, me, me

Uta-Net

歌詞を改めて読んでみると、躁状態の私そのものという感じがして、少し胸がざわついてしまいます。

私が躁状態の時は、両親の忠告も聞かないで夜中まで起きていたり、入院中に受け取った手紙をビリビリに破り捨てたりしてしまいました。
人の話が耳に入ってこないというか、煩わしく感じて受け入れられない状態になっていたんですね。

今の私は、自分の人生が自分だけのものだと言うことは決してできません。家族やお医者さんや支援機関の方々や、さまざまな方に支えていただいて今の自分があるので、好き勝手に暴走することは今後二度とあってはならないなと思っています。



「マリーゴールド」あいみょん

あいみょんは、兵庫県出身のシンガーソングライターです。
この「マリーゴールド」という曲は、ストリーミング累計再生回数が3億回を突破していたり、紅白歌合戦でも歌唱されたりと、知らない人がいないほど有名な曲ですよね。

注目したい歌詞はこちらです。

本当の気持ち全部
吐き出せるほど強くはない
でも不思議なくらいに
絶望は見えない

遥か遠い場所にいても
繋がっていたいなあ
2人の想いが
同じでありますように

いつまでも いつまでも このまま

いつまでも いつまでも 離さない

Uta-Net

私は躁状態で入院中、「人との距離が近すぎる」と何度も注意を受けました。しかも、自分ではその自覚が全くなかったんです。

謎の自信にみなぎっていて、入院患者さん全員にあいさつしないと気が済まなくて、とある患者さんとは距離が近くなりすぎてトラブルになったりもしてしまいました。

本当に「不思議なくらいに絶望は見えな」かったし、「繋がっていたい」とか、「想いが同じでありますように」とか、ある意味ものすごく純粋に願っていたような気がします。
今では痛い過去なので、あまり思い出したくはありませんが(苦笑)。

それから、躁状態の人が「いつまでも このまま」とか、「いつまでも 離さない」と強く思うことは危険なことだと思っています。
なぜなら、躁状態の人は、躁状態を脱して本来あるべき状態に戻らなければならないからです。「いつまでも このまま」でいてはならないからです。

私が躁状態の時は、自分の何がそんなにいけないのか分からなかったし、「今は大事な決断をしないでください」と言われても、「なんで?」って感じだったし、このままではいけないという危機感もそれほどありませんでした。
そういった自覚のなさが、躁状態の恐ろしさの一つだと思います。


最後に

もう一度言いますが、私はこの3曲を否定するつもりは1ミリもありませんし、むしろ今でも大好きです。
今ではどの曲も心穏やかに聴くことができています。
ただ、こういった曲を聴いたり歌ったりして高ぶっていた自分は本当に危うかったなあという振り返りをしてみたのでした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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