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塾長日記【後編】:もっと、授業力を上げたい! ~「自立した日本語話者を目指す」日本語授業を考える~を振り返る


こんにちは、
日本語教師アイディア塾塾長の竹丸勇二です。
夜にはコオロギが鳴き、秋が近くに感じられますね🍀

さて、後編をお伝えします。

今回の日本語教師アイディア塾は、
参加者いただいた方々からのご質問が、過去最多でした。

藤原さんの体験されたことが、「あり得ない・・」と、
お感じになったからかもしれません^^
(前編をご覧になっていない方はこちらをどうぞ。)

https://note.com/aileron_jp/n/n004a18faa5a7

頂いた質問に、藤原さんが丁寧に答えてくださいました。
以下、やり取りの一部をご紹介します。



トップパートナー講師:藤原ひとみさん


【質問1】
 どうして、「教えない日本語授業」スタイルで
 授業をしようと思ったのですか?


【藤原さんの回答】

この授業で、授業をしないと、
日本語を話せるようにならないことを、
中学、高校で受けた英語授業を通じて
体験していたから。


藤原さんは、中学の授業では、
教師が文法を詳しく説明して教える授業を受け、

高校では、3年間、
「オーラルコミュニケーション」という授業を受けました。

この授業では、
外国人のネイティブ教師が、
全て英語で授業を行い、学生は英語で聞き、
常に、英語で話すスタイルの授業だったそうです。

この授業を受けて、
藤原さんは英語が話せるようになり、
自分の英語会話力に自信を持てるまでになったそうです。


【質問2】
 みん日を学習者中心型・協働学習で進める方法って?


【藤原さんの回答】

教師が学習項目を詳しく説明せず、
学習者が考え、学習者間で話し、気づけるよう、
まず、場面提示を行います。


みん日でも、学習者がたくさん発話できる工夫や
配慮、支援を日本語教師が行えば、
毎回の授業で、
日本語を話せることを増やしていけるようになります。

日本語教師は、教える人ではなく、
ファシリテーターとして、
学習者が自由に、安心して挑戦できる雰囲気をつくること。

「間違ってもいいです。」
「上手じゃなくてもいいです。」
たくさん話す、発表するようを促します。

インプットだけでは、どこまでやっても、
話せるようにはならないからです。


【質問3】
 授業を上手く進めるコツを知りたい。


【藤原さんの回答】
テクニックも確かに大切ですが、
学習者との間に、信頼関係が築けるかが、
とても大切だと思っています。

日本語教師と学習者の関係を
「人」と「人」の関係として考える、

「教える人」と「教えられる人」という
関係性にしないということです。

授業は、学習同士が、
そして、
日本語教師と学習者が、一緒に作り上げていくもの、

楽しく学び合えるものであるということを
互いが感じられていることが、
授業を上手く進める秘訣だと思います。

「授業力」や「授業のテクニック」といった技術は、
日本語教師と学習者とのよい関係性があって、はじめて活かせるものです。


学習者も日本語教師もワクワクする楽しい授業がしたいですよね❣



以上が、藤原さんのご質問に対する回答でした。

いかがでしたか・・

藤原さんの日本語授業や学習者に向き合う姿勢や
考え方、行動力、本当に素晴らしいですね🍀


「授業でたくさん話せるようになってもらいたい・・」

その気持ちは、日本語教師であれば、
誰もが持っていることです。

しかし、
毎日行っている授業で、
学んだことが使えるようになっていかないのであれば、

その日本語授業は、
学習者にとって、「 i +1」になっていないのです。

学習者が話せないのは、
学習者の努力不足だからではありません。

授業の進め方を、改善する必要があります。



藤原さんは、みんな日本語の教科書を、
教えない日本語授業で進めるための研修や勉強会を
勤務している日本語学校で全ての日本語教師に対し、
2年間、行ってこられました。

そして、弊社エルロンでも
教えない日本語授業マスター研修の中で、

教えない「みんなの日本語」授業を行うための
授業構成、活動、ファシリテーション技法について、
研修していただいています。

 
皆さん・・
日本語学習者は、何のために、日本語を学ぶのでしょう・・

それは、日本語を使って叶えたい夢、
やりたいことがあるからではないでしょうか。

それが実現できるよう支援するために、我々日本語教師は、
教科書を丁寧に、説明して教えるのではなく、

一回一回の授業で、
学習者が考える → 学習者同士で相談する
→ 間違ってもいいので話してみる
→    分かったことをアウトプットしてみる

を行い、

その日の授業で、日本語で何ができるようになったのか、
学習者自身が体感できる授業活動を行うことが大切です。


私たちの「授業力」は、
学習者のためにあるものです。

どんな教科書であったとしても、
教科書が無しでも、

「学習者が、話せるようになるための授業が作り出せる力」


ではないでしょうか。


私は今回のアイディア塾で、そんなふうに感じました。
皆さんは、どんな風にお感じになったでしょうか。


いつも、最後までお読みくださり、ありがとうございます。
これからも、日本語教師同士で協働し、精進して参りましょう!



前編をご覧でない方は、こちらをご覧ください。

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