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2022年秋、吉田正尚、一野球ファンとして「最も美しい打撃をする選手」、一人でも多くの野球ファンに伝えたい!【野球】【NPB】【エッセイ】

 最高に感動だよ!「生涯で最も完璧な本塁打」を、日本シリーズでのサヨナラ本塁打でだよ!



 なんと美しい、なんと劇的なエピローグだろうか。
 (まだオリックスの日本一は決まっていませんけど。)
 昨日(10月27日木曜日)、「日本シリーズ第5戦」。
 「9回裏、2死1塁」、「4-4」の同点、打者は吉田正尚。
 いわば、村上宗隆(ヤクルト)と双璧の「現役のNPB最強打者」。
 第4戦までは「12打数2安打、打率.167」と「逆シリーズ男」になりかけていたけど、この第5戦では第3打席(5回裏)にバックスクリーンやや右に2点本塁打を放って、「1本打ったから、きっと何かが起きるかもしれない」という感じではありました。
 それに、舞台は「大阪ドーム」(現在は「京セラドーム大阪」という名前ですけど)。大阪ドームは吉田正尚にとって、本拠地にして最も得意な球場。いままでも、いくつもの「伝説的な本塁打」を放ってきました。

 カウント「0-1」からの2球目。打ったのは、真ん中高めのスプリット(SFF。落ちる球の1つ)、いわば「失投」です。でも、この「失投を確実に仕留める」ことがすごい。
 「打った瞬間」、本人が確信。普段はクールに、でも「どうだ、入っただろ!」という感じで確信歩きをするのですけど、このときの吉田正尚は、打った瞬間に右手を突き上げた、そう、「感情を爆発させた」感じで。
 弾道はまさしく「美しい放物線」。高々とまさしく「舞いあがり」、吉田正尚の代名詞である、右翼席の「5階席」へ。打った時の「会心さ」をも含めて、「生涯で最も完璧な本塁打」、そう強く映ります。
 で、観客は打った瞬間に「本塁打を確信」の如く、総立ち。というか、打った瞬間に「きゃー」「うおー」「いったー」と大歓声。
 本当は、いまは「声出し禁止」です(一スポーツファンとしては、「声出しをもう認めて欲しい」と切実に強く願ってますけど!)。でも、バスケのブザービーターでもそうですけど、劇的な終わり方になるときは、「本能的に声が出てしまう」んですよね。

 いつだったかの野球中継で、こんな記憶があるのですけど、かつて現役時代の阿部慎之助(元巨人。「2000安打、400本塁打」に到達)は、
 「ドーム球場、特に東京ドーム・大阪ドームは、『ある角度』に打てれば、『ほぼ高確率で本塁打』になる。」
 と言及していたことがあったと記憶します(東京ドーム・大阪ドームは「見た目の広さ」の割に、「実際の感覚的にはそこまで広くはない」といわれてます)。

 で、吉田正尚は、いままで何本も「5階席への本塁打」を放っていますけど、自分も関西在住の一野球ファンですので、大阪ドームはいままで何試合も通ったことがありますけど、「本塁打になる角度」は恐らく存在する感じで、あの本塁打のときの観客は、もう「打った瞬間」に、「あっ、本塁打になる角度で間違いない」と本能的に感じたと想像するんですよね。

 私事ながらですけど、この試合、実は7回表から9回表まで、疲れからか寝落ちしてしまっていて、目が覚めたら9回裏でした。
 で、吉田正尚のサヨナラ2点本塁打。もう、最高に美しい!
 後述で説明しようと思いますけど、実は自分、「最も大好きな野球選手」は、「投手ならば今永昇太(横浜DeNA)、打者ならば吉田正尚(オリックス)」で即答です
 ですので、昨日のあのサヨナラ本塁打自体が「最高にとても美しい」のですけど、「自分が最も大好きな野球選手」で決めた訳ですので、なおさらもう心が興奮の感じで、寝付けたのは24時を過ぎてました。

 吉田正尚の打撃の神髄とは(門田博光、若松勉、榎本喜八を高次元で融合させた「小さな努力の天才」)。




 最初に説明しましょう。吉田正尚って、
 「『データ・スタッツでの吉田正尚』と『実際に試合を観戦しての吉田正尚』とでは、恐らく全く異なる選手像になる。」
 と、自分は解釈しています。

 【吉田正尚、プロ入り時からの打撃成績。】
 2016年(打率.290、10本塁打、出塁率.360、RC27[6.09])
 (開幕当初はプロの洗礼を浴びたが、8月14日に1軍に復帰すると一気に打ちまくり、8月26日からは絶対不動の「3番・左翼手」に。3か月半の離脱期間があったので「258打席」の出場。
 RC27は「リーグ8位相当」だが、8月以降の成績に絞れば恐らく「リーグ2位(7.62、角中勝也[ロッテ])」と同等の数値と考えられる。)

 2017年(打率.311、12本塁打、出塁率.410、RC27[7.41])
 (この年は2年連続で腰痛のため長期離脱、1軍初出場は7月9日。このため「268打席」の出場。復帰当初は苦しんだが7月28日以降は打ちまくって、この年も「絶対不動の3番」に。この年は右翼手でもしばしば出場していた。
 RC27は「リーグ3位相当」「全体6位相当」、出塁率は「リーグ2位相当」「全体2位相当」。)

 2018年(打率.321、26本塁打、出塁率.403、RC27[8.27])
 (肉体改造に成功して、自身初の規定打席到達[及び全試合出場]。自身初の「オールスター出場」「ベストナイン」に輝く。
 起用法は、開幕当初は「3番・左翼手」が基本であったが、5月には1番での起用もあり、6月10日以降は「4番」でほぼ固定された。左翼手メインに、右翼手や指名打者での起用もあった。
 打率は「リーグ4位、全体8位」、出塁率は「リーグ3位、全体12位」、RC27は「リーグ3位、全体9位」。
 プロ3年目にして早くも「球界を代表する打者の1人」に名を連ねたが、一方でチームではこの年から「正尚個人軍」と称されることに。
 なおこの年から今季までの5年間のうち、「打率.310以上、本塁打20以上、出塁率.400以上、RC27が8点台以上」に「4回」輝いている。)

 2019年(打率.322、29本塁打、出塁率.413、RC27[8.33])
 (2年連続で「全試合出場」「オールスター出場」「ベストナイン」。オフには自身初の日本代表での国際大会出場[プレミア12]。
 起用法は、開幕戦では4番であったが、基本的には「3番・左翼手」で固定起用であった。指名打者での起用試合もあった。
 29本塁打は「現時点でのキャリアハイ」。また、「BB/K」が「1.23」で、自身初めて「1.00」を上回った。
 打率は「リーグ2位、全体3位」、出塁率は「リーグ2位、全体3位」、RC27は「リーグ2位、全体3位」、BB/Kは「リーグ2位、全体3位」。)

 2020年(打率.350、14本塁打、出塁率.453、RC27[9.23])
 (自身初の首位打者に輝き、3年連続3回目の「ベストナイン」。
 この年はコロナ禍の影響で「6月開幕、11月終了」の変則日程に。
 起用法は、開幕当初は「3番・左翼手」であったが、8月29日以降は「4番」起用が基本になった。
 この年は特に「BB/K」が「2.48」[勿論「全体1位」]と圧倒的で、四球数は「79→72」と大きな変化がない一方で、三振数が「64→29」と大きく減少。これにより「三振しない打者」と称えられるように。
 打率は「リーグ1位、全体1位」、出塁率は「リーグ2位、全体2位」、RC27は「リーグ2位、全体2位」。
 打撃面では柳田[ソフトバンク]、近藤[日本ハム]と異次元の争いで、プロ5年目にして名実共に「日本球界最強打者の1人」へとステータスを向上させた感が。しかし一方で所属チームでは3年連続で「正尚個人軍」に苦しみ続けた。)

 2021年(打率.339、21本塁打、出塁率.429、RC27[9.05])
 (2年連続で「首位打者」に、自身初の「最高出塁率」にそれぞれ輝き、「オールスター出場」「ベストナイン」も当然のように選出で、夏には日本代表として「東京五輪」に出場、主に3番を務めた。
 起用法は「3番・左翼手」でほぼ固定。ただ、この年から守備面での劣化が一気に進み、「指名打者がより望ましい」と囁かれるようになった。
 「BB/K」は「2.23」[勿論「全体1位」]で、2年連続で「異次元の選球眼」を示した。特に三振数「26」が特筆で、次点の鈴木大地[東北楽天。51]に大差をつける少なさであった。
 打率は「リーグ1位、全体1位」、出塁率は「リーグ1位、全体1位」、RC27は「リーグ1位、全体2位」。
 RC27で吉田正を上回ったのは鈴木誠也[広島。「10.03」。シーズン終了後にMLB挑戦を叶えた]のみ。
 所属チームでは2018年から「正尚個人軍」化に苦しみ続けたが、この年はこれをついに脱却でリーグ優勝を叶えた。)

 2022年(打率.335、21本塁打、出塁率.447、RC27[9.48])
 (公言し続けてきた「MLB挑戦願望」をいったん封印して、背番号を「34→7」に変更。
 開幕当初は不調に苦しんだが、6月24日以降は復調。8月7日以降は、首位打者争いで松本剛[日本ハム]を、打点王争いで山川[埼玉西武]を激しく追い上げて、いずれもあわやの2位までいった。
 起用法は、開幕当初は3番であったが、程なくして4番起用が基本に。また、守備貢献の乏しさを考慮されたのか、指名打者での出場機会が大きく増加傾向に。
 2年連続2回目の「最高出塁率」、自身4回目の「オールスター選出」。「RC27」の「9.48」は「現時点でのキャリアハイ」
 「BB/K」は「1.95」と、安定の「全体1位」。三振数は「41」と安定の少なさであったが、4月10日のロッテ戦では、佐々木朗希を相手に「3打席3三振」で完全試合の献上の大きな一因になってしまった。
 打率は「リーグ2位、全体2位」、出塁率は「リーグ1位、全体2位」、RC27は「リーグ1位、全体2位」。
 「RC27」で吉田正を上回ったのは村上[ヤクルト。「11.54」。いわゆる「三冠王」に輝いた]のみ。「見た目の数字」では確かに村上が上回るかもだが、吉田正は3年連続で「球界最強打者」といえる数字であり、それ自体が特筆といえる。チームとしても2年連続でリーグ優勝を叶えた。)


 「8.27→8.33→9.23→9.05→9.48」
 「RC27」は「5年連続で『8.00以上』」です。
 一つの目安として、「RC27」は、下記のように解釈されています。

 4.00(1軍レギュラー)
 6.00(オールスター)
 8.00(日本代表)


 今年(2022年)、「流行語大賞」の本命として、
 「村神様」「きつねダンス」
 この2つが有力視されていると伺います。

 「村神様」。そう、村上宗隆(ヤクルト)のことです。
 「打率.318、56本塁打、134打点」。
 そう、今季、「三冠王」に輝きました。


 確かに、今季の村上は「異次元」でした。
 特に、8月28日の横浜DeNA戦。エスコバーが投げた内角低めのストレート、まさしく「渾身の1球」でしたけど、それをすくい上げて右翼席への本塁打(49号本塁打)、しかも中段へ。
 この1球を打たれたら、「投げるコース、投げる球種がない」。この1場面だけをとっても、その「異次元さ」を説明するに充分、異なるスポーツを持ち出すことが許されるならば、例えば「2008年有馬記念、ダイワスカーレット」のような感じです(ちなみにこのダイワスカーレットは、「37年ぶり2頭目の『牝馬による有馬記念優勝』」を叶えたし、その直前の天皇賞秋では「日本競馬史上最高の名勝負、ウオッカ、ディープスカイとの激闘(結果は2着、優勝はウオッカ)」を演じています)。

 で、「56号」。55号を打ってから56号を打つまでに、「13試合、本塁打なし。その間の打率、『.337→.318』」ととても苦しみました。
 だからこそ、この「56号本塁打」は、一人の野球ファンとして、とても感動しました。それも「今季の最終打席」で、「最も完璧な本塁打」で。

 (2022年8月28日、「vs横浜DeNA」、49号本塁打[投手、エスコバー]。
 「首位攻防戦の3試合目」、勝利すればヤクルトが絶対優位とされてた。
 結果、この一打が「ヤクルトの優勝を大きく引き寄せる一打」に。)


 (2022年10月3日、「vs横浜DeNA」、56号本塁打[投手、入江大生]。
 展開的に今季の最終打席と目されていた。この打席を迎える直前の時点で既に三冠王は確定であったが、三冠王を本塁打で自ら祝う形に。
 打った瞬間に確信、ガッツポーズ。背番号55は松井秀喜[元巨人]へのリスペクトといわれており、「背番号を超える本塁打」になった。)


 ですので勿論、村上は「とてもすごい野球選手」です。打撃のみならず、走塁や守備にも全力なところをも含めて、好感な感じですし。自分も村上は、「好きな野球選手の一人」ではありますので。

 ですけど、より強く心を惹かれるのは、「吉田正尚」なのです。
 選手としての「データ・スタッツ的なすごさ」は前述で説明させて頂きましたので、ここでは「データ的なだけでは説明できない、実際の試合でのすごさ」を、いくつかの動画を用いながら説明させて頂きます。


 (「吉田正尚の魅力を凝縮した動画」といってよい、「2022年9月の吉田正尚のプレー集」。
 特に圧巻は「2:19、投手は坂東[15号本塁打]」、「5:48、投手は東浜[19号本塁打]」。いずれも本塁打を打った瞬間、吉田らしい「どうだ、いっただろ!」とクールかつ優雅な確信歩きがたまらない!)

 (2022年9月12日~9月13日、「vs東北楽天」、非公式記録ながらも「史上初めての快挙」である「3球連続本塁打」の動画。
 いわば完全に「ゾーンに入った」ことが伺えます。)


 (「吉田正尚の魅力を凝縮した動画、その2」といえる、「2021年のホームラン集」。吉田正尚の本質、「異次元の弾道」「美しい打撃フォーム」が伝わるかなです。)


 (「吉田正尚の魅力を凝縮した動画、その3」といえる、「2019年のホームラン集」。特に大好物といえる本拠地の「大阪ドームの5階席への本塁打」が何本も堪能できます。)


 (2022年6月24日、「vs千葉ロッテ」[投手は八木彬]、5号本塁打。
 場所は千葉マリン、屋外球場だけど場外本塁打はほぼゼロといわれる球場で「あわや場外」の超特大本塁打。
 勿論、安定の「確信歩き」「バット置き」。自分が記憶する吉田正尚の本塁打の中でも、飛距離では1,2位を争う、それほどの「異次元ぶり」です。)


 (2021年4月20日、「vs埼玉西武」[投手は宮川哲]、3号本塁打。
 吉田正尚の代名詞である「大阪ドーム、右翼席の5階席への本塁打」。
 当時は集客制限の影響で、5階席には「執念」の横断幕が。
 東京ドームでいう「看板への本塁打」と同等以上の価値といえます。)


 (2022年10月15日、CS第2S第4戦、「vsソフトバンク」[投手は和田毅]、先制の2点本塁打。
 なんと打球は「大阪ドーム、バックスクリーンの右横、右中間の5階席」という、恐らく吉田正尚史上でも「1,2位を争う圧倒的な飛距離」。
 この試合に勝利して、2年連続の日本シリーズに進出を叶えました。)

 いま、7つの動画をリンク添付させて頂きました。
 吉田正尚の魅力が、これだけでも伝わるかな、と想像です。

 で、吉田正尚の打者としての本質。見出しで、
 「門田博光、若松勉、榎本喜八を高次元で融合させた『小さな努力の天才』」
 と述べました。どういうことか。

 【吉田正尚、「門田博光」「若松勉」「榎本喜八」それぞれとの共通要素。】

 (1)「門田博光」
 (本塁打王3回、最高出塁率3回、2566安打、567本塁打。)
 ・「フルスイング」「弾道が美しい放物線」「圧倒的な飛距離」
 ・「打撃一本の小さな強打者」
 (尤も門田は、若手時代はむしろ右翼守備は平均以上であったといわれている。)
 ・「求道者のような向上心、探究心」

 (2)「若松勉」
 (首位打者2回、通算2173安打、生涯打率.319。シーズン打率.300超えが12回。)
 ・「圧倒的なバットコントロール」
 ・「三振の少なさ」
 (シーズンの三振数が最多で「43」、最少で「14」。)

 (3)「榎本喜八」
 (首位打者2回、最高出塁率2回、通算2314安打。シーズン打率.300超えが6回。)
 ・「圧倒的な選球眼」
 (「バットがピクリとも動かない」「俺がボールと言ったらボールだ」と「顔で四球を勝ち取った」という逸話を持つ。)
 ・「フルスイングにして高打率」
 (打球傾向が「プルヒッター」[引っ張り傾向]であることも共通。)
 ・「求道者のような向上心、探究心」
 (「孤高の天才打者」ということでも共通。尤も、単純な天才というよりは「努力の天才」という表現がより適切な感じか。)


 いずれの打者も、自分はリアルタイムでは存じません。
 資料とか、野球殿堂博物館(東京ドーム内にある)の説明・映像とかで把握の存在です。尤も若松さんは、ヤクルトの監督時代は存じていますし、「名選手でも名監督でもあった」「信念と情緒を高次元で兼備していた」感じで、「スポーツ指導者としてとても素敵と感じる1人」と自分は感じてますけど。

 で、門田さん、若松さん、榎本さん。いずれも「2000安打到達」の名選手です。勿論、3人共に「野球殿堂入り」をしています(榎本さんは没後の殿堂入りですけど。というか特に、門田さん、若松さんなんて、引退からかなり経っての殿堂入りとか、「いや、一発での殿堂入りじゃないんですか?」が正直な感じですけど)。
 吉田正尚の何がすごいかって、この3人の名選手それぞれのよさを、しかも高いレベルで兼備していることであると思うんですよね。


 吉田正尚(173cm)
 門田博光(170cm)
 若松勉(168cm)
 榎本喜八(172cm)
 (4人共に左打ち。このうち門田、榎本は「左投左打」。)


 そう、吉田正尚、門田博光、若松勉、榎本喜八。
 4人に共通するのは、御世辞にも「身体能力に恵まれていない」ことです。そこから「異次元の努力で、球史に語り継がれる名選手へと上り詰めた」ことです。

 「努力に勝る天才なし」。「自分の大好きな言葉」かつ「座右の銘」の一つです。吉田正尚は、この言葉をまさしく体現する存在、とても尊敬できます。

 勿論、村上の「三冠王」「56本塁打」も、とても賞賛に値することです。
 ですけど、表現が適切かは自身がないですけど、


 「『記録』の村上宗隆、『記憶』の吉田正尚。
 それぞれに『日本球界史上、最高レベルの打者』。
 同時代に2人の『生ける伝説』がいることに、とても感謝。」


 一人の人間、一人のスポーツファンとして、そう強く抱くのです。




 そう、吉田正尚は「門田博光の再来」と、しばしばいわれます。
 そのままなぞっているとまでは感じませんけど、「相通ずるところは少なからずある」と感じますし、「見た目の本塁打数以上に、記憶に残る本塁打が多い」意味では、吉田と門田さんは共通していると映ります。

 ですけど自分は、確かに吉田正尚は「門田博光の再来」であるかもだけど、それと共に、吉田正尚は「若松勉の再来」「榎本喜八の再来」という解釈もできると思うよ?と伝えたいのです。
 昨日の、最高にとても美しい5階席へのサヨナラ本塁打にとても感動したのは、「吉田正尚の魅力」を綴るのに絶好の機会であると感じたこともあり、この機会に「吉田正尚」をテーマに綴らせて頂こうと。

 特に「若松勉の再来」は、自分の中ではとても「すとんと落ちる」感じで、若松さんって「生涯打率.319」と、とてもすごい記録を持っています(「歴代2位」。日本人選手に絞ると「歴代1位」)。
 で、吉田正尚って、現時点で「通算打率.327」。
 選手としての特徴は、若松さんと完全になぞれる感じではないかなですけど、「異次元のバットコントロール」は、特にとても共通する感じと映るんですよね。


 今オフの「ポスティングでのMLB挑戦」は、「今後への青写真」の意味でも充分にあり得るのでは?そう考えると、今季の「日本一の実現」をなおさら叶えて欲しい!



 「来季中にも国内FA権を取得する。一昨年から、球団とは代理人を通じてさまざまな可能性について話してきた。運もあるし、巡り合わせもある。言えることは、常に高いレベルでプレーをしていたい、ということだけ。やらずに口ばかり言うのは、僕は好きではない。やってみて分かることがある。例えばメジャー挑戦した人で、結果を残せなかったとしても、世間は失敗と捉えるかもしれないが、挑戦した人を僕はリスペクトしている。向上心やモチベーションは、ものすごく大事。いろんな先輩と会う中で、そう感じてきたし、後悔したくないとは思う。

 まずはCS、そして、日本シリーズ。ヤクルトはやっぱり強いし、村上君は圧倒的な数字でチームを引っ張っている。普段は、かわいらしいし人間味があって、熱いプレーヤーだから、チームにいると頼もしいと思う。自分も一番を目指しているし、チームとしてもチャンスはある。去年かなわなかった日本一へ、ベストパフォーマンスを発揮したい。」

 (「【独占手記 吉田正尚】妻のゆり香のサポートは感謝しかない。張り詰めた日々は2人の娘が笑顔にしてくれた」
 『スポーツニッポン』2022年10月3日付のweb記事より。)


 リーグ優勝を叶えての、このスポーツニッポンへの「独占手記」。
 吉田正尚が、「将来的なMLB挑戦志望」を抱いていることは、いわば「公然の秘密」といわれています。しかし昨オフの時点では、この「将来的なMLB挑戦志望」は「いったん封印」とされていました。
 ちなみに「海外FA権」の取得は、「2025年シーズン」。つまり「海外FA権の行使でのMLB挑戦」は、その年のオフですので「2026年シーズン、33歳のとき」になります、正直これは「現実的とはいえません」。

 ですので、「ポスティングでのMLB挑戦」ということになる。
 それで囁かれているのが、昨オフの契約更改で、表向きでは「MLB挑戦の意向をいったん封印」(このときは、「2023年オフにポスティングを容認?」といわれていた)とされていた一方で、

 「『何かしらの到達ラインを満たせば』、今オフ(2022年のオフ)でのMLB挑戦を容認する、という付帯条項が付いているのでは?」

 という噂です。あくまでも「噂ベース」ですので、真実はわかりません。
 で、「何かしらの到達ライン」が、「個人成績」「チーム成績」「個人・チームの両面」のいずれを指すのかも、わかりません。

 いえることは、少なくとも「個人成績での打撃面」では、「NPBではもう『これ以上を想像できない』領域にある」ことです。
 それに、これは「一野球ファンとして、漠然と感じていること」の域を出ませんけど、


 「野球人としての長年の目標である『MLB挑戦』をどうしても叶えたい。
 その一方で、『野球選手としての全盛期余力』があるうちに『オリックス復帰』をしたいという願望もあるのではないか?」


 勿論あくまでも、想像の域を出ません。ですけど、そう考えると、とても「すとんと落ちる」感じではあるのです。
 というのも、吉田正尚は、「1993年7月15日生まれ」ですので、今オフにMLB挑戦だと、来季は「30歳でのMLB挑戦」の計算になります。そこから例えば「3年間、2025年シーズンまでのMLB挑戦」と仮定して、「2025年オフにオリックス復帰」と計算すると、「2026年、33歳のシーズンでオリックス復帰」という計算になります。

 そう考えると、吉田正尚にとって「MLB挑戦」を叶えるのは、今オフが「ぎりぎりのタイミング」といえるのではと。来オフでも「可能でない訳ではない」感じではありますけど、できれば「今オフの方がより望ましい」感じに映るのです。


 そう考えると、いま「2勝2敗1分け」の日本シリーズ。
 「オリックスには、今季は是非とも『日本一を叶えて欲しい』!」
 一人の野球ファンとして、そう強く抱くのです。


 吉田正尚の「RC27」(直近3年間)[9.23→9.05→9.48]
 オリックスの「RC27」(直近3年間)[3.92→3.95→3.84]
 パリーグ平均の「RC27」(直近3年間)[4.24→3.93→3.72]


 そう、「リーグ平均レベル」の打線から、もし「9点台(日本最高レベル)の打者」が抜ければ、オリックスはおのずと「リーグ平均を下回るレベルの打線」になることは、目に見えています。
 そもそも「2020年まで」は、オリックスの打線は「正尚個人軍」といわれていましたし、今季のオリックスの打線も「正尚個人軍」の声は正直少なからずありました。


 【今季のオリックス打線の主要打者の「RC27」。】
 (リーグ平均[3.72])
 (打線は来季の予想打線に「あてはめる」感じです。)
 (FAで「森[埼玉西武]」を獲れることを想定。新外国人は「いないこと仮定」で想定です。)

 1(左)福田(3.59)
 2(中)佐野晧(2.36)
 3(一)中川圭(5.24)
 4(右)杉本(4.26)
 5(捕)森(4.28)
 [参考:若月(4.16)]
 6(三)宗(4.18)
 7(DH)頓宮(4.56)
 [参考:マクブルーム(5.41)]
 8(二)安達(4.25)
 9(遊)紅林(2.55)


 仮に新外国人を獲れるにせよ、吉田正ほどの成績はまず見込めません。
 今季の新外国人で最も輝いたマクブルーム(広島)でさえ「5.41」です。
 FAで捕手の森を獲る、仮に森がFA宣言をすれば、オリックスが濃厚視されていますけど、森もRC27は「プラスに見込んでも5点台」でしょう。

 そう、吉田正のMLB挑戦を容認すると仮定した場合のオリックス打線は、「RC27が6点台以上」の打者は、いまのままだと「ゼロ」になってしまう。
 はっきり述べれば、その場合のオリックス打線は、「いまの中日打線より少しましな程度」にまで下落する可能性が、恐らく高いです。

 そう考えると、今季のオリックスは、いわば
 「『これからの3~5年程度』という意味では、今季が恐らく『最後のチャンス』の可能性が高い。」
 そのように、自分は映るのです。そう考えるとなおさら、

 「オリックスには、今季は是非とも『日本一を叶えて欲しい』!」

 そう強く願うのです。言い換えれば
 「今季を逃せば、いつ日本一を叶えられるのか?」
 正直、そのような感じですので。


 (特に千葉ロッテは、安田、山口に開花の目途が立ちつつあり、佐々木朗希、小島など投手層が厚い、しかも投手育成に定評の吉井監督になるので「手堅い野球」はある程度計算ができる。
 これで仮にだけど、「中村奨吾が残留」「近藤がFAで入団」になれば、弱点である打撃面が一気に強化の可能性が高く、そうなるとオリックスとの力関係は「逆転する可能性が高い」。
 そう考えると、オリックスにとって今回の日本シリーズは、「日本一を叶えたい切実さ」は「とても大きい」といえるのではないか?)


 ちなみに、吉田正尚が「今オフのMLB挑戦を叶える」と仮定して、吉田がMLBで「成功」あるいは「通用」できるか?については、


 「『DH(指名打者)に専念』であれば、『通用』はできるのでは?
 『打席数を確約』の球団があればの注釈付きにはなるけど。
 少なくとも、『打率.280』、いわば『青木レベル』の成績は見込めるし、選球眼を含めた出塁能力は青木よりも高いので、出塁率をも考慮すれば『打率.250以上』であればレギュラークラスでの起用は見込み得る。
 そう考えると『成功』はともかく『通用』はわりと楽観視している。
 現時点での数字的なイメージは『打率.280、12本塁打』くらいは見込めるのでは?と。」


 これが、自分の「現時点での正直な解釈」です。
 尤も「DH特化型」ですので、「獲得候補の具体的な球団」が、現時点では正直思い浮かびませんけど…(激汗)。

 正直な想いを述べますと、吉田正尚には、「どのような道を歩もうとも、後悔のない道であって欲しい」、この想いに尽きます。
 「やらずに後悔するよりも、やって後悔する方がよい」という言葉がありますけど、まさしくこれです。

 いずれにせよ、これからどのような道を歩もうとも、
 「吉田正尚をずっと温かく応援し続けたい!」
 この想いはずっと変わらないし、強く伝えたい!
 このことをどうしても伝えたくて、今回こうして綴らせて頂く次第です。

 これからもずっと、「美しい放物線」「美しいスイング」をというか、「理想の打撃」「究極の打撃」を追い求め続けて欲しい、そう強く願います。

 【野球#3A】【エッセイ#6A】

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