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気仙沼レポート2

いよいよボランティア開始! 
■準備■
 ボランティアでは、自分のことは自分で何とかするのが基本です。できることなら準備は万端にしておきたいもの。体調を万全にし、朝食もヨーグルトやゆで卵、梅干しなど、不安要素のないようにばっちり準備しました。
■8時半にVC受付開始■
 ボランティアセンター(VC)というところで、その日のボランティアの受付が行われます。受付が済んだら、その日の要請を基にマッチングという作業に入ります。マッチングとは、こんな作業があるけど誰が行く?というのを決める作業です。他のVCでは、「ここに行ってください」と係の方が決めてしまうところが多いそうなのですが、ここ気仙沼VCは、完全早いもの勝ち。「瓦礫撤去、男性7名」「床拭き、男女3名」「茶碗洗い、女性3名」「荷物運び、男性4名」「漁用の網ほどき、男女20名」「写真の仕分け、女性4名」次から次へと読み上げていかれます。出来ると思ったら、「はいっ!」とすかさず前に出ないと、仕事にありつけません。初日は、あまりよくわからず、2階の床の清掃作業に就くことになりました。長靴に鉄板を入れて、釘の踏み抜きにも万全の状態で臨みましたが、その日は無駄な準備となりました。
■床拭き作業■
 私たちの任務は、床拭き作業。南気仙沼の小野寺さんの家です。床と言っても、2階の床です。南気仙沼は、ちょうど2階の床から五十センチのところまで津波が来たようで、壁に綺麗に線が浮き出ています。水道は復旧しているようで、水が出ました。しかし、下水の方はまだのようでした。2階の床を水で洗い流し、磨き上げては雑巾でその水を吸い込んで、バケツに戻し、道路の脇まで水を流しに行きました。作業は、重労働というよりも繊細なものでした。依頼主の方は、「いろんなところが津波で流された泥で、ぬめぬめしていて気持ち悪いんです。できるだけ綺麗にしてください。」ということでした。私たちにとっては、結構綺麗になったような気がしても、依頼主にとっての「泥」は、単なる「泥」ではないような気がしました。雑巾を隙間に入れてできるだけ泥が綺麗になるようにと、ただひたすら磨き、拭き上げました。
■休憩中に■
 熱中症になってはいけないと、休憩はしっかりととるのですが、小野寺さんは、ジュースやお菓子を用意してくれていました。「これぐらいしか、お礼できないんで。」と。どこまで聞いていいのか分からないので、様子を伺いながら、失礼にならない程度に話を聞きました。「地震があった時、これはやばいと思って、周りの人に声も掛けずに急いで車に乗って逃げたんです。近所で亡くなった方もいます。車で十日間暮らしました。」「地震の後は、テレビも何もなくって、自分たちがどういう状態か全然わからなかったです。」「港から、冷凍のサンマなどが沢山流れてきていたんで、この前までは臭いし、蠅も沢山で大変だったんです。」「地震直後は、本当に食べ物が無かったんです。近所の人が、ただでサンマを焼いて配ってたんですけど、今考えるとあれは、流れてきたのを焼いていたんだと思います。」「釘に何度も刺さって、家に荷物を取りに来たんですが、ギギーっと本当に気持ち悪い音がするんです。」「避難所は、人間関係が大変で、大奥みたいでした。」一つ一つが貴重な言葉でした。  

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