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公募用原稿用紙設定のやりかた(3)Wordで「 40文字×40行」を設定

講談社の「メフィスト賞」の応募原稿は、「40字×40行」の縦書きPDF形式A4サイズ横位置マス目などはなし、と規定されています。

Wordでこれを設定しようとすると、驚くような事態に陥ってしまうことがあります。
簡単な設定方法について一例をご紹介したうえで、問題となることをお伝えします。


(1)「40文字、40行、縦書き、A4横位置」の設定の例

【ページ設定】で設定します。
やり方は基本的に「20文字×20行」のときと同じです。

【レイアウト】タブの【ページ設定】の右隅の矢印で「ページ設定」のウインドウを出してください。

設定の順番は、
①まず「余白」タブの設定です。
「余白」はすべて20ミリ「印刷の向き」です。

②次に「用紙」タブに移り、「用紙サイズ」A4に設定してください。「余白」のところで「印刷の向き」を横にしているため、自動的に幅297ミリ、高さ210ミリになります。

③そのうえで「文字数と行数」タブに移ります。
「方向」「縦書き」にして「文字数と行数の指定」「文字数と行数を指定する」にチェックを入れます。
そして「文字数」40を入力します。
入力したままでは「字送り」は変わりませんが、マウスでクリックしてカーソルを「文字数」の枠と別のところに移せば、自動計算で「字送り」が変わります。
「行数」も同じです。40を入力して、カーソルを別のところに移動させて、「行送り」を確認してみてください。

④設定したら「OK」ボタンを押します。
これで終わりです。

禁則関係は、1行19字や21字の箇所が出ないように、「段落」の「句読点のぶら下げを行う」のみにして、あとはすべて効かないようにしておくのがよいと思います。

あとは「20文字×20行」のときと同じようにノンブルをつけるだけです。
やり方は次の通りです。

画面の上の方をダブルクリックしてみてください。
点線が出てきて「ヘッダー」という文字が出ている画面になったら、「ページ番号」⇒「ページの上部」⇒「シンプル 番号のみ1」⇒「ヘッダーとフッダーを閉じる」とやれば、用紙の左上にノンブルを入れることができます。
このページ番号を入れたときに、ノンブルのところに余分な改行が入ってしまいますので、取っておいた方がいいでしょう。

⑤原稿が完成したら、保存するときに【ファイル】⇒【名前を付けて保存】と進みます。
保存場所を指定したら「ファイルの種類」「PDF(*.pdf)」にしてください。
オプションは次のようになっていればOKです。
確認できたら「保存」です。

これで原稿規定に合ったファイルができます。

(2)問題になること

ここまでみてくると簡単だと思われたことでしょう。
しかし次のようなことを行おうとすると、驚くべきことが起こります。

今の設定では文字サイズはデフォルトの10.5ポイントのままです。

少し大きくした方がいいかなと思って11ポイントにしたとします。
「文字数と行数」のウインドの「フォントの設定」で「フォント」のウインドを出して、「サイズ」を11に変えて、「OK」ボタンを押してください。

「文字数と行数」のウインドに戻ります。
このとき文字数は38に変わってしまっています。
これは40に戻しましょう。
行数の方は40のままですので、そのままでいいですね。これで「OK」ボタンを押します。
すると驚くべきことに、行数が大きく減ってしまっていることがあります。「ページ設定」を開いてみると「行数」のところの数字は40になっています。しかし実際には20行しかありません。

同様のことは、左右の余白を両方とも25mmにして、行数を40行にしても起こります。

(3)原因は「游明朝」というフォント

こうした「ソフトが壊れている」とさえ思えてしまうことが起こる原因は「游明朝」というフォントにあります。

先ほどのような事態に直面した場合は、フォントを「日本語用のフォント」「英数字用のフォント」を両方とも「MS明朝」に変えてください。すぐに直ります。

「游明朝」というフォントの仕様のせいで行数がおかしくなってしまうのです。
しかもWordの2016以降はこの游明朝がデフォルトのフォントになっているのです。
このことを知らないまま、最初の設定で、例えば左右の余白を25mmに設定してしまうと、あとはもうわけがわからなくなってしまい、設定を断念するしかなくなってしまいます。

この記事をぜひ参考になさってください。


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