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CCoEの重要性

はじめに

CCoEとは、Cloud Center of Excellenceの略称で、言わば企業内のクラウド活用推進組織を指します。

最近では、脱SIerが加速し、各企業が自らIT人材を確保するようになりました。

いわゆる内省化ってやつですね。

その中で、キーワードになっているのが、このCCoEです。

このCCoEとは先述の通り、企業内でクラウドの利用推進をするチームであり、言わばクラウドのプロフェッショナルが集結するチームです。

このCCoEに関して、最近、このような本を読みました。

ネット界隈では、この本を押す方が多く、以前から気になっていたのですが、案の定、とても興味深い内容でした。

今回は、この本の紹介も交えながら、私視点でのCCoEを導入する上での注意事項を述べてみようと思います。

※過去に類似案件に携わったことがあり、僕の実体験も交えた考察となります。

1.クラウド技術に精通してる≠CCoE

社内でクラウド推進をする際、先ずはクラウド人材を確保する必要があります。

しかし、クラウドに知見がある人を入れれば、 能事畢れりという訳ではないんですね。

逆に、このような考えを持っていると、後で痛い目にあいます(笑)

社内でクラウド基盤を提供する際に、検討すべきことは、たーーくさんあります。

共通基盤の構築や、セキュリティと利便性のバランス、サービス設計や運用設計。

検討すべきことは多岐に渡り、かつ多角的な視点で考える必要があります。

自ずと、巻き込むべき関係者も増えてきます。

そうなってくると、もはやクラウドの技術だけに留まらないんですね。

当然、人を確保しようとなったら、クラウドの知見があることはMUSTです。

しかし、その中でCCoEの知見がある人、もしくはその素養がある人を確保することが非常に重要です。

本書の中では、繰り返し強い情熱を持ったリーダが必要と記載されています。

それだけ、社内でクラウドを推進するのには骨が折れるからです。

各部門との連携や、抵抗勢力との折衝など。

クラウドの領域を飛び越えた改革が必要になってきます。

また、個人的に面白いなと思ったのが、「誰も遊ばない遊園地」現象です。

つまり、ユーザ目線にかけたセキュリティガチガチのクラウドということですね。

役所の様に利用ユーザは沢山のチェックリストを記入し、色んな部署にたらい回しにされます。

結果、アジリティの欠片もない社内サービスにうんざりして、誰も使わなくなってしまう現象です。

このアジリティ(俊敏性)とセキュリティというのは完全に相反する要素です。

無論、セキュリティを蔑ろにして良い、と言ってるのではありません。

が、セキュリティを強調し過ぎると、アジリティが失われてしまいます。

そうすると、本来、クラウドのメリットが無くなってしまうんですね。

クラウドの利便性とセキュリティのバランスは、非常に難易度の高いトピックです。

そのバランスも取りつつ、ユーザ目線に立ってサービスを設計する必要があります。

ですから、CCoEに求められるスキルは想像以上に多いわけです。

2.なんちゃってCCoEを防ぐ

名前はCCoEではなくとも、やってる内容はCCoEと同じような組織は沢山あります。

しかし、そういった企業こそ、本書を手に取って欲しいと思っています。

なぜなら、なんちゃってCCoEになってる可能性があるからです。

僕の前職も名前は違えど、求められている機能は正にCCoEでした。

しかし、その機能を実際に提供できていたか、というと非常に懐疑的です。

なぜなら、そこに所属していた人は、クラウドの知見者では無かったからです。

言わば、素人集団だったわけです。

CCoEに求められる役割は多岐に渡りますが、
①新サービスの検証・導入
➁最新情報のキャッチアップ
➂情報発信
④コンサルティング
などが挙げられます。

このような組織にNWエンジニアや、サーバーエンジニアが入ってくる訳ですから、当然、機能不全に陥ります。

若手の人間であれば、新しいテクノロジーへのアレルギーも少ないですが、中高年の人にいきなりクラウド覚えて!!というのも正直、無理があります。

とは言え、今後はその道を余儀なくされると思いますが。

当然、常に社内に知見がある人だけを呼び込むのは限界があります。

ですから、CCoEのチーム内でも、しっかりとした教育体制を敷く必要があります。

3.上司の理解

これが一番、大事かもしれませんね。

まあ、これは上司に限らず、更にその上の役職の方にも当てはまります。

本書でも、経営層の後ろ盾が重要であると記載されていますからね。

しかし、部下にこういった仕事を任せる際は、何より上司の理解が重要です。

なぜなら、上記の通りCCoEとは予想以上に骨が折れる作業だからです。

一人にぶん投げたり、無責任に任せるような仕事ではありません。

そういった上司の理解がない職場では、人が辞めていきます。

社員に見切りをつけられないようにするためにも、先ずはマネージャー層の理解が重要になってくるわけです。

ついつい、IT業界に長くいる方は、ご自身のバックグランドで勝負しようとしますが、想像以上に昨今のIT業界は大きく変わっています。

ですから、長い経験がある人こそ、最近のトレンドを再学習する必要があると僕は思っています。

社内でのクラウド推進に関わる全ての方に、本書を手に取って読んで欲しいくらいです(笑)

様々な世代が共通の認識を持つことで、このCCoEは初めて推進できると思っています。

おわり

大分、殴り書きになってしまいましたが、概ね言いたいことは吐き出せました(笑)

兎にも角にも、社内でクラウドを推進するポジションの方は、先ずこのCCoEに対する見識を深めていただきたいなと思います!

それが、クラウド推進の成功のカギになるからです。

気になった方はぜひ本書を手に取ってみて下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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