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School Hack(第1回)

部活動の行方

部活動地域移行

中学校課題の1つに「部活動地域移行」があります。
スポーツ庁によれば、部活動の意義とは、
 ・スポーツに親しむ機会。
 ・自主的・主体的な活動を通じ、責任感・連帯感・自主性を育成。
 ・問題行動の抑制。学校への信頼感、一体感や愛校心の醸成。
ということらしいです。今回は「部活動地域移行」について、今現在考えていることを書いていきます。

個人的に危惧していること

本当に課題が山積みで市町村自治体がモデルケースをもって模索しながら良い形を探っているところです。もちろん競技によっては、すでにそう大きい問題がないくらいにシステムが整備されているところもありますが。
個人的には次のことが心配です。これは運動部に限っての考えです。

⑴ 地域移行は「中学生」に目を向けて受け皿を作っている団体が多い。
 中学校によっては「部活動そのものを廃止する」と決断しているところも
 あるようです。部活指導が好きな先生にとっては、こちらのほうが動きや
 すくていいかも知れません。自分の部活動チームを気にせずに。地域クラ
 ブチームの指導者になって教えることができるからです。そして、中学生
 の「部活動」をキーワードに地域移行が進んでいると考えている人が多い
 ため、地域の指導者も、中学生向けにクラブチームを立ち上げるケースが
 多いように思います。
 しかし、小学生時にこれといって何かしらのスポーツクラブチームに所属
 していない中学生は、学校に部活動があるから「やってみようかな」と思
 うわけで、そもそも部活動がなければ、何かの競技を始めてみようとなら
 ないんじゃないかと思います。
 そんな中、競技にもよりますが、小学生のスポーツクラブ離れが進んでい
 ます。いくつか理由を考えてみると、例えばSNSの発達により、子供に多
 種多様な趣味ができることや保護者の負担が少なくないことがありそうで
 す。つまり、中学生を対象に受け皿をつくったとしても、部活動参加の絶
 対数が減少するわけで、いずれは存続できなくなる可能性があります。

⑵ 善意で地域の受け皿となる団体が多い。
 それでも現在たくさんの善意ある人たちが、「部活がなくなるのならクラ
 ブチームを立ち上げよう」ということでがんばっています。
 しかし、その活動を持続可能とするならば「予算」が必要です。使用する
 道具やユニフォームを含めた身に着けるものはどこから費用を捻出するの
 でしょうか。自治体主導で進めている地域や、団体が上手に営利を進める
 ことができるのならば、それなりにやっていけるとは思いますが、そうで
 ない団体の方がかなり多い気がします。
 「自分もその競技が好きだし、部活動時間が減って困っている子供もいる
 だろうから」という理由でクラブチームを立ち上げた人は、今後、物品購
 入等の出費ために身銭を切るのでしょうか?それとも保護者から集金する
 のでしょうか?結構な額になりますが。

他にも、指導者数や会場確保など、様々な問題が考えられますが、少なくとも競技人口総数は、かなり減少しそうです。
これからの部活動がどうなるか。その行方が気になるところです。

余談ですが…

ちなみに私自身は、面白そうな学校改革を考えることが大好きですが、部活動指導も大好きでした。子供が驚異的に成長する姿が見れるからです。競技の技術だけでなく、プレゼン力、判断力、意思決定力、チャレンジ力、課題発見・解決力が信じられないくらいに向上するのです。中学生は本当に凄くて、まさしく「無限の可能性」を秘めています。そんな子供の笑顔や真剣な眼差しを見ること、子供が成長していく姿を感じ、保護者とともに喜ぶことが、私が部活動指導を楽しんで行う目的です。今度機会があったら具体的な子供の成長の姿を書きたいと思います。

というわけで、部活動地域移行の行方がとても気になっています。
いろいろな問題がある中で、どんな形であれクラブチームを立ち上げ、子供の成長を育もうとする方々を心から尊敬します。


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