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治療はじまる。

乳がん治療生活が始まったばかりのよちよちである。

3ヶ月前には思いもよらなかった生活・・・

先週、1回目の化学療法がはじまった。いまだ気持ちの整理はつかないまま、私の体に赤い点滴が流れ込んでくる。

気持ちの整理って、いつつくんだろう。今日もよく晴れた空をみながら考えている。

「がんと闘う」「がんに勝つ」

これって患者はよく言われる言葉だと思うけれど、私にとってはしっくりこなかった。がん細胞って、誰でも持っている細胞で、健康な状態であれば悪さをしないように抑制できてるから発症しないとか色々言われているけど、悪さをしてしまった細胞も本来私の愛する細胞なわけで。もともといい子だったけど、ちょっといろいろあって思わず意地悪なことをしちゃった子供みたいな、そんな気がするんです。そう思うと、なんだか憎めない。

そんな細胞をやっつけるとか闘うとか、そんなふうにがんと向き合うのが、悲しかったのです。

でも抗がん剤をつかってがん細胞をなくす治療を選択するという矛盾と、これさえ耐えれば私は生きられるという現実。これって、エゴなのかなあ。

とはいえ、まだ生きたい。こんな矛盾と弱さだらけの私。

病気との向き合い方、考え方って人それぞれで、私には私に合ったもので心の整理をつけていこう。いつまでも泣いてばかりではいけない、がんばろうとしていたときに、「必要以上に前向きにならなくていい」と言われて救われたんだった。

ちょっと意地悪してしまったがん細胞には、ごめんね、って言いながらさようならをすることにした。そしてあなたの分まで、元気になったらもっと自分を愛せる人生を送ることを約束します。私が生まれ変わるために、ごめんね、がんさん。

人の細胞は3ヶ月で入れ替わるという。治療が終わったころ、生まれ変わる私の細胞とともに生きていく私を楽しみに、今日も一日楽しもう。

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