【小説】『絶望するな、世界を愛せ』
「私はね、君に絶望してほしくないんだよ」
お姉さんはそう言った。彼女とは見ず知らずの赤の他人、というわけでもない。私が学校をサボって公園にいると、いつもブランコに座って電子タバコを吸っている人。言わば顔見知りの関係で、偶にこうして話をする。
「学校なんて行かなくてもいいさ」
「……それでも、学校に行けないのって、学校に行ける人と比べては劣るし、損してるじゃないですか」
「そんなの大した損じゃない。社会に出てみればわかるけど、不登校児でも立派に働けてる人はいる。ここで一番重要