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英語に行き詰まっている人は、フランス語やるといいよ!という話。

私は、「英語で上のレベルを目指すなら、フランス語もやったほうがいいですよ!」といろんな方にお勧めしています。

でも、皆さんが口を揃えて言うのは、「フランス語、興味があるし、いつかやりたいとは思ってます!でも今はちょっと・・・英語も中途半端なのに、また新しい言語をやる余裕はまだないです・・・」という言葉。


それもよく理解できます。いろんな言語を勉強すると混乱しそうだし、時間もかかるし、なかなか踏み切れないですよね。

でも、今日はその「英語も中途半端なのに、フランス語をやっている余裕はない」という考えが少しでも変われば・・・という思いで、記事を書いてみます。


日本語における大和言葉と漢語は、英語におけるドイツ語とフランス語

突然ですが、日本語の

・大和言葉(日本古来の言葉)
・漢字、漢語(中国からの外来語)

は、英語ではそれぞれ

・ドイツ語
・フランス語

と考えるとわかりやすいです。


英語は、ゲルマン(German)語系統の言語。ドイツ語と起源が同じです。他に、オランダ語、デンマーク語、ノルウェー語、アイスランド語、スウェーデン語なども同じ仲間です。

汚い手書きで申し訳ありませんが、印欧(インド・ヨーロッパ)語族の言葉は、こんな風にグループ分けされます。

紫がゲルマン語の仲間。

たとえば、

・give
・get
・have
・take
・make

などの英語の根幹を成す基礎的な英単語は、ドイツ語系の単語です。わたしたちが中学校の英語の授業で習う単語の大部分は、ゲルマン語(ドイツ語)系と考えてOKです。


今から1000年前、英語に大量のフランス語が流入する

ですが、1066年のノルマン・コンクエストでイングランドが征服されます。フランス北部のノルマンディー地方を拠点としていたヴァイキングがイギリスにやってきたのと同時に、フランス語が英語に流入します。

ノルマン人(ヴァイキング)。


このとき、英語の語彙に大量のフランス語が加わりました。現代の英語は、実に75%が外来語で、その約半分がフランス語由来の言葉です。

今の英語にある本来の英語(=ゲルマン諸語)は、たったの4分の1。


高校レベルのちょっと長めの英単語、例えば

・approve(賛成する)
・obtain(獲得する)
・purchase(購入する)
・possess(所有する)

などは、フランス語由来の英単語。

これは、大和言葉の日本語に漢語が流入してきて、今の日本語になったのと同じような状況です。つまり、現在の日本語には漢語が欠かせないように、現在の英語にはフランス語が欠かせないのです。


英語を勉強しているのにフランス語を勉強しないのは・・・

15ヶ国語が話せる国際言語学者の溝江先生に言わせると、英語を勉強しているのにフランス語を知らないということは、

「私、日本語勉強してますけど、漢字は分かりませ〜ん」

という状態と同じだそう(;・∀・)。そりゃ、漢字が読めなかったら、日本語で理解できることもだいぶ制限されますよね。


溝江先生によると、英語を勉強しているのにフランス語を勉強しないというのは、

「ちょっと何言ってるかわからない」

とのことです(笑)


私自身、フランス語を大学で勉強したのですが、その後、英語を全く勉強してないのに、なぜか英語力が上がったという体験をしています。

それはなぜなのかというと、「漢字を勉強していたから、知らない言葉でも意味を理解することができた」ということなんです。

詳しくは、この記事にも書いています。↓


フランス語の基礎単語で英語の難関単語がわかる例

たとえば、フランス語でhiver(イヴェール)=「冬」という単語があります。英語でいう「winter」なので、超・基礎単語です。

で、英語には、hibernate(ハイバーネイト)=「冬眠する」という単語があります。


英語「しか」勉強してない人にとっては英検1級レベルの難関単語なのですが、フランス語の基礎をやった人は、一発で、「冬に関係ある単語だ!」と見抜けるんです。

※「b」と「v」は親戚です。なので、hiverとhibernateでvとbという違いがあるけど、起源が同じの親戚なのです。

他にも、この記事にも書いてます。↓

こういう例は、本当に枚挙にいとまがなくて、私のボキャ貧は、フランス語でかなり救われました。


フランス語の超基礎語彙が、英語の難関語彙に役立つ

もちろん、フランス語に膨大な時間をかけて、難関単語まで覚えないと英語に良い影響がないなら、そもそもその時間で英語やれば?って話です。

そうではなく、「フランス語の超簡単な単語を知っていたら、英語の超難しい単語がわかる」ってことが重要なのです。


例えば、「忘れる」という意味の基礎単語、英語で言えば"forget"レベルの

・oublier(フランス語)
・dimenticare(イタリア語)

を知っていれば、英語でどんなステキなことが起こるかご説明しましょう(笑)


フランス語の"oublier"から、英検1級レベルのoblivion(忘却)、oblivious(忘れっぽい)という単語が連想できてしまいます。

イタリア語の"dimenticare"から、英検1級超レベルのdementia(認知症)、demented(発狂した)という単語が連想できてしまいます。

自作の図です!

(今日はイタリア語の話は割愛しますが、イタリア語≒ラテン語と考えて良いので、イタリア語までやったら英語の外来語がほぼカバーできてしまいます。)

というわけなので、英語で行き詰まっている人ほど、フランス語をやった方がいいんじゃないかな〜と、私は思っています。


今、あなたは英語を毎日勉強していても、「前進してる感」って、ほぼなくないですか? ある一定のレベル(中級)以上になると、成長を感じるのは難しくなります。

でも、新しい言語は、一つ基本動詞を覚えるだけで、一つ文法項目を勉強するだけで、ものすごい進歩ですよね。新しい言語を学ぶって、楽しいです。

というわけで、英語の中にフランス語が深く入り込んでいるので、フランス語はやって損はないですよ〜というお話でした!


私の本館ブログでは、「英語学習者はフランス語を絶対に学ぶべき理由」をまとめています。こちらもぜひどうぞ!


私はNetflixでフランス語吹替でドラマを見るようにしています!詳しくは私の英語学習ブログのこの記事で。↓


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