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初めてのクルーズ旅でアメリカ人夫を見直した理由

こんにちは、エバンス愛です。独学で英語を身につけ、9年前に独立起業。現在は大阪在住で、アメリカ人の夫とともに社会人に英語指導をしています。詳しくはこちら。↓

私たち夫婦は旅行が好きなのですが、2024年5月から6月にかけて、スペイン→マルタ→ギリシャ→トルコ→イタリアという航路で10泊11日のクルーズ船に乗りました。

それについては、以下の記事でも書いてます。

で、今日は、アメリカ人夫のマイクを見直した・・・という話です。

日本人相手にはジョークがすべっていた夫

あのですね、言っちゃなんなのですが、うちの夫、ちょっと「寒い」んです。たとえば、私たちのコミュニティでメンバーさんたちに英語を話すとき、いつも何かしらジョークを言うんですが、なんだか微妙なんです。

聞いてるメンバーの皆さんも、「ア、アハハ・・・」(←苦笑い)って感じなんですよ。(;・∀・)

サントリーニ島(ギリシャ)にて

それが!!!今回の旅行で海外発着のクルーズ船の英語環境では、その「寒い」夫が、いつもと違ったんです。

夫はとっさのユーモア返しの天才だった

前回書きましたが(海外発着のクルーズ船で気づいた、旅を楽しむのに不可欠な英語スキル)、英語でめちゃくちゃ重要なのが、「雑談」のスキル。知らない人とでも気さくに話し、その場を盛り上げて、空間を共有していることを楽しみます。

クルーズ船にはビュッフェがあり、乗客は好きな時間に食事ができます。出入口にはいつもにこやかなクルーがいて、乗客に挨拶をしていました。

私たちはよく、朝起きたらビュッフェにコーヒーをもらいに行って、客室に持って帰って飲んでいました。

毎朝、バルコニーで海を見ながら飲むコーヒーが美味すぎる

そんなある日、私たちがコーヒーカップを片手にビュッフェから出ようとすると、クルーが私たちを責めるような口調で言いました。

“Only coffee??“(コーヒーだけ?)

「え?なんか私たち、悪いことしてる・・・?」と私がドギマギしていると、夫がすかさずこう言ったのです。

“For now!”(今のところはね!)

そして、お互いにっこり。つまり、クルーのユーモアに、夫がとっさのユーモアで対応したのです。

「こんなにたくさんおいしい食事があるのに、あなたたちはコーヒーしか飲まないの?そんなのダメよ!」というジョークを含んだ“Only coffee?”に対して、「後で戻ってきて、ちゃんと食べるから!」という意味で、夫は“For now!”と答えた、というわけです。

英語を文字にすると、なんてことない簡単な英語です。でも、私が、「コーヒーだけ?」に答えるとしたら、“Yeah…” しか言えなさそうです。

“I’ll come back later.”(また戻ってきます)くらいなら付け加えるかもしれないけど、そんな返しは真面目すぎてつまらない。相手のユーモアを、全然打ち返せていません。

単なる英語力不足以上に、英語圏での基本的なコミュニケーション能力不足を痛感しました。

日の出を教えてくれた親切な外国人乗客

クルーズ船では、言うまでもなく、朝日と夕日がめちゃくちゃきれいです。

地中海に沈む夕日

ある日の早朝、私がひとりでデッキを散歩して、地平線から朝日が登るのを待っていた時のことです。

少し離れたところに、男性が一人で、私と同じように朝日が登るのを待っていました。会話するほど近い距離ではなく(※雑談が怖いので、必要以上に近寄れない。苦笑)、でも、お互いがそこにいるのは分かっているという距離感。

そこで私は、デッキチェアに座って日の出を待ちながら、腕時計をいじっていました。すると、しばらくして、その男性の声が聞こえました。

“It’s happening!”(はじまったよ!)

ハッと顔を上げると、太陽が出始めたところでした。

あわてて写真を撮った

私は、アップルウォッチの操作に気を取られて、日の出の瞬間を見逃していたのです。それで、その男性は親切に私に教えてくれたというわけです。

で、私の答えはというと・・・、“Oh, yeah!”でした。(涙)

「ありがとう」くらい言えよ!と今は思いますが、その時はそれしか言葉が出なかった。

後で、「なんてこと!せっかくここに来たのに、見逃すところだった!教えてくれて、どうもありがとう」とか言えば良かったかな?とか、いや長すぎじゃない?とか、いろいろ考えて悶々としました。

気の利いた返しができなかった悔しい日

また、別のある日には、こんなこともありました。ビュッフェで、どの席にしようかな・・・とキョロキョロしながら、座る場所を探していました。

ビュッフェは混んでなくて、ほぼどこでも座り放題だったのですが、「この席はちょっと日当たり強すぎる?」「こっちの方が海が見えやすい?」とかひとりで迷った挙げ句、テーブルに自分の水筒を置いて席を確保しました。

そして、「あれ、マイクはどこに行ったかな・・・」とキョロキョロしながら夫を探していました。

すると、その様子を見ていたらしい、近くに座って食事をしていた男性が、私に声をかけてきました。

“Don’t worry. No one’s gonna steal your seat.”
(誰もあなたの席を取ったりしないから、心配しなくていいよ)

私がキョロキョロしている姿が、「誰か私の席に勝手に座ってしまうんでは?」と恐れているように見えた、ということです。

ただ、ビュッフェは混んでないので、これはその男性のジョークです。

さて、それに対する、雑談力ゼロの私の答えは・・・・・?

もう、おわかりですね?


“Yeah…”でした。(*꒦ິ⌓꒦ີ)


せっかく親しみを込めてその男性が話しかけてくれたのに、もう、何と返したら良いのやら、さっぱりわからず。

“I’m just looking for my husband.”(夫を探してるだけです)

なんてクソ真面目に答えたら、さすがに空気読めない嫌なヤツです。だから、私にできる精一杯が、にっこり笑って“Yeah”だった・・・というわけです。情けない。

アメリカ人夫ならジョークにこう返す

後で夫に、「こうこう、こういうことがあって・・・全然うまく返せなかったよ!あなただったら、こういうシチュエーションでどうやってユーモアを返す?」と聞いてみました。

すると、夫はこう言いました。

「そうだな〜。

“I hope not! I really like this seat!”
(誰も取らないでほしい!だってこの席、気に入ってるから!)

とかかな〜。あるいは、

“Please keep an eye on this seat for me!”
(誰にも取られないよう、代わりに見張ってて!)

とかって、僕だったら言うかもね」

なるほど!!そういう返しがあったか。

マルタに船が近づくのを部屋のバルコニーから見る

繰り返しますが、ビュッフェは全然混んでいなかったので、どこでも座り放題だし、誰に席を取られる心配もないのです。それを逆手に取ったこのジョーク。

いつも、日本人の前では寒い人になってる夫ですが(苦笑)、さすが、ユーモア返しが鍛えられたアメリカ人!!!と、かなり見直しました。(関西人の方だったら、こういうとっさの返しもお上手なのかもしれません。)

こういう体験が数々あり、「英語の雑談、難しすぎる!!!」と何度も思いました。そして、次に英語環境に行くときは、こういう想定外のユーモアにちょっとでも上手に返せるようになりたい・・・!と強く思ったのでした。

それまで、「もう英会話は問題ないし」と、どこか英語に対して冷めた自分がいたのも確かです。でも、この経験を通じて「英語の勉強には終わりがない」と改めて思うとともに、どこに向かうべきかという英語の目標を失いかけていた私に、このクルーズ船の旅が新しい視点を与えてくれました。

語学力は、結局は人と人とのコミュニケーション。日本で井の中の蛙になっていてはいけない。もっと上を目指したい!と心から思えた旅で、また、夫の違う一面を知り、私にとってはとても思い出深いものとなりました。

というわけで、この経験がどなたかのお役に立てば嬉しいです!最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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