見出し画像

そして誰もAIが使えなくなった

 日本が誇るAI専用スパコンの『誤岳』は、ついに小型石炭火力発電所の発電能力に相当する50MWの消費電力で1 EFLOPSの計算能力を実現した。

『誤岳』のコンセプト設計をしたのは、MixiとTwitterが専門領域で、HTTPとHTTPSの違いやオープンソースの意味を理解できないYouTuberのタレント教授だった。

 タレント教授は、日本中に携帯電話基地局のあるソドムバンクの取締役の御用学者として、内閣府と総務省、経産省、文科省共同のワーキンググループ報告書で、日本にある1,718市町村すべてに『 #誤岳 』を配置すれば、日本の失われた30年が取り戻せると主張した。

 さらに1,718台では覚えにくく国民にも説明しにくかったため、バックアップを考慮して2,000台の『誤岳』を日本各地に設置することが閣議決定された。

 フル稼働するために50MWが必要な『誤岳』を2,000台設置すると、50MW × 2,000台で100,000MW、つまり100GWの電力が必要だった。この電力量は日本全国のピーク電力に匹敵する消費電力だ。しかし、日本の送電網は設備容量や発電容量としては理論的には、300GWまでなら何とか耐えられそうだった。

The Electric Power Industry in Japan 2023

 そこでタレント教授は第二回ワーキンググループ報告書で、『誤岳』の消費電力を削減するためには、日本中の『誤岳』の消費電力をモニタリングして監視制御する #スパコン の『負岳』がさらに2,000台必要だと結論付けた。

『誤岳』と『負岳』の運用には、現在の日本の年間消費電力の三倍以上が必要であり、エネルギーの90%以上を輸入していた日本では電気が足りず、すべてのスパコンをシャットダウンすることにした。

 第三回ワーキンググループ報告書では、日本中のスマホを #エッジAI にすると、日本の #AI戦略 の内容が根本的に変わってしまった。しかし、日本にはエッジAIに必要な #半導体 を作る電力がなく、基本特許の大半を米国と中国に抑えられていたため、国産エッジAIスマホの開発は断念せざるを得なかった。

 さらに工業用電力や農業機械、漁船の燃料が不足し、すべての製造業と第一次産業が廃業し、2024年に72%だったサービス業の比率が100%に達した日本は、ジンバブエ並みの #ハイパーインフレ に見舞われてしまった。

 1米ドルが100兆円になってしまっては、どんな金持ちでも新しい外国製のスマホなど買うことは不可能だった。しかも、それ以前に電気不足で日本国内のすべての携帯電話基地局も、データセンターも閉鎖していたため、新型のエッジAIスマホを購入する意味がなかった。

 そして誰もAIが使えなくなった。

― 完 ―

自己解説

 コンピュータの性能指標は多数ありますが、そのうちの一つに #FLOPS #フロップス :Floating-point Operations Per Second)という、1秒間に浮動小数点演算が何回できるかを表す指標が使われます。例えば、1メガフロップスだと10^6(10の6乗)で1秒間に1,000,000(100万)回計算することができます。SI接頭語ではこのように、0が三桁増えるごとに、キロ(k:1,000の単位)、メガ(M:1,000,000)、ギガ(G:1,000,000,000)と単位が上がっていきます。

 FLOPSもMFLOPSからYFLOPSのように、メガ(M)10^6、ギガ(G)10^9、テラ(T)10^12、ペタ(P)10^15、エクサ(E)10^18、ゼタ(Z)10^21、ヨタ(Y)10^24と計算速度の単位が三桁ずつ増えていきます。

 CPUの歴史を見てみましょう。この自己解説を書いているのは2024年7月なので、約30年前にIntel Pentium(1993年発売開始)が普及しだした時、このCPUの300 MFLOPSは驚くべき計算能力でした。1999年に発売されたPentium IIIでは、2.1 GFLOPSと単位がメガからギガへと進化したため、CPUの進化速度は驚異的でした。2017年から生産が始まったIntel Core i9では1.18 TFLOPSと、ギガからテラへと性能が上がっています。

 これはあくまでCPU一個の性能の話です。世界のトップスーパーコンピュータ『 #富岳 』になると、大量のCPUやGPUが使われているため、スパコンとしての計算能力は442ペタ(10^15)フロップスと驚異的な計算能力を誇ります。

『富岳』の442 PFLOPSは、0.442 EFLOPSです。従って、中国の総計算力230 EFLOPSを0.442で割ると、単純計算では中国には『富岳』約520倍の計算能力があると言えます。 #都知事選 に出馬している #クラウド蓮舫 こと #蓮舫 は『 #2位じゃだめなんでしょうか !(`Д´) ムキー!』でも有名ですが、中国の総計算力が『富岳』の約520倍だと、既に産業競争にすらなり得ないレベルの格差が生じています。

#中国の計算力産業 #グリーントランスフォーメーション の新たな傾向
人民網日本語版 2024年7月1日(月) 14時30分
中国の23年末現在の総計算力は230 エクサフロップスで、うちスマート計算の規模は年間70%以上の成長率で70エクサフロップスに達し、AI時代の重要な基盤となった。

人民網日本語版

武智倫太郎

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?