2023年11月の記事一覧
瞼の裏を洗う音、声、言葉。Cornelius『夢中夢』
Cornelius
『夢中夢』
まず、構成に唸る。歌を二曲、インストを一曲。このセットを三つ。そして、最後に歌。
アルバムタイトルに示唆されている円環が結ばれる。
小山田圭吾の鼻にかかったチャイルディッシュな声が、丁寧にほどかれ配置された音と隣り合わせにあることで、一瞬、どちらが歌で、どちらがインストなのか、わからなくなる。
音は、自ら歌っている。鳥がさえずるように。水が流れるように。風
岩田剛典的なめらかさについて。あるいは「モノクロの世界」
岩田剛典「モノクロの世界」は、未練のうたである。
愛しい相手は死別した可能性も僅かにあるが、ここではお付き合いが終焉を迎えたと考えたい。そのほうがしっくりくる。うたには「あなた」が立ち去った後のニュアンスがあるし、岩田剛典もそのようにうたっている。
「あなた」のいない世界。それが「モノクロの世界」である。
つまり主人公は「あなた」と出逢う前も「モノクロの世界」を生きていた。そして、い