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エコから始めるオスとしての生存競争

流行りの路上飲みを目にして感じた悲しみ

9月に入り猛暑も落ち着くこの頃、仕事終わりに街を歩くとコロナ禍での新たな飲み会スタイルとして定着した「路上飲み」が開催されている様子をよく目にしますね。

この、流行りの「路上飲み」は飲食店が緊急事態宣言による時短営業に追い込まれる中で生まれたものだが、このスタイルにはコロナの感染拡大リスクを抱えていること以外にも一つ大きな問題が報じられています。

それは、路上飲み後の「ゴミ放置」問題。

コンビニなどで購入したお酒やおつまみのゴミをそのまま公園や道端に放置して帰ってしまう行動が問題視されていますが、実際に渋谷のオフィスで働いている僕の目から見ても路上飲みブームの広がりと共に状況はかなりひどくなっており、僕が働くオフィスの前にある小さな公園にも、ほぼ毎日ゴミが放置されています。唯一ある近くの自販機のゴミ箱は常に溢れかえっており、分別など不可能なくらいにゴミが詰め込まれているのが現状です。

小さな子供たちが遊ぶ公園の片隅にビールの空き缶が積まれている様子はとても悲しい気持ちになるし、友人に話を聞いてみると他のエリアで路上飲み後のゴミ放置を目撃することは多いらしく、彼らも僕と同じく残念な気持ちを抱いているのは間違いないなぁと思うのです。

突きつけられた問題を自分サイズに落とし込めない

子供たちが遊びまわる平和な公園の片隅に大人たちの飲み会のゴミが放置されてしまう現実を目の当たりにしながら、悲しさや常識のない人間への怒りを感じる僕たちですが、そんな風に自分を見つめながら、ふともう一つの現実に目を向けていないことに気づてしまうのです。

路上飲み会のゴミを放置する人間に怒りを覚える僕たちは、一見、地球環境やゴミ問題に敏感な人間のように映る。だけど、僕然り、友人たち然り路上に放置されている飲み会のゴミを拾ったことがある人間はいなかったことも、一つの悲しい現実なんじゃないだろうかと。

普段の僕は絶対にポイ捨てをしないこと、ラベルフリーの飲み物を買うことなど、頭の片隅に環境への配慮をチラつかせて生きている。だけど、それ以上の行動を起こさせるほど僕の心は地球市民としての当事者意識を強く発揮しないのが本音です。

なんて意識の低い人間だと言われればそれまでですが、この本音は多くの人が抱えているのではないでしょうか。海洋プラスチック問題も大気汚染も、はたまた路上飲みのゴミ放置や隣町で誰かがポイ捨てするゴミのことですら、一個人にとってみれば常に対岸の火事でしかないように思います。

要は多くの人は僕と同じように、この社会の抱える問題を自分サイズに落とし込み続けられるほど想像力豊かに生きる崇高さも余裕も持ち合わせていないんじゃないだろうかということですね。

じゃあ、この悲しい現実とどう向き合い、僕たちは地球と仲良く暮らしていけば良いんでしょうか?

エコポーザーになって自分本位にカッコつける


皆さんは「ポーザー(poser)」と呼ばれる言葉を知っているだろうか。

これはスケーター内で使われる用語で、スケートボードをやらないにも関わらず、SupremeやSTUSSYなどのブランドに身を包みスケータファッションをする人のことを指す用語です。

本意気のスケーター界隈ではカルチャーへの理解やリスペクトがないことを感じさせポーザーは受け入れられないこともあるかもしれないけども、ことエコに関して僕はポーザーでいることが"アリ"だと思う。

前述した通り、僕たちはこの社会の抱える問題を自分サイズに落とし込み続けられるほど、想像力豊かに生きる崇高さも余裕も持ち合わせていないでしょう。しかし、一個人の生活の範囲内ではそうだとしても世論は確実に環境保護やエコに前のめりで、結果、世界中の企業がビジネス成長戦略の一環としてエコ活動に乗り出している状況です。

例えば、世界的スポーツブランド NIKEの「MOVE TO ZERO」が有名だ。

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この環境保護やエコを主体としたサスティナブルな包括的取り組みは素晴らしいと思う。ただし、ポーザーを目指すべき我々はこの活動の詳細までを無理に理解する必要はないように思います。ポーザーらしくもっと自分本意にこの活動の分かりやすいところだけどつまみ食いすれば良いんじゃないでしょうか。

例えば、ファッションの部分で「MOVE TO ZERO」の取り組み下にある商品をドヤ顔で身につければいい。Macbookにステッカーでも貼ってみたらいい。

その他の活動だってそうだ。環境破壊や大気汚染の詳しい状況や知識なんて無しに、ただお洒落だからという理由でイケてるエコバッグを買えばいいし、燃費が安いという理由だけで電気自動車に乗ればいい。ノーラベルのペットボトルも詰め替えタイプの洗剤も安いという理由だけで買えばいいと思うのです。

もしかしたら、その行動理由はガチ勢と呼ばれる環境活動家の方には受け入れられないかも知れないし、知識不足のポーザーと揶揄されるかも知れない。だけど、そんな雑音に捉われることに意味はないはずです。だって、崇高な思想で行うエコ活動、自分本位な動機で行うエコ活動のどちらも各々の持続可能な未来へのアクションに変わりはないですし。

「誰かのために」、「地球のために」、「未来のために」、そんな大それた思想に囚われず、自分本位に生きてみたら日々の行動もきっと変わるように思うのです。

例えば、男女でBBQをした時は気になる女の子のモテるために、他の男とはちょっと違う自分を魅せようと帰りにゴミの分別をきちんとすればいい。燃えるゴミ/燃えないゴミをちゃんと分別できるあなたはそれだけでカッコよく見えるし、他のグループがポイ捨てしたタバコをサラッと拾う姿なんてものを見せつけたら、きっと意中のあの子はドキッとする。

「地球の未来のため、持続可能な社会のために」なんて無理に言わなくていい。ただ目の前いる意中の女性を口説くためにオスとしての差別化戦略をエコで実行するくらいが僕たちにできる等身大の環境保護だと思うんですよ。

度重なる緊急事態宣言の延長でまだまだ路上で酒を酌み交わす人は減らないでしょう。もちろんコロナに感染しないために我慢できれば良いんですが(それはまた別の論点なので置いておいて)、路上飲み会の後には、しっかりとゴミを持ち帰るエコポーザーが渋谷にいっぱいいるといいなぁと思った今日でした。

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