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#003起業してから2年間、僕はゾンビだった

「人間は唯一、生きながら腐っていく生き物だ」
ラッパーのGADOROくんが言っていた言葉。
バナナマンの設楽さんが言っていた言葉。
そういえば、うちの親父も言っていた言葉。

これは深い…。深すぎる。今日はこの言葉について、起業してから2年間ゾンビだった僕の経験を書きたいと思います。

人間が腐るとゾンビになる

腐った人間といえば”ゾンビ”を思い出すが、あいつらがどんな奴かというと、映画等で見る限りたぶんこんな特徴がある。

【ゾンビ化の症状】
①死んでいる
②腐っている(体組織の腐敗が進んでいる)
③本能(この場合は食欲?)のみで行動し、無差別に人を襲う。
④動きが鈍い。
⑤基本的に思考せず、意思や理性はない。
⑥痛みを感じない。
⑦襲った人間をゾンビ化させる。

現実世界にいるゾンビさん

さて、よく会社なんかで、「腐ってないで頑張ろうぜ!」っていう発言はよく聞くことがある。この場合の「腐っている」=「ゾンビ化している」というのは、どんな状態が起きているんだろう。

まぁ普通に考えて、この言葉はちゃんと生きている人間に向けられているから、本家ゾンビの特徴である①と②は当てはまらない。あと、さすがに大体の人間は無差別に他者を襲わないので、③も除外だ。ただし、以下の特徴は類似点が多いかもしれない。

【現実世界のゾンビ化症状】
④動きが鈍い。
⇒「能動的に仕事に取り組めない、取り掛かるまで腰が重い」

⑤基本的に思考せず、意思や理性はない。
⇒「毎日に慣れてしまい、作業的な日々を過ごしてしまう。目的・目標やビジョンを見失っている」

⑥痛みを感じない。
⇒「不甲斐ない自分に慣れていて、内心の焦りやダメな状況に気づかない」

⑦襲った人間をゾンビ化させる。
⇒「ネガティブな感情を他者に感染させ、自分と同じような人間を増やす」

起業してからの2年間を振り返る

僕は2017年に「日本人のキャリア選択を開放する教育サービス」を創りたくて起業をした。その会社は今年で3期目を迎える。起業当時から自分の解決したい課題は何となく見えていてけど、まずは会社の経営を安定させるため、人事コンサル・マーケティングコンサルをメイン事業にすることにした。

このメイン事業はおかげさまでそこそこ好調だ。博報堂やCCC時代のクライアントが声をかけてくれたり、提携企業の皆さんのご協力もあり、起業1年目から多くの大企業がクライアントになってくれた。そこでは、楽しい企画も沢山生まれたし、企業の人事機能や採用戦略が向上し、結果に繋がったことで感謝の言葉も頂いた。時には大学で授業をやらせてもらったり貴重な経験もさせてもらった。

だけど…。3期目を迎えた今、僕が創りたかった「教育サービス」は生まれていない。

いつの間にかゾンビ化していた僕

売上やクライアントが順調に増える中、僕は自分自身も気づかないうちに、「まずは会社にキャッシュを増やそう」とか、「もっと課題について議論を深めよう」とか、いろんな言い訳を自分の中に重ね、ゾンビ化していた。

【僕に現れていたゾンビ化症状】
・目的・目標やビジョンを見失っている。
⇒コンサル業にかまけて、起業した目的に立ち返らない。

・行動が遅い
⇒サービスの具体的な方向やアイディアではなく、与件の整理ばかりしてしまいアクションに繋がらない。

・痛みを感じない
⇒コンサル業で誰かの役に立てていた結果、ダメな状況から目を背ける。

まさに生ける屍、ゾンビ社長のWorking Deadだ。

僕が人間に戻ったきっかけ

これは本当に奇跡としか言いようがない。
会社が3期目を迎えようとする昨年末に、たまたま2人の先輩に出会った。
彼らは僕と同じく会社を経営していて、自分でも驚くくらい短期間で仲良くなった。それから少しして、そのうちの一人が投資家にプレゼンする自社サービスの企画書を見せてくれた。

率直にその時の気持ちを言えば、「俺、ヤバい」だ。
焦り、くやしさ、後悔、恥ずかしさ、いろんな感情が混在していたけど、少なくともゾンビだった僕に久々の拍動が生まれた感があった。

そこから、すぐに僕は自分が創りたいサービスの企画書を書いて、その人たちに見てもらった。それは、まだまだ荒い隙だらけの企画書だったけど、恐らく僕が自分のビジョンに向かって2年間で一番進んだ瞬間だったと思う。

明日も人間として生きていきたい

こうやってnoteを書いている今、またゾンビになることが怖くてしょうがない。正直、自分の考えているサービスが形になるのか、そのための力が自分にあるのか分からないが、少なくとも出来る、出来ないに関係なくゾンビとして歩く日々を送るのはもうごめんだ。

僕の周りの皆様へ。
僕から腐敗臭が漂った際には、是非この言葉をきつく投げかけてください。

「人間は唯一、生きながら腐っていく生き物だ」

よし、明日も頑張ろう。

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