『保護活動とリンゴ』/掌編小説
彼は、とある野生生物の保護活動をしていた。
一般的には嫌われもののこの生物のために、どうしてそんなに一生懸命になれるのか?一度彼に聞いてみたことがある。
「この生物だって、僕や君やみんなと同じ、生き物なんだ。一生懸命に生きているんだよ。」
愛玩動物ばかりが持て囃される世の中へのアンチテーゼだという。
たしかに近年はモフモフと全身を毛に覆われた猫や虎、パンダなどの可愛らしい生き物の保護センターが次々と設立され、民間での保護活動も話題になっていた。宇宙工学の発展やIT革命に