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【短編小説】友達について真面目に考えてみた 第10話

   第10話

 週末はいつも昼まで寝ている。俺はごろりと寝返りをうつと、腕を伸ばしてスマホを手に取った。

 昨夜、のどかから連絡が来た。

『明日の日曜日だけど、もしヒマなら佐々木くんと三人で映画に行かない?』
 返信もせずにそのまま寝たが、どうやら和からそれ以上の連絡は届いていないようだった。画面を閉じる。

『どうして返信しないのよ』
 そんな和の声が聞こえてくるようだった。明日学校へ行けば、きっと追求されるだろう。

『返信するのを忘れてた』
『映画なんて、すぐ眠くなるし』
『三人じゃなくて、二人で行った方がいいだろ』

 それらしい言い訳を頭の中で考えているうちに、眠気が覚めてしまった。すかさず起きだした胃袋がぐるると鳴る。

 大きなあくびが出た。パジャマの中に手を入れて身体を掻きむしる。

 いい天気だった。台所へ行くと、すっかり冷えた目玉焼きとベーコンが皿に乗っていた。

「あんたねえ、何時まで寝てるのよ。休みの日くらい、家のこと手伝いなさい!」
 さっそく母親の罵声が飛んでくる。

「なんなの、そのボサボサ頭は。まー、お腹なんか出しちゃって、だらしない。身だしなみくらいちゃんとしなさいよ。まったく、なんでこんな風に育っちゃったんだか」

 いつもの文句を聞き流す。俺はベーコンを指でつまんでかぶりつくと、手についた油をパジャマになすりつけた。

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