絵について思うこと
何がいいとか悪いということはないのだが、いろんなことを見ていて思うことがある。
私自身は、もともと何かで世の中に貢献したいという気持ちが強く、人の役に立つことが自分の存在価値と考えていた。
それは恐らく子どもの頃から、そういう価値観の親に育てられたこと、そして特に父親には、「一つでも人よりも誇れるものを持て」と、言われ続けていたことにも起因していると思う。
自分が身につけた何かで、少しでも早く人の役に立ちたいと思っていたから、カウンセリングの技術を身につけて早い時期からカウンセリングを提供したり、傾聴技術を人に教える活動をしていた。
世の中的にも、○○コンサルタントとか、○○講師とか、そういうことで起業することがイケてるみたいな風潮もあったし、人に何かを教えたり、提供して広めることが価値(勝ち)というようなイメージがあったと思う。
けれど、、、自分自身が未熟なのに、そのものを提供することにどこかいつも抵抗があったり、伝えたからってなんなのさ、、、みたいな空虚さがあったのも事実。
「本当に本当のことって、どこまで伝わっているのだろう?」と。
しかし、絵を始めてからはそういう気持ちが、とんと無くなった。
絵を描くことを好きになったが、人に教えようとか、あなたも描いてみましょうよとか、そういう気持ちは全く湧いてこない。
アートを通して感性を磨こう!ということは呼びかけたいが、それは自分自身がいい作品を創り出すという一点に集中している。
なぜならば、『いい絵を観る』こと、その一瞬でそのことが伝わるのだというのを、私自身が体験したからだ。
感性に触れるには、絵を習うことや、絵を描くこと以上に、良い芸術に触れることが大事なのだと感じている。
だから、やはり、絵を描かないといけないのだと思っている。
中途半端なことをしないで、自分に没頭し、描かないといけないのだと思っている。
そこが、これまで出会った別のこととの大きな違いで、それは私にとって大きな意味を持っている。
そして、いつか描くことがしんどくなったときに、自分をごまかてしまわないように、ここにこのように記しておきたいと思うのだ。
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