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須田国太郎の芸術 三つのまなざし展 西宮市大谷記念美術館(アートツアー④)

だいぶと間が空いてしまったが、今日は、3月に観に行った、『須田国太郎 三つのまなざし展』の感想レポートを書きたいと思う。

須田国太郎氏は、「東西の絵画の綜合」という壮大なテーマを掲げ、日本の精神文化に根差した日本本来の油彩画のあり方を追求し、近代絵画史に偉大な足跡を残した方(紹介文より)ということだ。

私の不勉強で(というか美術の勉強はしてきていないので)、これまで名前を聞いたこともなかった方だが、友人に誘われて展覧会に行き、純粋に、この方の絵を観れて、知ることができて良かったと思った。

国太郎さんは、20代の頃から海外や日本国内、あちこちを旅されながら、絵画の理論と技巧を研究し続けたということ。特徴的だったのは、赤茶けたような色味の風景画。そして、最後に行き着く黒の表現が非常に印象的だった。

赤茶けたような色味の風景画は、先日行った『北欧の神秘展』でも見た色味で、国太郎さんはどこかでそのような表現を見られたのではないかと思ったりする。が、そこに影を前に持ってくるというオリジナルの技法を用いて、より印象的な作品を作られている。うーん、素晴らしいとしか言いようがなかった。本当に「かっこいい」作品ばかりだ。

ちなみに私のなかでは、最高に良いと思った時に出てくる言葉は「ワー!!」で、最高の誉め言葉は、ほとんどの場合「かっこいい」だ。
私の感性は単純な言葉しか知らない 笑

また展覧会では、幼少期から親しまれていた能・狂言を描いた作品や、そのための素描、趣味で集めておられたというグリコのおまけの展示等もあり、全体として非常に見ごたえがあった。

私は絵を観ていて、その人がどんな人柄かというのが伝わってくるような作家さんが好きだし、そのような作品がいい作品だと思うのだが、国太郎さんは、研究者というアイデンティティをしっかりと持った、まじめで誠実な方という気がした。

最期は病で病院で亡くなられたとのことだったが、どれもこれもがカッコいい作品ばかりのなか、遺作となった作品は、描きかけのメロンだった。なんだか、可愛く、愛しい感じがした。ここから国太郎流に、メロンがどんな味付けをされるのかはもうわからない。画業というのは、やはり、唯一無二の仕事だということだ。

そして最近、色んな方の絵画や写真展なども観に行って、思うことなのだが、それは、構図の大事さだ。大胆な切り取り方、余白の残し方、恐らく、うまいとかセンスのある人は、ここがとても優れているのだと感じる。普通の人とは違う視点。絵を描いている人でも、そこまで意識している人は実は少ないような気がする。

やはり、良い作品を観ることは、とても学びになる。絵を描くこと以上に、見ることでも何らか吸収できていると思うので、今後も色んな作品を観て行って、芸の肥やしにしていきたい。

と言いつつ、書いていないレポートが溜まっている。また書きます!!


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