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わたしの本棚

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日記のような、手紙のような、メモのような、読書記録。
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2020年3月の記事一覧

山崎ナオコーラ『美しい距離』

山崎ナオコーラ『美しい距離』

介護のお仕事をしている友人と会った。
担当している利用者さんが老衰で亡くなるのを看取ったことを話してくれた。一年のうちに何度もひとの死を看取るということは、わたしにはとても想像できない。

自分が担当したひとの看取りが続くことを、どうとらえるのか。
日々その現場に立ち、逃げずに向き合った彼女が辿り着いたひとつの答えが、
「死神とおもうより、エンジェルと思うことにしたんだ」。

この言葉にわたしは拍

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谷川俊太郎『東京バラード、それから』

谷川俊太郎『東京バラード、それから』

なんでも「うつくしい」と形容してしまうのは怠慢かなと思いつつ、はじめからおわりまで、ほんとうにうつくしい一冊だった。

谷川さんのことばや写真が素晴らしいということは、わたしが言うまでもない。
そんなことは重々承知の上で、それでもこの本のことを書きたいとおもうのは、読んでいる時間、ページをめくる時間が、とても充実していたからだろう。本のページをめくることに、これほどの心地よさやめくり続けたいという

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オクノ 修 『ランベルマイユコーヒー店』

オクノ 修 『ランベルマイユコーヒー店』

いろんな本屋さんで眺めていた本。
つまり、わたしが行く、わたしがすきな本屋さんに、よく並んでいる本なのだと思う。

たびたび出会ってはいたのに、なぜあの日に買ったのだろう。自分でもよくわからない。
仕事の帰り道。本屋さんが集うイベントのクローズ間際に立ち寄った。ミシマ社さんのブースでひいたクジの中身は『ちゃぶ台』だった。

この地上には「教室」よりも出かけるべき場所がいくらでもある。週に5回、朝

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尹 雄大『モヤモヤの正体』

尹 雄大『モヤモヤの正体』

「私なんて
……」から始まる卑屈さは、他人の提示する価値観や基準を満たせないことへの焦燥や妬みを内包しているもの

自分を否定し他人を肯定する、自分を肯定し他人を否定するとは運動であり、変わり続けるということです。私たちは生命体ですから決して固着することなく、変化し続けています。変わり続けるとは、いつでも変化に応じられることでもあります。

ほんとうは、もっとたくさんの箇所に付箋をつけている。

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読書記録をつけてみる

読書記録をつけてみる

読書記録をつけたくて、アナログもデジタルも、いろんな方法を試してきた。そして、どれも定着せずに今に至る。毎回記事を書こうとすると読んだ本について書くことを勧められるので、noteで読書記録をつけてみようと思い立った。何度目の正直だろう。わからない。でも、人に勧められたことの方が自分に向いている場合が多いのでやってみようと思う。

日頃から読書に限らず、いいなと思った言葉、響きすぎて耳が痛い言葉など

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