物理の先生の忘れられない話@女子高
『賢い母になりなさい』
この言葉は物理のS先生の言葉であり
当時高1の私の心に深く刺さった言葉。
その日先生は、教室に入るやいなや
『今日は授業はしない、でもみんなの大切な人生の話をしよう』
とおっしゃった。私にはなにがなんだか最初はわからなかった。
ここからは物理の先生(男性)のお話というか、
そのS先生の経験談です。↓
S先生は以前少年院に入っている子と話をし、更正させて社会に出すという仕事をしていたらしい。
その全員と話しているうちに、気づいたことがあった。
それは、幼少期~青年期にかけての母親の存在
その子どもの話をよく聞いていると、なんだかみんなのお母さんの頭は良くなかったという。
◎叱られたことがない
◎何をしてもこっちを向いてくれなかった
◎ずっと家に居なかった
などと子ども達は、母について語ったという。
そこで気づいた。子どもには賢い母が必要と。
賢いとは学力があり、正しいしつけが出来ること。
『みんなには将来、そんな母親になってほしい。
それが先生の願い』
この人生の授業を境に、S先生は半年ほど学校からいなくなった。
半年後、S先生は少し痩せていたが授業にきた。
(元々普通体型だったがどこかほっそりとしたような気がした)
先生は重い口を開き、こう言った
『顔を出せず、すまなかった
先週妻が亡くなった、病気で
今まで介抱していたから、授業に出れなかった』と。
そして、そのあとこう言った。
『うちの嫁さんは、賢い母親だった
みんなも、うちの嫁さんのように賢くなってくれ
それじゃあ、、、、授業を始める』
クラスの子は、私を含め涙で前がきちんと見えていなかったと思う
物理の授業だけでなく、人生の授業をしてくれたS先生は
私の忘れられない先生です。