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曖 みいあ
2023年11月3日 08:26
「奥の手、と聞こえたので。用心して、この距離から…。勅令するーーノエル、舞い狂え。」また、あの猛吹雪が、ブレイズの周りを包む。どんどんと、吹雪が大きくなっていく…。…確実に、俺たちを消すために。俺は…アオ兄を抱きしめる腕に、さらに力をこめた。置いて逃げるなんて、できない。絶対に、離さない。最後くらい…俺だって、アオ兄を守りたかった。「アオ兄、ごめんっ。」泣きながら
2023年11月3日 08:25
思いっきり抱きしめたことで、アオ兄の顔が、俺の肩口にうずめられる。「…ふふっ。」アオ兄のかすれた笑い声が、直接、俺の耳から頭の中に響いてくる。安心する、大好きな声…。「ヨウにっ、抱きしめ…られるなんて。いつ…ぶり、だろうなぁ。」苦しそうな呼吸で、でも声色は心底嬉しそうで。アオ兄は、途切れ途切れに、俺の耳元で言葉を繋いでいく。「ごめん、なっ…。ヨウを…置いて、いっちゃうなんて…