落合朗風(1896〜1937)という日本画家がいます。経歴を記し、作品を幾つか紹介致します。
森口多里『美術八十年史』(美術出版社、1954年5月)に以下の説明がなされています。
落合朗風に関する主な著作は以下のものです。
『落合朗風遺作集』(芸艸堂、1939年4月)
『落合朗風:魂の叫び(「NHK日曜美術館」幻の画家・回想の画家3)』(NHK出版、1992年7月)
『落合朗風生誕百年展』(平田市立旧本陣記念館、1995年11月)
このことから分かる通り、落合朗風は大変な才能を持った日本画家であったものの、没後、忘れ去られてしまい、1990年代に再評価の流れが起きたのですが、結局、それっきりでした。森口多里の著書で「新感覚派」と評されていたことからも分かる通り、昭和初期の画風はモダニズム様式であり、ここで紹介していない《春夏秋冬》(山陰合同銀行、1937年)などは戦後の山口蓬春の作品を彷彿とさせるものがあり、それだけに、私は回顧展が開催されないことを残念に思っていました。
しかし、今年に入ってから、島根県立美術館で落合朗風の回顧展が開催されることが発表されました。日程は以下の通りです。
「落合朗風展 明朗美術連盟と目指した世界」
2024年9月20日(金)~2024年11月4日(月・振休)
まだ情報が少ないのですが、この回顧展はおそらく落合朗風初の本格的な大回顧展だと思われます。
開催自体は大変な朗報ですが、島根県立美術館のみで首都圏に巡回しないのが非常に残念です。
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