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なるべくやさしいママで居たいし、娘が安心して泣けるママでありたい

5歳の娘が風邪を引いた。止まらない鼻水にパニックを起こした娘は、甲高い声で泣き叫んだ。耳にキーンと響く、そんな声で。

娘が「あー!」と叫ぶたびに、私の体は硬直した。どうやって息をしたらいいのか分からない、胸騒ぎが止まらない……そんな状態に陥った私は、静かに立って移動した。

移動したのは、耳栓を取りに行くためだ。子どもの泣き声を回避するために耳栓をつけるなんて、ひどいと思われるかもしれない。ましてや、風邪を引いているようなときに。

もちろん、音を完全に遮断するようなものではなく、音の衝撃を和らげてくれるタイプの耳栓だ。

体がこわばったり、動悸が激しくなった状態で、冷静さを保つのは難しい。でも本当は、泣いている娘に優しく声をかけたり、背中をさすってあげたり、そんな風に接してあげたい。

そのためには、私自身が受ける衝撃を減らすことが第一なのだ。


いつからこうなってしまったのか、覚えていない。1番ひどかったのは、娘のイヤイヤ期が激しかった2歳のとき。癇癪を起こした娘が抱きついてくると、吐き気がしたこともある。

こんなのって非常事態だ。子どもを守らなければいけないはずの親が、こんな状態になるなんて。

それでも、自分がどんな状態になっても、娘の安全だけは守らなければならない。これは自分との約束であり、夫との約束でもある。

例えば娘が理不尽に怒り出したとしても、それに対して暴言を吐きたくないし、手を上げたりなんて、絶対にしたくない。

そう思っていても、親だって人間だ。拒絶反応が出てしまったら、「こっち来ないで!!」と叫びたくなるときもある。

「気合いや根性だけでは、どうにもならないこともある。」

子育てを通して、嫌というほどに味わってきた。だから、こうなる前に耳栓をつけることにしたのだ。

自分の心を落ち着けてから、娘と向き合う。これが今の私の最適解だ。もっと早くこうしておけば良かったと思う。娘はただ、ママのそばに居たいだけなんだから。


娘の風邪はピークを過ぎた気がする。鼻水が出ることにも慣れたのか、落ち着きを取り戻した。私の方も、落ち着いて接することができて、ホッとしている。

感情をぶつけ合う瞬間があってもいいけど、なるべくやさしいママで居たいし、娘が安心して泣けるママでありたい。それが私の願いだ。

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