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世界は見えないやさしさと冷たさで溢れている

「SNSの炎上騒動で番組の降板、CMの中止が決定しました」

最近のニュースで有名人のSNSが炎上しているのを見ると悲しい思いをするし、明日は我が身のような不安を抱える社会になっているような気がする…

まるで、サバンナの「ハイエナ」が死骸に群がり腐肉をむさぼる姿のようにも見える。でもこの貪欲な掃除屋がいるからこそサバンナが綺麗に保たれているということを考えると、もしかしたらこれは社会の秩序を保って行くために必要な自然現象なのかもしれない…そんなことも思ってみたりもする。

SNSで「いいね」や「スキ」を押す時の気持ちも、火がついてしまうと止められない心の暴走も全てスマホからの「電波」を通じて届けられる。

この電波の中にはやさしさと冷たさが玉石混交に入り混じり、僕の体の中を無数の波が通過していくが、チクチクするわけでも無く何事もなかったかのようにいつの間にか居なくなっている。

……

先日、大事な契約書類に上司の捺印をしてもらったのだが、僕の間違いで2度も押し直しをするハメに。この時、本当に申し訳なくて、

「何度もすみませんでした」

と言ったら、

「100回位までなら全然いいよっ」

といいながら颯爽と去ってしまった上司の姿を見て思わず「うるっ」ときてしまった。こういうのってスゴく気をつかってくれたんだろな…と、後から気づいたりもする。

たぶん、気づかないところに上司のやさしさっていっぱいあるような気がするし、本当はこの社会は「見えないやさしさ」で満たされているんだと思ったりもした。

いつも待ち合わせで僕よりも早く着いている人とか、歩道を歩いているとぶつからないように避けてくれている人たちなど、日常の生活の中には溢れるほどの「やさしさ」がある。

きっと、何気ない行動の中に紛れてしまっているから見えないだけであって、本当は「見えているけど気付きづらいやさしさ」なのかもしれない。


でも、ネットの世界ではこのような「やさしさ」が見えないからすぐに言葉の衝突が起こる。

この「やさしさ」に満たされた社会の上で生活している人たちが、いきなり「言葉」だけが切り取られた社会に放り出されてしまった。だからその結果、こんなにも「わかりあえない」冷たい世界が作られてしまったのかもしれない。

たぶん、この世界では今まで照れ臭くて言えなかった、みんなの心の中の「やさしさ」をもっと正直に伝えても良いんだと思う。

大丈夫だよ、頑張れ!


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