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テレパシーで伝える未来。脳インプラントのある生活

米実業家イーロン・マスク氏が創設した新興企業ニューラリンクは、脳にチップを埋め込む技術(脳インプラント)の臨床試験で、患者3人の登録を目指している。

28日 ロイターより

へぇ、イーロン・マスクさんのニューラリンクという会社で「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」を開発しているということですか…

これはスゴそうです。BMIは脳に埋め込んだ装置が神経活動を読み取ることで、患者が頭の中で考えるだけでコンピューターやスマートフォンを操作できる技術なのです。


2016年、湖で泳いでいたノーラン・アーボーは不慮の事故で脊髄を損傷した。湖面に浮かんだときには、体を動かせなくなっており、気がついた時にはベッドの上で、首から下がまひしていると医師に告げられた。

「最初のプロダクト名は『テレパシー』だ」

そして同じ2016年、イーロン・マスクは脳インプラントを研究するニューラリンクを共同起業した。9年の歳月を経て今年1月、アーボーはニューラリンクが「Telepathy」(テレパシー)と名付けた研究用機器を脳に埋め込む最初の被験者となったのです。アーボーがノートPCのカーソルを動かそうと考えるだけで、カーソルはアーボーの思いのままに動いたのです。

実は、このBMIの研究は60年以上も前の「サイボーグ」に関する論文に遡る。そして、1991年には米国の神経科学者はラットの脳に電極をうまく埋め込めば、ラットが考えるだけで小さなロボットアームを動かせると報告。さらには2006年にはヒトでもBMIは実現したのでした。

すでに多くの企業がこのBMIに参入しており、ビル・ゲイツとジェフ・ベゾスが資金提供しているシンクロン社は、すでに10人に同社の装置を埋め込んでいるのです。

ニューラリンクが開発する装置は、従来の頭蓋骨に穴を開けて装着するタイプではなく、ごく小さな穴にロボットがミシンのように埋め込んでいくタイプなのです。そのため従来に比べて大幅に手術の負荷が減らせ、さらにニューラリンクが用いる電極は1024個と、従来型デバイスの数倍。脳の神経細胞に近接し、神経細胞の活動を「聞く」ことができる電極の数が増えるほど、脳の活動を音声やテキストに変換できる可能性が高くなるということです。

もちろんセンサーがニューロン(神経細胞)に直結してしまえば完璧なコントロールができるのかもしれませんが、残念ながら僕たちはニューロンのことをほとんどわかっていないのです。

ところで、頭の中でどう念じればマウスが動くんですかね。きっと「むむむっ」って感じにやるんですかね、それとも手足のように何も考えなくても思い通りに自由に動かせるんですかね。こんなことを考えているだけで、これからのニューロテクノロジーの発展が楽しみでなりません。

一方で、脳神経が「データ」という形で取り出せるようになると、これは“誰のものなのか”という疑問が湧いてきます。さらにはこのデータを使ってAIのチカラを基に人間の能力を拡張するということもそう遠くない将来に実現できることだと思います。

果たして人間の意識を脳からデバイスに移行させたとき“人間が人間である理由”がなんであるのか考え直す必要があるかもしれません。

でも、いつか僕もこのような技術に助けられる時が来るかもしれない。きっとその時はテレパシーで世界中の人たちとコミュニケーションできているはず。


今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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