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【行ってみた】大田区の町工場を見て感じたこと…

大田区のとある工場経営者の廃業をキッカケに、これからの大田区の町工場の未来について考えてみようという話です。前編はこちらからどうぞ。

ちなみに前編はこんな話でした…

8月、知り合いの板金加工業者が廃業した。大田区で50年続けた工場ですが、後継者不在が理由とのこと。

かつて1万社あった大田区の工場は、現在4,000社を下回り、減少が続いており日本全体でも製造業の事業所は1983年の45万件から17万件に減少し産業構造は大きく変化。

小ロット生産へ変化したことにより、柔軟な対応が出来る最新の高価な設備が必要で、若者の独立はますます困難に。さらに、住民からの騒音や臭いの苦情も増え、廃業や移転する工場も多い中、大田区の町工場の未来は…

GPTで前編の要約をしてもらいました

いざ書き始めてみたんですが、なんか無性に実際の大田区の町工場を見てみたくなってしまいました。ということで、思い立ったらすでに川崎駅に…

多摩川から右手に大田区六郷の多摩川緑地

チョーいい天気ですねぇ。川崎駅から多摩川を歩くとそこには一面グリーンの多摩川緑地が広がります。ちなみにこの六郷橋の下流側は六郷橋緑地と呼ぶそうです。

東六郷付近

この辺一帯は工業地域または準工業地域となっているので一般住宅は少ないのかと思いきやあたり一面が住宅街となっています。たぶん10軒に1軒くらいが工場かと思いますが、川崎駅から僅か1駅のところには古き良き時代の金属加工業の街が広がっていたのです。

西六郷付近

閑静な住宅街の中には工場やお店があちこちにあって住工共存の街並みが広がっています。

板金加工屋さんの前

こちらの板金加工屋さんの前にはこんな看板が出ています。工業地域なのに「騒音・振動出ます」って書いてあるという事は、きっと周囲を気にしながら苦労して操業していらっしゃるんだろうなって思いました…

そういえば、工場みんな休みなんです…

てっきり、土曜でも「カンカン」と音をたてながら稼働している工場があるのかと思ったら、どうやらこの辺では休日に機械は動いていないようです。

なんだかこの辺りを歩いているとひっそりと静かで、多摩川からの涼しい風と緑地の新緑の土手、そして僅かばかりの機械油の匂いが五感に心地よい刺激を与え続けてくれて、歩くのはかなり楽しいと思います。この街並みはかなり好きです。

カッコいい工場①
カッコいい工場②

ところどころに建て替えて間もないようなモノトーンでカッコいい工場もちらほらと見られるが、きっと2代目、3代目に事業をバトンタッチしたところは勢いもあるのだろう。

鋳物とマンション

大きなマンションの前には無造作に鋳物を載せた木製パレットがずらり。きっとこの辺にもかつては大きな工場があって、バブル期の地価高騰を経て少しずつ景観が変化してきたのかもしれません。

何やらバタバタと騒がしい工場が…

住宅街の中でユニック車が機械を持ち上げており入りまさに取り壊しの最中の工場だ。近所の大人たちが何人も手伝いに来ていたのできっとこの地で愛された工場に違いない。

もしかしたら廃業だったのかもしれないが、恐らく産業構造の変化というものはこうやって、一軒ずつひっそりとやって来ているのかもしれない。



1時間以上ウロウロと歩き回ってみたがどの工場もシャッターが閉まっており結局、話し相手になってくれそうな経営者は1人も見つけることが出来ず、僕は思いついたようにある場所に向かった…

六郷BASE

ジャン!、ここが「六郷BASE」と呼ばれる3年前に大田区が作ったインキュベーション拠点。これから新しい事業を生み出そうとする30社ほどの企業や個人が入居しています。

(カッコいい施設内の写真は残念ですが控えておきます)

施設内にはコワーキングスペースとシェアードオフィス、3階には8畳程度のオシャレなオフィスが入っていてしかも24時間使えるという素晴らしい環境です。

しかも、予約すれば試作室も使うことが出来て大田区の企業が開発した多くの3Dプリンタが使えてしまうのです。施設の方に1時間ほど施設案内と話し相手をしていただき、すでに入居したくてたまらない状態です(笑)

あとものすごく安いです…

きっと、ココからこれからの大田区の産業を引っ張ってくれるスタートアップが息吹をあげてくれると思います。

今や日本の生産性は低いとよく言われますが、まだまだ製造業は他の産業よりも3割も高いのです。資源の乏しい日本がこれから食べて行くためには、素材を輸入して、加工によって付加価値をつけて利益を上げて行くという、昔からのビジネスモデルしか残されていないような気もしています。

大田区に住みたくなった…

次回いよいよこれからの大田区の町工場について書いてみようと思います。


今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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