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面白いってなんだろう?

人はどんな時に面白いと感じるのか?
コロナの中で、パラダイムシフトが目まぐるしく進む中、
これからどんな面白さや娯楽が求められるのだろうと、YoutubeやNetflix漁りながら、ふと感じた。

なんてったって、コンテンツの選択肢が多すぎる!
コンテンツ消費のスピードが尋常じゃないのだ。
この記事にたどり着いた人がいれば、ものすごい確率の中で時間を費やしてくれているわけで。

最近のちょっとした悩みなのだが、
個人的に思い入れがあったり、感動したりしても、
「他人にとっては全くどうでもいいこと」という大前提を、忘れてしまうことがある。

具体的には、LINEでの友達との会話。
コロナにより、お家で楽しめるコンテンツの話題が中心となるため、
Netflixとズブズブな私は、意気揚々とオススメ作品を紹介する。
しかしながら、時に全く反応されない。

イメージはバスケでパスを出して、全部コースアウトする感じ。
そして、味方チームの誰かがもっかいスローインをする。
こんな経験、日常の会話やLINEなど、コミュニケーションの中で
誰もが1度は感じることもあるのでは?と思うけれど、
露骨にされると、ちょっと苦しいものだ、実は。

最近はもう、「スローイン現象」と勝手に命名し、
もちろん適当に受け流しているし、逆に自分が受け流す立場になることもあるわけで、悲観をしたいわけではない。
ただ、この現象を本質的に考えると、何かを伝えるという行為において、無用に伝えても、そりゃ伝わらないし、伝わらないことを嘆く立場でもないと、自覚することも大切だと思った。
本当に正しく伝えたいときは、単に感情ではなく、相手にとって利益・惹かれるものがないとダメだ。

この何かを伝えるうえでの当たり前は、
コンテンツがあふれ、しかも個が簡単に情報発信ができる現代では、特に重要だ。
発信者は何らかの専門性、又はタレント性(信頼感や知名度)、又は明らかな論理性がないと、納得したり興味を引くのって、難しい。
少なくとも、上記の何か1つは必須であろう。

コロナで時間が余った芸能人が、Youtubeに進出してきて、たった一本動画を上げるだけで、100万再生を優に越している。
「ああ、こんなセレブリティの影響力って強いのか」と口をあんぐりしてしまう。錦戸さん・赤西さんが発信しているNOGOODTV、面白い。

コロナでおうち時間が騒がれ、これまで以上に音楽や映画や読書といった、文化的なコンテンツ消費が盛んになる中、
今後ユーザーはどんなものに共感をし、興味を持ち、選択するのか?
少なくともどんなコンテンツにも、明確なストーリー作りが必要になるだろう。映画も本も動画も、企画だって、何かしらのストーリーが隠れている。

日本はストーリーの作り方というものを、幼少期に学ぶことが少ない。
強いて言うならば、作文くらいが物語づくりに近い授業だろうが、
句読点の付け方や、誤字脱字といったことが中心で、
「起承転結をつけて書きましょう」くらいしか、覚えてない。
欧米では、脚本や映像制作、企画制作など、ストーリー構成を学ぶ場が明らかに多いらしい。本場ハリウッドということもあり、そこを志望する人も多いのだが。

好きなものを整理し、より深く理解、そして広く伝えることが私の目標であるものの、そもそも語る上での土台と構成を知らない。
これって結局、自分の感情を吐露しているだけにつながってしまい、何かしらの評価基準を持っておく必要があるのでは、と感じた。
そこで手に取った一冊の本がこちらだ。

「SAVETHECATの法則」ー本当に売れる脚本術ー
著者:ブレイク・スナイダー Blake Snyder
訳者:菊池淳子

本書は米国の脚本を学ぶ者にとって、必読書として有名な一冊であり、脚本に関心のある新人からベテランまで、だれが読んでもわかる簡単な言葉でまとめられた一冊だ。売れる脚本を書くための構成や戦略が、著者自身の脚本制作経験、また、かの有名なスピルバーグ監督など、ハリウッドを代表する監督からのアドバイス経験をふまえた上で、わかりやすくまとめられている。

本書の構成は、8つのChapterからなっている。
自身での整理も込めて、概要をまとめると以下の通りだ。

「Chapter1どんな映画なの?」では、脚本の内容を一言で示す「最高のログライン」が答えられなければ、その脚本(ストーリー)はその時点で負けであると述べる。
具体的なログラインの構成要素は、①皮肉、②映画の時間や全体の情景といったイメージの広がり、③明確なターゲット層と制作規模が分かること、④インパクトのあるタイトルの4つである。

「Chapter2同じものだけど…違ったやつをくれ!」では、既存のヒットしたストーリー構成の理解と、そこに新しいひねりを入れる重要性を指摘している。平凡でないもの、伝統を超えて一歩前進した作品は、まずそれまでの作品の歴史や伝統をよく知る必要があるというのだ。
ここでは「家の中のモンスター」「魔法のランプ」...といった、ブレイク流の10のジャンルが定義され、これまでの物語も、これから作られる物語も、ヒット作はすべてこの10通りに分けられるという。
自分の生み出したい作品がどこに分けられ、かつての名作の構成を分析することも、新しいひねりを加えるうえで大切になる。

「Chapter3ストーリーの主人公は…?」では、物語の中で魅力的な主人公を設定するときに、重視すべきポイントをまとめている。ブレイクによれば、魅力的な主人公は、設定された状況の中で一番葛藤し、感情が変化するのに一番時間がかかり、共感できる客層が広いほうがよいという。合わせて、主人公の中に、原始的でシンプルな目的に対する動機(例:生き延びる、愛するものを守る、セックスする等)があり、その動機に共感・納得ができるような設定が必要だ。

「Chapter4 さあ!分解だ!」では、いよいよ実践的な話になってきて、具体的な脚本構成の話に入る。ブレイクは、主流の三幕構成(テーゼ・アンチテーゼ・シンテーゼ)の3つでは十分ではなく、15の項目からなるブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)を生み出した。約110枚程度の脚本を、この15の構成要素をもとに作成していくことが、軸をぶらさず、アイデアを明確に反映させるうえで大切と主張している。
まずはヒット作の構成を、BS2で分解していくことが、とっても面白そうだ。

Chapter5以降は、実際に脚本を書き始めるステージに入る。
「Chapter5 完璧なボードをつくる」ではChapter4までの内容をもとに、文章を書き始める前の各シーンのアイデア出しを、ボード(ホワイトボードなど)と40枚の付箋を用いて行うことを推奨している。
「Chapter6 脚本を動かす黄金のルール」では、脚本を書き出し始めた際に、特に注意すべき陥りがちな留意点の指摘。「Chapter7 この映画のどこがまずいのか?」では、作り上げた自身の脚本を批判するうえでのポイントときにすべき点を伝えている。
最終章「Chapter8最後のフェードイン」では、じゃあ実際に魅力的な脚本が書けたとして、ビジネスとしてその脚本を買ってもらうにはどうしたらよいのか?どんな人と関係性を気付くべきなのか?といったことが述べられている。

私自身、脚本制作など行ったことはないが、本当に読みやすくて参考になる本だった。まずは、自分が魅力的に思うコンテンツ(特に映画)に関しては、BS2を使って分解と理解を進めてみたい。
いつも同じ手法で感動させられていることに、気づいてしまうだろう。

結局面白いとは何か?ということは、まだまだ分からない。
コロナの中で大きく価値観や生活が動く中だからこそ、たくさん面白いストーリーを発見し、自らも生み出していきたいと感じる次第である。少しでもスローインされないように。

p.s.
気づいたら1年ぶりの投稿です。
昨年の目標投稿数は、最低でも10本と思っていたので
口だけの奴となってしまいました。
このnoteの目的の1つには、魅力的なコンテンツの整理と発信を掲げてます。
早速実践あるのみということで、SAVETHECATの法則に則って、
映画、本を中心に、今年こそコンテンツを整理・批評していきたいと思います。

コロナという、歴史的に見ても大きい混乱の中、皆さんはいかがおすごしでしょうか?
私は思わず、かつての世界は疫病にどう立ち向かったのか、こうした世界的混乱が起きた後、どんな技術が発達することになったのかと、ちょっと気になり、高校世界史を見返したりしました。
得たものは、当時の知識をどこに詰めていたかわからないということです。

#推薦図書 #コラム #SAVETHECATの法則 #映画 #読書 #Netflix





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