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炎上に関する考察

こんばんは。アヒルです。今日は炎上に関する一考察を書いてみようと思います。ネット炎上とリアル炎上の両方に共通することで書いてみます。

突然ですが、皆様は炎上したことはあるでしょうか。実は私は炎上したことがあって、人間の悪意に焼き尽くされたことが人生であります。それも、(面倒くさいので詳細は話しませんが)リアル炎上です。ネットではなく、リアルの炎上。私の私生活は燃え、焼き尽くされました。その経験から、何となく炎上がおこるメカニズムについて分かってきた気がするので、今日は炎上について書いてみようと思っています。炎上は、(起こせる人にとっては)実は簡単に起こせます。一部の放火魔のせいで心まで焼き尽くされる人がでないように、炎上が起こった場合の対処法まで語っておきたいと思います。

炎上はなぜ起こるか①~人間の性質~

行動経済学の分野について皆さんご存じでしょうか。行動経済学とは、言ってみれば、経済学の世界をより現実に近づけようとする分野です。実は、新古典派経済学の世界は極めて非現実的な前提を基にして成り立っています。この非現実的な前提とは、人間とは完璧なもので、感情に左右されず、何らのバイアスも持たず、経済学者並みの知識とスパコン並みの計算能力を持ち、利益だけを追い求めて行動するというものです。一見すると何だこれはという前提ですが、この前提がなくては、マクロ経済学は成り立たないです。本来の人間は、感情に左右され、不合理で愚かな生き物ですが、このような本来の人間を前提とした場合には、自然科学のように美しいマクロ経済学の理論は成り立たなくなってしまうため、人間の代替として、新古典派経済学ではエコン(エコノミクスからとっている)と称される完璧な人間像を用意して、彼らを用いて経済をモデリングします。

経済の話は本論ではないのですが、ここで注意したいのは、行動経済学で用いられているいくつものバイアスの話です。行動経済学では、先ほどのエコンを現実世界の人間に近づけるために、彼らに本来の人間が持ついくつものバイアスを実装させます。そのうちの一つのバイアスが、人間は群れの方向性に従うというものです。具体的に言うと、周りの人間が同じ行動をしているときに、例え、事実(あるいは本心)は違っても周りの人間と併せて同じことをしてしまうというバイアスです。

このバイアスは人間には不可欠のものです。右向け右ではないですが、人間が生きていくうえで、群れの行動に倣うということは欠かせないことです。夏場熱いからと言って全裸で公園を歩くような人は、(たとえ逮捕されなくとも)、人間社会でやっていけないでしょう。人間社会では夏場は熱くとも服を着るという「常識(norm)」があり、それに従わないと人間は生きていけません。この周りの群れ、もっというと常識に従うという性質が炎上を引き起こします。

炎上はなぜ起こるか②~放火魔の存在~

人間の常識に従うという性質を利用して、世間には炎上を起こそうとする人たちがいます。彼らのことをここでは「放火魔」と言いたいと思います。まるで放火魔のように、彼らは火が燃え広がる環境を作り出し、わずかな種火をとらえては周りにいる人ごと焼き尽くそうと試みます。

人間世界で炎上網を起こす方法は、既にある「常識」を利用するか、「常識」を作ることです。この常識はかなり広範囲のものを含む概念です。例えば、外出する際はマスクをつけるということも常識ですし、Aさんは嫌な人だということも常識になりえます。炎上で一番ひどいケースでは、この「Aさんは嫌な人だ」が新たな常識として作られることで、こうなってしまった場合には、このAさんは無残なまでに焼き尽くされることになってしまいます。ポイントは、本当に悪いかどうかが問題ではなく、人間が常識に従って動く生き物だということです。Aさんが悪い人という常識が広まれば、その後はAさんが何をしても許されることはなく、長い間、火が消えるまで呪われ続けることになります。いい例かは分かりませんが、森元総理の件でも、うまく男女平等という「常識」を利用されたというところが大きいような気がしています。合唱。

常識を利用するにせよ、常識を作るにせよ、放火魔はこれを利用して怒りをばらまきます。悲しいことに群れに従う人間は、怒りさえも群れに従います。みんなが怒っていれば、私も怒る。そこには、色々な理由付けがあり、当人は自分の意志で怒っていると思っているのかもしれませんが、実際は周囲から伝播した怒りに反応しているにすぎず、そこに本人の意思はありません。みんなが心のどこかでいらだちやつらさを感じ、怒りっぽくなっているような状況ではなおさらです。その意味で現在のコロナの状況下では、普段以上に炎上が起こりやすくなっていると思います。私たちはこの放火魔に出くわさないように、最大限注意を払わないといけません。

もし炎上したら?対処法は逃げること

身も蓋もないことを言いますが、炎上が起こった際は対処方法はありません。炎上は誰にでも起こりうることで、ほとんどの場合、あなたに(大した)非はないのだから逃げるのが一番の得策です。逃げましょう。自分の経験談だと、一年程度逃げればまず火は続かないだろうという気はします。ネットであればアカウントを消して、しばらく見ないようにすることが一番です。現実世界であれば、転職するか引っ越してしまいましょう。燃え上がってしまったものを救助することは難しいです。悔しさに歯噛みすることになるかと思いますが、放火犯に復讐するよりも、逃げてしまうことが一番です。生きていればやり直せます。アヒルでした。


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