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(後編)マジで「なんとなく転職」を考えてる人に聞いてほしい話

※この記事は15分くらいで読めます。

あ、こんばんは。あひどきです。GWはいかがお過ごしですか?
明日から出勤やんという方。一緒に職場が風にでも吹き飛ばされる事を祈りましょう。

えっと実はですね、この記事書くのは2回目なんです。本当はもっと綺麗で自己肯定感高めな内容の記事を書こうとしていました。が、自分はそんなに綺麗な人間ではなし、綺麗事は大嫌いなので正直に極力事実ベースで書いていきます。後編を楽しみにして頂いていた方、いらっしゃるかどうか分かりませんが遅くなってすみません。前編をまだ見てない方は、先に見て頂けると読みやすいかと思います。

はい、まず最初に転職活動の結果を載せます。
第一志望不採用、第二・第三志望内定です。
そしてこの後つらつら書きますが、
内定は辞退し転職活動辞退を中断しました。

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※第一志望はこの後も具体的に話すのであえて社名を載せています。

中断理由について、今回は長くなったんでこんな感じで図式化して説明していきます。包み隠さずいきましょう。まずは消極的な動機について。

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1.消極的な動機

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1-1.第一志望=不採用だったから

 第一志望は株式会社グラファーという会社でした。同社は「行政手続き」の最適化を目指す「Govtech(ガブテック / 政府×テクノロジー)」領域のスタートアップです。私がこの会社を志望した理由をまとめてみます。

1-1-1.第一志望の魅力点・懸念点

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【魅力点1】ビジョン、代表の考え、事業内容に共感出来る。
 創業のコンセプトは次の通り。

行政の当事者は、何よりもまず、主権者である私たち市民です。 当社は、市民である私たち自身が主体的に考え、実践することを通じて、 新しい行政の仕組みを社会に提案する組織として設立されました。
Grafferは、未来を手繰り寄せるための、スタートアップの形を取った市民運動体です。
About Graffer

シンプルにこのミッションにワクワクしました。私も学生時代に選挙管理委員会とタッグ組んで民主主義のあり方を考えた時期がありました。自分が過去に取り組んでいた課題感が同社と一致する、かつ現職で培ったテクノロジーの知見を活かす最適なフィールドと考えてたんすよね。
 また、グラファー代表取締役CEOの石井さんのテクノロジーに対する考えにも強く共感しました。

まったく新しい未来の技術を使うことより、凡庸な技術を適切な課題にマッチングさせることの方が、良い結果を生むことが多いのだ。
政策課題への一考察 行政におけるテクノロジー活用を失敗に終わらせないために(上)

この業界にいると、どうしてもAIとかディープラーニングとか提案したくなります。が、最新のテクノロジーを使うよりも、既存の技術の組み合わせで提案するほうが顧客メリットが出る事が多々あります。これは実体験として感じており、なるほど真っ当な意見だなと思いました。

また、事業内容について。

資産価値にコミットするのが「BizDev」、利益にコミットするのが「Sales」
BizDevとは「資産価値を上げる仕事」、GovTechスタートアップが実践する3つのこと

 部署のコミットする対象が定義されており、大変合理的であると思いました。現職では向上を求められているのが、BSなのかPLなのかよく分からなくなることがあります。記事内容から、こういう組織に身を置けばブレずに働けるだろうなという印象を持ちました。

【魅力点2】製品の成長性/将来性がある
 次に成長性について。代表の方も動画内で説明されていますが、そもそも日本で行政サービスを市場とみなして勝負しているのはグラファー様くらいかなと思います。また、コロナ渦で対面接触を避けざるをえない状況も同社にとって明らかな追い風だと考えます。そして、この確実な需要にスピーディーな意思決定で対応しているのも魅力の一つでした。なぜスピーディーさが実現出来るのか。その背景には経営層の現場感の捉え方にあると思います。グラファー代表取締役COOの井原さんの記事を引用します。

CEOの石井は、自身がプロダクトマネージャーとして担当プロダクトを持ったうえで、未だにかなりの時間コードを書き、デプロイしています。
こうした業務の中で、社内のプロダクトの技術的負債の状況や、ユーザーがどの程度弊社の製品を実際に使ってくれるのかなどを日々実感しています。
泥臭いことができる人とは何か?

 企業体が小さければ経営層と現場が近く現場の課題感を汲み取り、経営方針に反映するのは比較的容易かと思います。(起業した事ないので分かりませんが…)ただそれも30人の壁なんて言葉もあるように、一定の規模になると実現が難しくなります。同社は経営層の業務の大部分を現場の業務に当てる事で、仕組みとして現場の課題感を吸収出来るようにしていました。課題感を吸い上げてスピード感持って意思決定する事が、努力に依存せず仕組みされているという点に魅力を感じた訳です。

【魅力点3】昇進したい、成長したいと思う仕組み、が出来ている
 こちらは二次面接内で感じた事です。

失敗した場合も絶対に個人の責任にしない。そういう心理的安全性が残されている。具体的には、ポストモーテムを実施する文化があり、再発防止が人に依存する事なく仕組みで吸収する手法が根付いている。

失敗も個人に依存しがちな現職では考えられない仕組みでした。心理的安全性が確保されている点も魅力として大きかったと思います。

【自分から見た懸念点】クライアントの性質
 同社のクライアント、つまり非営利団体である行政(地方自治体)の性質についてです。ここは選考を進める中で別の企業からもアドバイスを受けました。現職で相手にしているのは、大手企業(エンタープライズ)とはいえ営利団体です。お固い組織とはいえ、営利企業ですから業務効率化や経費削減という観点でお客様のモチベーションとこちらのやりたい事が一致していました。一方、地方自治体は非営利団体ですから先方にモチベーションが無い事のほうが多いと思います。(あくまで過去の経験に基づく主観ですが)クライアントのステータス移動が難しい事は勿論ですが、自分自身のモチベーションを保ち続けられるかどうかも問題でした。セルフコントロールが求められる職場という事ですね。

まぁまとめると、私が前の記事で記載していた転職理由を一番満たしている企業だと判断しました。懸念点もありますが、セルフコントロールは苦手ではないため何とかなると判断していました。

1-1. HRに興味がない 
⇒ 【魅力点1】ビジョン、代表の考え、事業内容に共感出来る。

1-2. 製品の成長性/将来性
⇒ 【魅力点2】製品の成長性/将来性がある

1-3. 自社で昇進したくない
⇒ 【魅力点3】昇進したい、成長したいと思う仕組み、が出来ている

1-1-2.選考落ち原因の考察(ラーニングアニマル・具体性のなさ)

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 最終面接は先程noteも引用させて頂いたCOO井原さんでした。面接詳細は秘匿性が高いため省略しますが、面接フィードバックで記載頂いた「弊社の求めるところとは少しマッチしなかった」という点を掘り下げてみます。

【選考落ち原因1】ラーニングアニマルでは無かった
 エージェントさんから「同社はラーニングアニマルか否かを重視している」と事前に連絡頂いていました。しかし、私は本当の意味を理解していませんでした。改めてラーニングアニマル(LA)についてググってみます。

LA人材は、「到達目標」(だけ)ではなく「学習目標」を自らに設定します。学ぶこと自体が目的でもあり、失敗への恐れやプライドなどなく、目先の失敗を気にしないで新たな解を導こうと没頭し、その学習到達の過程で成果を出していきます。さらにLA人材は、その成果に留まることはありません。さらに高い学習目標を立て、その習得・解への到達を目指します。
転職で強い グーグル型「ラーニング・アニマル」とは

 私は面接において目標に到達した道筋ついて如何に論理的に説明出来るかという点に注力していました。しかし、同社は自ら高い学習目標を立てて学び続けられるか(その過程に再現性があるのか)を重視していたのだと思います。私自身この視点・能力が足りていなかったんですね。勿論、現職でも学び続ける事は意識していましたが、没頭するほど出来ているかと言われると嘘になります。

【選考落ち原因2】具体性が欠如していた
 私は面接の中で最終的には事業責任者ポジションにつきたいと主張していました。正直、このポジションについて何かやりたい事があるかというとそういう訳ではありませんでした。食いっぱぐれ無いという点と何でもやりたい人間だから自然とそうなるだろうという自分なりの仮説があっただけです。面接でも案の定このフワフワした部分を突かれました。「あなたが自社の事業責任者ポジションあったならば、どういう事業を作るか」という質問を受けた訳です。私はこの質問に至極一般的な回答しか出来ませんでした。知行合一ではなく、知行分離とも思える発言であった点も見抜かれていたのだろうと思います。

 消極的理由についてまとめです。いずれグラファー様のような企業規模が小さい&成長産業に軸足を移さなければならない。転職を中断した後から振り返っても今回の判断は誤りではなかった、と感じています。ただし、第一志望を落ちた事について自分なりの考察をすると、将来性のある企業に求められるほど自分はまだ必要なスキルが満たせていない、という当たり前の結論に至りました。

1-2.第二、第三志望の懸念点が払拭出来なかった

 転職活動の結果にも記載した通り、2社から内定を頂きました。そして、主に3つの観点から内定辞退しました。こちらも順に辞退理由を記載してみます。

1-2-1.SaaS(Vertical VS Horizontal)

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 英語で書いたら頭良いっぽく見えますね。っていうしょーもない独り言は置いておいて。現職はHR事業であり、HorizontalSaaSに該当します。Horizontal、つまり水平方向に幅広ーく色々な業界を見れるというメリットがあるんですね。
一方、第二志望は業界特化型のVerticalSaaS(医療業界)です。当たり前ですが、VerticalSaaSに進む事は今後のキャリアを狭める(特定業種にしか転職出来ない・しづらい)危険性を孕んでいました。なんとなく業績が良いから、で飛び込んで別の業界に移りづらくなるリスク。自分みたいに行きたい業界ねぇなぁ、今後市場的に伸びそうだからとりま医療系かなーみたいにふわふわ考えてるやつはマジで注意したほうがいいと思います。


1-2-2.ビジネスモデルから考えた組織風土(個人 VS チーム)

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 組織風土のミスマッチもありました。これは主に第三志望の企業について。たぶんどんな企業でも個人の力が大事とかチームワークが大事とか言います。今回転職を進める中で、本当にどちらを重視しているのかについてはビジネスモデルから逆算して考える必要があると感じました。例えば現職の場合、お客様(エンタープライズ)に対して窓口は基本的に担当のコンサル1人になります。業界ごとにチームが分かれてはいますが、必然的に個人のタレントパワーを活かして働く訳です。そのためチーム<個人の力が求められます。第三志望の企業はまさにこの逆。ビジネスモデルとして1社に対して複数の担当がつきます。面接官も一人の実力は正直どうでもいい。チーム力をどれだけ発揮するかが重要であるし、そういう人が評価対象になると言われていました。チーム力か個人力かという視点で言うと、今はまだ個人の力を伸ばしたい気持ちがありました。自分の力を120%発揮するにはそういう風土が重要だな、と考えた事も内定承諾を断念した理由の一つです。

1-2-3.開発能力(感覚)

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 ここは正直感覚です。が、特に第二志望の製品を見た時に自分なりに惹かれるものが無かったのは事実でした。UIUXが優れているか否か、模倣されやすそうか否か。技術的な事についてはまだまだ勉強中の身ですが、自社の最新バージョンの製品のほうがUIUX共に優れていると感じました。
 ここまで消極的理由について記載しました。ただし、続投についても全く消極的な動機しか無かったのかと言うとそうではないです。次に積極的な動機についても載せてみます。

2.積極的な動機

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2-1.没頭出来る業務の発見

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 転職する気満々でしたので、個人的に身辺整理をしていました。悲しいかな、この身辺整理の作業に没頭出来たんですよね。勿論、フロー状態に入りやすい業務であったという前提はあります。しかし、整理する中で潜在的な顧客の課題を掘り起こせる事が分かったため、もっと情報を集めたい・顧客を多角的に捉えたい、と謎に熱中してしまいました。同時に顧客課題の発掘が個人の力量に依存している状態は不健全だし、自社の癌だと改めて感じました。裏を返すと、癌を克服して顧客課題を自然と炙り出せるような仕組みを作れれば強烈な武器になると感じた訳です。前編の記事にも記載した通り、興味がない分野で過重労働になるのはキツイ、だからMGRになりたくないと考えていました。しかし、それならば自分で没頭出来る仕事を作れば良いじゃん、と考えました。コペルニクス的転回ですね。(言ってみたかっただけ)相変わらずHR事業に興味は無いですが、仕事の中で楽しい領域を軸にすれば楽しめるじゃんと気づけました。また、「自分の好きな事に協力してくれる人を育てる」という意味ではMGRをしても悪くねぇなと思いました。仕事の軸足をどこに置くのか、が自分の中で意外と重要でだった訳です。だからうーん、今軸足を移して新たな顧客課題に向き合うよりかは、自分の色を出して既存の顧客課題を顕在化させるプロセスを仕組み化した方が価値が出るでのは、と考えました。

2-2.自分の行動の源泉の発見

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 めちゃくちゃ失礼なことを書きます。「こんな仕事していない人の懐にマージンが入るのは癪に障る。」私が第二志望を頂いた会社を紹介頂いたエージェントさん(仮にBさんとします)に感じた気持ちあり、第二志望の内定辞退に一定程度影響しました。転職エージェントさんって言うても千差万別です。なので、別にBさんの対応が悪かった訳ではないです。が、「ただ企業との間に入ってメールを転送して日程調整しただけでマージンもらうってどんな楽な商売なんだよ…」と感じたのが正直な気持ちでした。そして、この怒りの気持ちは内定辞退に繋がるほどが大きかった事にも気が付きました。
 翻って現職で一番の怒りを感じる瞬間は何か、と考えました。それは先に述べたカスタマーサクセスの組織に対する仕組み化の下手さ、顧客課題発掘が個人の力量に依存している不健全さに対して。没頭出来る上に、行動の源泉である怒りもそこに向かっていたんですね。であれば、やらない理由がないよねというのが転職中断(現状ステイ)を決めた積極的な動機です。
 と、ここまで書きましたが、正直第一志望に落ちた事が何よりも大きな理由でした。積極的な理由も後付と言われればそれまで、みたいなところはあります。まぁ物事には必ず意味があると考える性分ですので、不採用となった事実から今後の糧を得たいと思います。

3.今後どうなりたいのか

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 次に今後について。話は変わりますが、小学生の卒業文集で将来なりたい人を書く欄がありました。私は「高田純次」と書いたのを鮮明に覚えています。良い意味で肩の力が抜けていて、好奇心を大事にしていて自分の気持ちに正直である。心も金銭的にも余裕があり、見た目は遊び心を忘れていない。そんなおじさんって素敵やなと子供ながらに考えていた訳です。(どんな子供だよ、と今では思いますが)
 翻って現在。ちょうど今は年収的にも幸福度はピークに到達し、損益分岐点に来ています。つまり、何も考えずに普通に働くと確実に損失が大きくなるでしょう。子供ながらに考えていた「素敵なおじさん」になるために、仕事&プライベートをどう生きるのか。転職中断理由を踏まえて、人生における益の部分を最大化する生き方を自分なりに簡単に考えてみたので最後に載せてみます。

<仕事面>やりたくない✕できる領域

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 先に述べた通り、未だにHR事業について興味は無いです。(くどい)が、いったんは顧客の持続的な成功体験実現にどうすれば寄与出来るのか、を考えたいと思います。そのヒントが顧客課題発掘の仕組み化では、と思ってますのでそこに力を入れていきます。幸い、カスタマーサクセスは私にとって出来る仕事ではあるようですので、林先生がテレビで言われていたような出来る✕やりたくない領域で勝負していこうと思います。そもそもなぜ仕組み化出来ていないのか、という点は自社というか日本企業全体が陥っているCRICサイクルが関係していると考えています。が、長ったらしくなるのでここは別記事でまとめたいと思います。


<プライベート面>やりたい✕出来るかも…な領域

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 note書いていて思いましたが、やはり私は目立ちたがりな人間でした。人に自分の考えや意見をぶつけて議論する、それで目立つのが楽しい訳です。今までは対面での議論に終止していたので、今後はマネタイズの観点を持ちつつnoteや動画媒体を通じて議論していきたいと思います。精神的なゆとりを持つという意味でも、一定の副収入がある事の意味は大きいですからね。この部分についても、もう少し具体化した際にまとめて書いてみようと思います。

4.終わりに

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 コロナ渦で良くも悪くも会社との繋がりが見えづらくなっています。働くモチベーションも低下している人が増えているように感じます。元からモチベねぇよって人もリモートワークで少なくとも向上はしてないんじゃないですかね。
そんな中、通勤電車でも転職の宣伝が目に入りますし、WEB面接も増えてきたため転職に踏み出す心理的ハードルはこれまでにないほど下がっています。もし転職をやるならしっかり転職してみてください。ぶち当たってください。それは現職をしっかり見つめ直すいい機会になります。見つめ直してそれでも辞めるならそれもありです。
 どう動いても良いとは思いますが、注意すべきことを一つ。至極当たり前の事を書きますが、エージェントも会社の上司もあなたの事を本気で考えてはくれません。どこまでいっても所詮他人の人生ですから。だからこそ、誰も彼も耳障りの良い事を言われるかもしれませんが、きちんと自分で咀嚼して意味を理解した上で突き進んでください。まぁ正直、あなたの人生なので赤の他人のわたしがどうこう言う筋合いはありません。が、どうか自分を大切にして決断してあげてほしいな、と思っています。適当に決断して、適当に死んだらきっと後悔すると思いますからね。

 最後に。採用者、被採用者の立場を越えてキャリアのアドバイスをしてくださった皆様。貴重なお時間を頂き、本当にありがとうございました。また、こんな自分にもポテンシャルを見出して現職同等の給与を提示してくださった企業様、ありがとうございました。「CRICサイクル」を仕組み化で脱却し圧倒的な成果を出した後、遠慮なくヘッドハンティングしてつかあさい。その際にもしご縁があれば、またよろしくお願いいたします。

以上、クソ捻くれ者の若干25歳男による転職談義でした。

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