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偏差値43の私が早稲田大学だけに合格した話

※「特に秀でた才能もなく中途半端で勉強ができない自分」をバカと呼んでます。完全に個人の意見です。ご了承ください。

実は、元ビリギャルです。何回か記事でちらっと触れたけれど、わたしは生粋のバカです。勉強をしてこなかった、特に周りに期待もされてこなかった人生、ぱっとしないまま過ごした高校生までのわたし。スカート短くして、髪明るくして、つまらなそうな顔してただ部活をしていたJK。
勉強して何になるの?数学とか何の役に立つの?大学なんて、冴えないウェイの集いでしょ?
そんな感じで、本当に進路を真面目に考えてこなかった高校二年生までのわたし。

そんなバカが、早稲田に合格した。
早稲田だけ。早稲田のある学部ひとつだけ。
その他の大学は全て落ちた。女子大も日東駒専もMARCHも、見事に全て落ちた。浪人覚悟で受けた最後の早稲田大学だけ、なぜか合格してしまった。
これは、そんなわたしの大学受験エピソードである。
これから大学受験をしようとしている高校生の希望になれば嬉しい限りです。バカなりにどうやって勉強したか、どうやって自信を保ったかを書き残します。これはきっと自分の中で一番といっていいほど熱い青春ではあるけれど一時の過去の栄光でもあるので、うまく形に残して昇華できればと思っております。しばし口が悪くバカを連呼しますが、またこいつ言ってるよくらいで思ってくださると幸いです。

「ビバ!中途半端!」
中学生までのわたしの成績は、勉強が苦手と部類されるグレーゾーンを行き来していた。算数は驚くほどできないけれど、国語は満点近かったり。図工は得意で、社会も興味がある分野ならそれなりに。高低差が激しくて、ほんとにできない時はまったく成績が悪かった。小学校の時に一時期近くの塾に通ったりもしたけれど、長続きしなかった。その頃のわたしは学ぶ楽しさというものが全くわからなくて、毎週土曜日にある塾のテストがつまらなすぎて、なんかもう嫌だった。IQサプリがオンタイムで見れないのがストレスで仕方なかったあの頃。
中学ではまともに勉強もせず。たまにいい点をとると女子の嫌がらせを受けたりしたから、目立つことを控えるためにもあんまり勉強しなかった。今思えば何自分に負けてんだよって感じだけど、身を守ろうとしてたのかも。

なんとか希望の高校に合格ができたものの、よく考えれば別に高校にこだわりがなかった。
ただ、中学ではかなりいじめられたから、高校ではこのうえなく自由に、そしていじめてきたギャル達よりも偏差値の高い高校に行きたい、それだけだった。
よって、公立ではそこそこ頭が良くて、あまり中学の人々が目指さず、家からスイっとチャリで通えて、一切校則もなく制服もないフリーダムな高校に決めた。

ゆるーっとした高校の雰囲気はなかなか好きだった。部活は、大好きな吹奏楽部に入った。そこそこ楽しかったし、先輩や同期にも恵まれた。

だけど、相変わらず勉強に対しては中途半端で頑張りきれなかった。そのせいか、勉強以外の生活も全部中途半端になった。高校二年生の頃からよく授業をさぼるようになって、先生に呼び出されたりもした。高校は義務教育じゃないから、留年だってするんだよ、だって。部活はあんまり休まずにいったけど、それでも授業には真面目に行かなかった。
数IIのテストが6点で返ってきたことがある。思わず写真に撮って、mixiと前略プロフの「りある」に投稿した。
…懐かしっ!てか、プロフとかあんのかなまだ。自分が勉強できないことを、もはやネタにまでしてたような。それもまた、中途半端なカタチで。

高校二年生の終わり頃、いよいよ進路を決める時期になった。真っ白な進路指導用紙を、髪の毛を指先でくるくるしながら眺めてたそんなある日。
母がしれっとわたしに塾を進めてきた。兄も行ってたから、とりあえず行ってみたら、と。
なんかあんまり乗り気じゃなかったけど、お先真っ暗な進路に焦りがなかったわけでもないから、とりあえずお試しでいってみた。

ここでわたしの人生が変わる。

体験レッスンの教室には、見慣れない制服の生徒がたくさんいた。最初だからわたしは発言はしないで聞いてるだけだったけど、みんなスラスラ答えが言えて、わたしは置いてけぼりだった。
その日、わたしは初めて「勉強ができる人たち」に囲まれた。東京のトップクラスと私立高校に通う子もいれば、国立のエリート女子校に通う人まで。男の子も、わたしが知っているようなタイプじゃなくて、頭が良くてしっかりしていて。
日本史の先生の話は、前回の授業を聞いていないとわからない部分もあったけれど、新しい部分はとてもわかりやすかった。バカなわたしでもわかるように説明してくれた。
(結果的に最後までわたしを見捨てずに、早稲田に合格させてくれたのはこの先生である)

その時思った。頭がいい人たちを見て思った。
わたしは、バカだ。生粋の、バカだ。
勉強ができないことを実感した。何も知らない中途半端なバカだ。やってこなかった自分が恥ずかしくなった。

「このままバカなままだったら、人生終わる」

ハッと気づいたと同時に、恐怖に襲われた。
バカを実感したら、急に怖くなった。何もわからない、日本史の単語ひとつわからない。
だって勉強してこなかったから、しようと思わなかったから。わからないことが怖くなった。
今までの自分を恥じた。日本史だけじゃない。勉強でまともにできることがない。ましてや、社会のことなんて、もっと知らない。
育ってきた環境とか、英才教育とか、そんなのどうでもよかった。してこなかった事実だけ怖かった。

バカのまま生きたらどうなるんだろう。まともに勉強一つできないまま大人になったらどうなるんだろうか。

お試しを受けた塾には、その日行くことを決めた。これからよろしくお願いしますも上手に言えないまま、受験が始まった。

勉強したい。ちゃんと大学に行って、社会のこと勉強したい。初めてそう思った。
だけど、目指す大学がわからなかった。自分がどこになら行けるのか、そもそも大学にいけるくらい勉強できるのか、何の自信もないままスタートした。

とにかく不安で、最初はお昼休みの時間まで図書室にこもって勉強した。カロリーメイトは口の中の水分をやけに奪うから、大きな紙パックの桃水を片手に勉強をした。桃水は、わたしの青春の味だ。
がむしゃらに進めて行くうちに、あっという間に夏休みになった。

夏休みが始まってすぐに、塾の先生が言った
「行きたい大学に、行ってこい」

行きたい大学がわからなくて、とっても悩んだ。受験前最後の夏休み。ここが伸びどころだと言われている時に、わたしはまだ中途半端だった。
教えてもらいながらも必死に勉強はしてきたけれど、目指す先がわからなかった。

とりあえず、どこかに行こう。
キャンパスみてみたい。
そう思って足を運んだのが、なぜか早稲田大学だった。
どこかに早稲田への憧れはずっとあった。駅伝でのあの暑くるしいくらいの熱気とか、慶応にはない泥臭い精神とか、どこかにひかれていた。自分が早稲田に行きたいとは到底おこがましくて思えなかったけれど、羨望の眼差しで赤本を見つめることはあった。

行ってみて、思ってしまった。
薄々感づいていたけど、わたしは早稲田に行きたいってもうどっかで決めていた。
「ああ、ここ行きたいなぁ」って、見たら思ってしまった。大隈講堂とか、大隈さんの銅像とか、広い銀杏の木が並ぶ7号館の前とか。
やけに遠い教育学部とか。

「先生、わたし早稲田に行きたいんです」
初めて塾の先生に告げた時、わたしはもう決心した。
絶対に行く。合格する。
ここしか行きたくない。
他の大学もいくつか行ったけど、早稲田しか興味が湧かなかった。早稲田に恋に落ちた。

そこからの夏休み。わたしは劇的に勉強に夢中になった。冬休みまでの受験期間、わたしが勉強した方法を少しだけ紹介しようと思います。
頭が悪いなりに行ったことですが、勉強に不安がある人は試して見てください。

①ストップウォッチで時間を測れ!

これは大好きだった塾の先生が教えてくれた戦法。

机に座って勉強している間だけを測る作戦です。
夏休み、わたしは1日10時間勉強するって決めていて(結果的に本当に毎日10時間やった)、ストップウォッチで正確にはかってやってました。トイレとか、休憩とか、本当に全部抜いて純粋に勉強した時間だけ測る。

これが何の役に立つのって思うけれど、
勉強している自分に自信がつきます。
勉強になれてないひとは、これでいいのかな、これであってるのかな、と勉強そのものに自信がありません。できない自分が当たり前なので自己肯定感がかなり低いです。
なので、まずは勉強したことがわかる、目に見える事実を作ることが大切です。できれば毎日メモして、後で見返すせるような日記とかにするとオッケー。
受験当日にこれをみかえせば、「あ、ちゃんとやったんだ。大丈夫」と安心する材料になります。目に見える正確な記録って、とっても大切。

②早起きしろ

当たり前だけど、早起きしてください。どんな試験も、大学受験は朝です。朝に頭が働かなければなんの意味もありません。
夜は早く寝て、朝起きて、勉強するといい。

③頭のいい人とつるめ

頭がいい人と仲良くなりましょう。頭がいい人の考え方を盗みましょう。
ストイックな人と一緒にいることで、自分がバカだということを実感します。そして、勉強へのモチベーションがあがる要因にもなります。
「わたし、やっぱりバカ…この人には勝てない」なんてメソメソする暇があったら、その人の倍勉強すること。

友達になれとはいいません。性格が悪いおすすめですが、最初は利益だけ考えて人と接していいです。
結果的にすごく仲良くなったりするから。わたしはそうでした。

④ひとつの参考書を極めろ

これもよくきくことだけど、結構みんな甘い。問題解ける、とかじゃない。
上からどんな順番で単語が並んでるぜ!って、ページの構成言えるくらいまでになってください。
参考書を食べる勢いで、一つだけ極めるといい。試験でわからない単語があった時、ページの並びでいきなり意味がわかったりする。
極めろって、本当に極めろって意味。熟読とか甘い。その参考書の読み手としてのプロになれってことです。
特に、行きたい大学の赤本こそ解説まで食ってやる勢いで飲み込んだほうがいい。

「お前は絶対大丈夫」
塾の先生だけは見捨てずにわたしを信じてくれた。学校の先生は無謀なバカを見るようにわたしを相手にしてくれなかったけど、先生だけは信じてくれた。
泣いたり悩んだりしたわたしのことを、先生とお母さんだけは信じて応援してくれた。

そんな感じで勉強して、さあ!いざ受験。
頑張ってはきたけれど、あまり好調な手出しとは言えなかった。受かるだろうと思っていた大学も落ちて、全落ち。
いよいよ明後日は早稲田受験いう日に、それまで受けた全ての大学が落ちたことがわかった。
これで失敗したら行くところがない。
そう腹をくくって迎えた試験当日。

その日は雪だった。

合格発表の日は、晴れていた。
怖くて発表後見れず大泣きしていたわたしを叩き起こした母が、電話を差し出した。
(早稲田の合格発表は、電話とネットの二つでみれます)
死ぬのかというほど緊張しながら、合格発表の電話をした。
「おめ」が聞こえた瞬間、叫んだ。
「でとうございます。…」の次は、二回目の電話で聞いた。母と抱き合って泣いて喜んだ。

その日わたしは、思いっきり髪を巻いて思いっきり化粧をして堂々と学校に報告しに行った。
別のクラスの親友がめちゃめちゃわたしのクラスに走ってきて、担任の先生が話してるのを無視して二人で廊下で喜んだ。

みたか。
バカだと思ってたわたしは、もうバカじゃない。
早稲田生になるんだぞ。
その念を込めて、抱き合って喜んだ。


ビリギャルだったわたしが、早稲田に合格した。そして、昨年無事卒業できた。
あの日、塾の先生に出会って、諦めないで勉強してよかったって思う。本当に、よかった。
「お前ならできる」
そう言って信じてくれるひとがいることが嬉しかった。伸びる成績と、真剣に勉強できている自分が誇らしくて、わからないことを知りたいと思えるようになったのも、嬉しかった。

わたしの何がバカって、わからないことがわからないことだった。勉強もそうだし、何を目指したいのかもそう。自分の未来がわからなかったから怖かった。
ちゃんとわかろうと思えてから、知りたいって思えてから、わたしは変われたと思う。勉強できるようになったのは、知らないことを知る楽しさがわかったからだ。
今の仕事で好奇心をもって動けるのも、受験で自ら学ぶことを知ったからだと思う節もある。ゼロからのスタートすぎたからこそ、知る楽しさを知れた。

このまま生きていたら絶対に出会うはずのなかった人たちと出会った。たくさんの授業を受けた。恋愛の授業とか、漫画とか、面白い授業をたくさん!

ゼミもサークルも、楽しくて楽しくて仕方なかった。
そして、今でも仲良しの、かけがえのない友達や先輩後輩に出会えた。大切な時間を過ごした。憧れのワセジョになれた。
本当に誇りに思う。

「頑張ること」が全てだとは思わないけれど。
正義と言うつもりもないけれど。
無理だと思ってた世界に飛び込む勇気さえあれば、自分さえ覚悟を決めれば、憧れに手が届くこともあるんだって伝えたいです。
決してシンデレラストーリーじゃないんです。美談じゃないです。美談だけだと思われたくはないかも。だって血を吐く努力をした自信はある。わたしすごいでしょって聞こえるかも知れないけれど、火事場の馬鹿力ってやつですよ。

夏なんか両鼻穴から鼻血がでたし、「あんなやつ早稲田に受かるわけないだろ」的なこともいっぱい言われました。この受験勉強の間、わたしは一切彼氏作らないって決めて浮かれた話一切ないです。

だけど、早稲田に行きたかったから。人生変えたかったから。
今の社会で確実に評価を得るには、わたしは学歴はひとつの武器になると思ったから。
だから必死でした。

バカの生き方には、二つしか方法はないと思ってる。
ひとつは、この先もこのままバカでいること。
勉強なんてできなくていい、このままでいい、そう思うならそのままでもいいと思う。勉強ができればいい世の中では確かにないし、全てではないと思う。
だけど、この道を選ぶなら、勉強ができないこのままを選ぶなら、バカを人のせいにするな。
お金ないし、時間ないし、親のせいだし。それは全ていいわけだ。わたしは奨学金で大学に行ったし、短い時間で受験したし、誰のせいにもしていない。
勉強できないことを「バカ」だといわれて怒る資格はない。それが嫌なら、勉強しろ。それだけです。

ふたつめは、バカじゃなくなること。
「ドラゴン桜の名言」が心に残っている
「バカとブスこそ、東大に行け!」

まさしくその通りだ。これは、バカとブスこそ自分の価値を高めるために勉強しろということだと思っている。
バカなブスとバカな美女、二つなら並んだらバカとブスは勝てないんだよ。それは、この世の中がもうそういう構造だから。そして、バカとブスは搾取されてしまうんだ、なぜなら社会がそういうものだから。
社会を作るのは、私たちよりも前の学歴社会を生きた大人。そして、このままだったら未来の社会も、エリートを生きた人たちで作られてしまう。
だからな!!「バカじゃなくなった元バカ」が社会のトップに進めるようになったら、悪しき社会の循環はすこしなくなるかも知れないとわたしは思う。
頭取の息子は頭取に。その流れを断ち切って、新しい社会を作れるのは、もしかしたらバカを脱した私たちかも知れないじゃないか。

バカだとバカにされなくなったその瞬間、違う世界が見える。

わたしが個人的に、頑張る人が好きと言うだけの話なのだけれど。
頑張って無駄なことって、ないと思うんです。周りにどんなに無謀だと言われても、自分に自信がなくても、「わたしはこうなりたい」という目標に向かって頑張ってみることって、悪くないと思う。
もう十分頑張ってる人に向かってこれ以上応援はする気もない。「そんなの美談だしうざい」とおもわれるかもしれないけれど、わたしはかなり朝ドラ的に暑苦しい女なので、頑張ることが好きだ。
頑張ってる自分も好きだし、頑張る人の話を聞くのも大好き。
だってその方が人生楽しいもの。こんなもんか、って力量決めてすまして生きていくよりも、「できるかわからないけれど、自分はこれを成し遂げたい」ってはっきり言える人に熱を感じる。

早稲田大学OGとして。
これから早稲田を受験する、またはワセジョになることを目指している高校生の何かしらの希望になれればいいと思う。
こんなバカでも早稲田に入れた。卒業できた。
早稲田に行ってなかったらきっと今の仕事にも真剣に向き合えていない。

ちょっと「バカ」を連呼してごめんなさい。

「勉強できない=バカ」と捉えているところに不快に思う方がいるかも知れませんが。
わたしは過去の勉強できないことに危機感を覚えていなかった自分は、中途半端でバカだと思ってます。
「勉強できない=バカ」という考えが一切ないのであれば、この記事は忘れてください。
気分を悪くされた方がいたら申し訳ないです。

しかし、わたしは勉強とはもはや根気と気力とすこしのお金さえあればできるものだと思っているから(わたしはあまりにバカだったので塾がなければ無理でしたが)、やる気のある人は勉強に夢中になるといいと思います。
伸び悩んでいるなら、わたしが相談に乗りたいです。

都の西北、早稲田の森に。
臙脂色に夢を抱く若き志を持った人々が、夢を叶えられますように。

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