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わたしは思い出す

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「わたしは思い出す」に関する最新情報。制作日誌、編者への一問一答、出版レーベルを始める経緯、展覧会の記録など。https://aha.ne.jp/iremember/
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#日記

『わたしは思い出す』の6つのアプローチ

人は、経験していないことを、 どのように経験できるのか──。回想録『わたしは思い出す』の6つのアプローチ。 1. 〈わたし〉の視点から震災を捉え直す本書の編者(AHA!)は、仙台に暮らすひとりの女性、かおりさん(仮名)と出会います。かおりさんは、2010年6月11日に初めての出産を経験。以来、育児日記を書き続けてきました。彼女は日記に何を綴ったのか。そして、再読して何を思い出し、忘れてしまったのか。11年の歳月を〈震災〉という大きな主語ではなく、ひとりの女性の語りから捉え直

展覧会の記録|水戸芸術館

撮影=水野雄太(AHA!)

「あなたの《わたしは思い出す》」水戸篇──メルマガ制作を振り返る

ひとりの女性が綴った11年間の育児日記。その再読の経験を記録した《わたしは思い出す》が、水戸芸術館「ケアリング/マザーフッド」展(2023)で展示されました。会場内では、「あなたの《わたしは思い出す》」と題したアンケートを募集。かおりさんの回想をきっかけに、来場者一人ひとりが思い出した357通のエピソードが集まりました。このたび、その一部をnoteで公開しています。 同時に、これらのエピソードをメールマガジンのかたちでお届けする試みを開始しました。メールマガジン「あなたの《

『わたしは思い出す』取り扱い書店

東北KANEIRI Museum Shop 6 980-0821 仙台市青葉区春日町2-1 せんだいメディアテーク1F 曲線 980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡2-3-30  ⇢ウェブストアでの取り扱いあり せんだい3.11メモリアル交流館 984-0032 宮城県仙台市若林区荒井字沓形85-4(東西線荒井駅舎内) BOOKNERD 020-0885 岩手県盛岡市紺屋町6-27 1F  ⇢ウェブストアでの取り扱いあり ボタン 980-0013 宮城県仙台市青葉区

回想録『わたしは思い出す』イベント開催情報[2023年3月]

3月4日(土)・東京 明治学院大学 「近代日本の日記文化と自己表象」第35回研究会 日記文化の研究に取り組む田中祐介さん(明治学院大学)による研究会「近代日本の日記文化と自己表象」。その第35回研究会で『わたしは思いだす』に関して編者の松本篤が特別講演を行います。 日 時2023年3月4日(土)13:30–17:30【終了しました】 会 場|明治学院大学白金キャンパス+オンライン(zoom) 参加費|無料(申込みは締め切りました) ⇢くわしい情報はこちらのページをご確認く

「Voicing Care ケアの声」インタビュー(取材・編集・構成:坂本夏海さん)

展覧会について 企画展『わたしは思い出す 10年間の子育てからさぐる震災のかたち』(以下、本展)は、仙台市の沿岸部に暮らしていたかおりさん(仮名)が初めての出産を経験した10年前からつけている育児日記の再読をとおして、彼女の経験した震災後の日常を辿り直すというものです。 本展の準備として、まずは震災の前後に生まれた子どもの育児者を対象に、この10年を振り返るワークショップを実施しました。その参加者の一人がかおりさんでした。かおりさんは、初子を出産した2010年6月11日か

書籍『わたしは思い出す』発売開始に寄せて

1000年に一度と言われた大地震の後を、 私たちはどのように生きたのか──。 本回想録は、たったひとりの記録と記憶にその問いの答えをさぐる試みです。 本書の語り手、かおりさんにとっての《11日》という日付。 それは、我が子の成長を祝う《月誕生日》であり、多くの方に不幸が訪れた《月命日》でした。 彼女はその日、どんなことを日記に残したのか。 そして、自筆をたどり直すことで、何を思い出したのか。 いくつもの《わたし》との出会い直しが、「辞書」のような回想録になりました

日記再読の風景 かおりさんの回想はどのように編集されたのか

Q. 回想録『わたしは思い出す』はだれがつくったのでしょうか。 本書は、AHA![Archive for Human Activities / 人類の営みのためのアーカイブ]が編者となり制作しました。語り手はかおりさん(仮名)、聞き手はAHA!の松本篤が務めました。 AHA!とは、8ミリフィルムや家族アルバム、日記、手紙といった〈私的な記録と記憶〉の価値に着目するアーカイブ・プロジェクトです。 人と記録(モノ)のあいだに立ち上がる現象に着目する。こうしたAHA!のアプロ

日記再読の風景 かおりさんへのインタビューはどのように実施されたのか

企画立案と予備調査についてQ.『わたしは思い出す』を制作するきっかけは? 2020年7月5日、せんだい3.11メモリアル交流館から「10年目の3.11の迎えるにふさわしい企画を」と企画展のご相談をいただいたこと。 Q. 企画を練るために最初にしたことは? 8月28日から9月1日にかけて、仙台市内にて予備調査を実施した。 Q. 予備調査のヒアリング先は? 「海辺の図書館」「3.11オモイデアーカイブ」「海岸公園冒険広場」「3がつ11日をわすれないためにセンター」、沿岸部(荒

かおりさんの育児日記が問うもの─『わたしは思い出す』展ができるまで

10年の節目になにを展示するか飯川 せんだい3.11メモリアル交流館(以下、交流館)」は、地下鉄東西線の終点である荒井駅と一体となった複合施設です。もともとは別の目的の施設が入る場所だったんですが、2011年に地震が起こったことで、震災のメモリアル施設として2016年に開館しました。私は開館から2ヶ月後に、所属先の財団が施設の運営を受託することになった2016年4月から2021年3月までの5年間、スタッフとして在籍しました。私を含めスタッフはみな震災メモリアルの専門家などでは

書籍『わたしは思い出す』予約開始に寄せて

10年目の3.11にふさわしい企画を考えてほしい。 地震の記憶を継承するための展覧会を『せんだい3.11メモリアル交流館』から依頼されたのが、本書刊行の発端です(2020年7月)。一見して復興が進んでいる「被災地」。しかし、本当にそうなのだろうか。10年目に着目するだけでは見えてこない風景がある。3月11日のことを尋ねるだけでは聞こえてこない声がある。これまでの10年に散在する《非日常》の微小なかけらを丁寧に拾い集め、輪郭を与え、これからの10年に手渡す。そんな取り組みが、

あなたの《わたしは思い出す》神戸篇

このページでは、デザイン・クリエイティブセンター神戸[KIITO]で開催された展覧会「わたしは思い出す 10年間の育児日記を再読して展(2023)の会場内で記入されたアンケートを掲載しています。 2003年9月15日 「父の骨の納骨に行く日です。車で家族を乗せて私が運転して納骨に行くことをになっていました。前夜に家族が久々に実家に集まったのでカキ(海の方)を食べたのですが、どうもそれにあたってしまったらしく、夜中に病院に運ばれて、点滴で治療をしていただき、無事に納骨のために

展覧会の記録|デザイン・クリエイティブセンター神戸[KIITO]

撮影=水野雄太(AHA!) レビュー わたしは思い出す 10年間の育児日記を再読して:artscapeレビュー|美術館・アート情報 artscapeそのとき、「日記」という他人に見せることを前提しない個人的な記録は、時間の歩みを歩行で辿る身体化された行為を介して、記憶をartscape.jp

AHA!の出版レーベルはじまります

小さな記録の誕生日を祝おう。 AHA![Archive for Human Activities / 人類の営みのためのアーカイブ]は〈私〉の記録と記憶に着目したアーカイブ・プロジェクトとして2005年に始動しました。8ミリフィルムや家族アルバムなど、「小さな記録」の価値を共有するためのプロジェクトを各地で取り組んでいます。 AHA!が大切にしていることは、〈だれか〉の記録をきっかけに〈わたし〉のまなざしがつくられる、そんな集いの場をひととき、ひとところにつくることです。