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アンチェロッティ『戦術ノート』と『完全戦術論』を読んで。

どーもあぐおです!

本日はですね、かの名将アンチェロッティ先生についてです。

今回この記事を書くにあたって読んだ本は2冊です!

『アンチェロッティの戦術ノート』(2010年5月出版)
『アンチェロッティの完全戦術論』(2014年6月出版)

この2冊の感想(ネタバレ有)に加え、アンチェロッティの考え方なんかを述べて行きたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください!


目次
1.『アンチェロッティの戦術ノート』
2.『アンチェロッティの完全戦術論』
3. アンチェロッティとは
4. おわりに


1. 『アンチェロッティの戦術ノート』

早速で申し訳ないのですが、この本は個人的に苦痛でした笑

あまり面白くなかったです。。正直、退屈で仕方なかったけど、せっかく買ったので最後までなんとか読みました笑

言ってしまえば、「10年前の本だし。。」という感じです。

ただ、自分も15年以上サッカーやってきたから当たり前になっているだけなのかもしれないので、「一番最初に読む戦術本」としては良いかもしれません。(『完全戦術論』の方でも「初心者向け」とされてました)

折角なので本書に触れます。

・パスを成功させるにはタイミングが大切だ
・2列目からの走り込みはオフサイドトラップを多用するチームに有効だ
・クローズな状態ではラインを高く保つ

上記の内容は当然になっている部分ですが、こうやって書き出してみると意外と良書な気もしてきますね笑

一方で、攻守のバランスの取り方を単純に人数を増やすか減らすかだけで考えているように取れて、あまりしっくりこなかったです。
立ち位置や限定の仕方でバランスは取れると思うんですよね。。。

その中でも参考になったのは「スペクタクル」について書かれていたところです。
たまに見かけるんですが、意味がわからないままほったらかしていたので、いい機会になりました。

スペクタクル=見せ物、出し物
      ≒攻撃的なサッカー
スペクタクルなサッカーをするためには何よりもスピードが重要。
ボールがスムーズにスピーディに動き、人の動きにもダイナミズムがあり、主導権を握るサッカーだ。
とはいえ、チームの振る舞いが守備的であっても、カウンターが素晴らしければスペクタクルといえる。

また、ポジションごとに求められる能力も書かれてました。
MFには技術も大切だけど、それより戦術理解を求めていて、10年前からそんなこと言われてたんだなあと関心です。

他に面白かった点は、ファンタジスタをポジションの括りで述べていた点、第一GKと第二GKをしっかり分ける点、監督はチームのトップなのだから選手と一定の距離感でいる点、この辺りですね!


2. ****アンチェロッティの完全戦術論』

実は、1冊目のことがあったので期待していませんでした笑

しかし、同時に2冊買ってしまったことと、折角お勧めしていただいたこともあるので、読み始めました。

いやいや

面白い。。笑

面白かったですね。
え、何があった?というほど前作よりバージョンアップしています。

指導者の方は読んで損はないと思います。
また、エヴァートンサポの方も読むと心強く感じるかもしれません笑

充実の内容です。

まず驚いたのは、一週間のトレーニングの作り方。これ戦術的ピリオダイゼーションのモルフォサイクルそのものじゃないですか!
(ざっっっくり説明すると、そういう効果的なトレーニングの組み方がありまして、理論としてはもともとあったんですが、モウリーニョが実践したことで話題となり、日本ではここ数年ブームとなっているもの。詳しくはこれまた本や雑誌で得た知識にはなりますが別のnoteで書き、、書くかなあ、、、)

思ったよりも前に実際に取り入れている監督がいたことに驚きです。おそらくモウリーニョの方が先だとは思うのですが、恐るべき吸収力。

また、試合前の準備についても詳しく書かれており、簡単なチェックシートも用意しているようで、その内容も書かれていました。
それだけでなく、試合中の分析、ハーフタイム
交代策など盛り沢山で間違いない一冊です。


3. **アンチェロッティとは**

私の本を読む前の印象は、なんとなく「堅苦しい厳しい人」だったのですが、読んでみて、全然そんなことないと感じました。もちろん真面目な人なんでしょうけど笑

まず意外だったのは、選手と積極的にコミュニケーションを取るということです。
特にロッカールームにも顔を出し、プライベートな話もするというのだから驚きです。ペップ・グアルディオラはロッカールームに入らないと言いますが、アンチェロッティはむしろ進んで行くのです。これは、クロップの「友達にはなりたいが親友にはならない」に近い考えがあるのではないか、と推測します。

また、非常に柔軟な考え方を持っており、すごく尊敬できます。

あのレベルで監督をしている人が、GPSを取り入れ、絶対の自信のあるフォーメーションを選手に合わせて変更し、過去の試合を振り返り反省する。そしてまた新天地へ。

すごい人です。

この柔軟な考えはスペシャルな選手と向き合うことにも適しています。

彼は基本的に
・チームの哲学
・選手の特徴
この2点に合ったサッカーに、ほんの少し自分のカラーを足す監督です。

決して自分本意にならないからこそ、あれだけの成績を残してきたのでしょうね。


4. おわりに

アンチェロッティさんの素晴らしさが少しでも伝わったでしょうか?笑

現在、エヴァートンで監督をしております。
前任の監督時期はかなーり低調だったわけですが、少し調子を取り戻してきたような、、、

シーズン途中からだったので難しさは否めません。来シーズンのエヴァートンが楽しみですね!



読んでいただきありがとうございました!

実は『アンチェロッティ 戦術としての監督』という本も買ってしまっているので、そちらも今度読んで、またレビューを書ければ!と思います!

今回もありがとうございました!
次回もお楽しみに!

ではまた!

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