三鷹歌農書 1741-1760 1 三鷹歌農書 2024年7月18日 08:29 サツマイモ畑の湖(うみ)の真ん中に蓮鉢置きて咲かす一輪三鷹歌農書 (一七四一)付き合ひがつきあひを呼び溺れゆく我かブドウの摘粒をせむ三鷹歌農書(一七四ニ)ニンジンに皮は無いのだ採りたての甘さをがぶりがぶり消えゆく三鷹歌農書(一七四三)浅漬けのナスとキュウリに柴漬けと見紛ふシャドークイーンのフライ三鷹歌農書(一七四四)水遣りを忘れし畝が二つほどキュウリネットに三日月の針三鷹歌農書(一七四五)一面を奔る潮(うしお)の葉脈の溢るるごとき梅雨のサトイモ三鷹歌農書(一七四六)長さはた丸さを取るか壮年の夏の生き方ナスビに問へり三鷹歌農書(一七四七)行き場なくホップとブドウ絡みあひ自ら棚となるべく宙を三鷹歌農書(一七四八)陽を受けて零す葉叢(はむら)を仰ぐなり杜仲の夏のひかりの瀧を三鷹歌農書(一七四九)葉を割ればグッタペルカの白糸の杜仲の夏のちからの梯子三鷹歌農書(一七五○)三つ編みにカーリーウェーブ髪を先づトウモロコシは愛でてから採れ三鷹歌農書(一七五一)火を通しすぎてしまへりせめて名をパールコーンのパンダ焼きとか三鷹歌農書(一七五ニ)明日葉に杜仲も枇杷も茶にせむと葉月の葉から引き出す薫り三鷹歌農書(一七五三)時うまれつづけ過ぎしを消してゆくその玉響を歌の茶として三鷹歌農書(一七五四)明日葉を中深煎りにして飲めば正山小種(ラプサンスーチョン)のキレ喉を過ぐ三鷹歌農書(一七五五)晩秋の葉を落としたる林へとわれを運べる杜仲の茶の香三鷹歌農書(一七五六)枇杷の葉の厚き硬きを焙ずればマスクメロンの仄かなにほひ三鷹歌農書(一七五七)一碗のデュエット甜(あま)きステビアに蓮の花の醴(あま)さ引き立つ三鷹歌農書(一七五ハ)옥수수수염차(オクスススヨム)玉薥薥鬚髯(おくすすすよむ)唱へつつ滑舌悪きわがための茶を三鷹歌農書(一七五九)ボルドーの色の深きを愛でながらトウモロコシのひげ茶を啜る三鷹歌農書(一七六○) ダウンロード copy #短歌 #農業 #野菜 #家庭菜園 #日々のこと #野菜作り 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート